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■ 日本の歌「さくら」がベラルーシ語の歌になりました!
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2004年1月30日、コンサートホール「ミンスク」にて、ベラルーシで初めて、日本の歌がベラルーシ語で歌われました! 歌われた日本の歌は「さくら」(日本古謡のあの「さくら」です。) 編曲はトーダル。(本名はズィミツェル・バイツュシュケビッチ) 日本語の歌詞は辰巳が日本語からロシア語へ、そしてロシア語からベラルーシ語へは詩人でシンガーソングライターのアレーシ・カモツキーが翻訳しました。 歌ったのはトーダル率いるWZ-オルキエストラのメンバー、クセニヤ・ミンチャンカでした。
トーダル&WZ-オルキエストラについて、詳しくは以下のリンク先からご覧ください
・トーダル&WZ-オルキエストラ (公式サイト ベラルーシ語)
・「Tのベラルーシ音楽コラム」 バラード 季節の香り
(ベラルーシの部屋内にある紹介ページにあるトーダル&WZ-オルキエストラのCD紹介ページ)
さて、ここまで読んで 「さくらをベラルーシ語にした? それは一体どういういきさつで?!」 と思われた方が多いと思いますが、事の起こりはそもそも4年前・・・
・・・と説明し出すと長文になってしまうので、過去の話は次回にまとめます。
ここでは先に未来の話をしますね。 実は日本の歌10曲をベラルーシ語に訳して、1枚のCDにして販売する計画があります。何枚製作するかもまだ決まっていませんが、日本の歌をできる限り多くのベラルーシの人々に紹介したいと思っています。もちろん多くの日本人にも、二つの異なる文化が融合した音楽を聞いていただきたいです。
編曲はトーダル。 歌詞の翻訳はTとアレーシ・カモツキー。 演奏はトーダル&WZ-オルキエストラ。 ・・・で、現在、話は進んでいます。
さて、収録曲10曲のうちの1曲「さくら」ベラルーシ語版はすでに完成しました。 ちょうど2004年1月30日にトーダルの最新CD「季節の香り」コンサートが、ミンスクで行われたのですが、そのときに「さくら」も演奏曲の中に入れる、とトーダル君が宣言したため、私もコンサートへ行ってきた・・・というわけなのです。
コンサートは2部構成で、前半は主にCD「季節の香り」の収録曲が歌われていました。「さくら」がいつ歌われるのか、分からなかったので、私の心臓は鳴りっぱなし・・・ 会場はほぼ満席。1200人ぐらいが来ていました。 「ああ、この人たちがベラルーシ音楽史上初の日本の歌のベラルーシ語版を聞くラッキーな人々なのだわ。」 などと考えていました。(^^;) 休憩のときにロビーに行くと、プロデューサー氏はトーダル君のCDとカセットを販売中・・・。売り場には黒山の人だかり。 プロデューサー氏によると「季節の香り」はトーダル君のアルバムの中で一番売れたのだそうです。
ロビーでロシア語からベラルーシ語に翻訳したアレーシ・カモツキーさんにお会いしました。カモツキーさんは、見るからに芸術家、という感じのお方で、とても優しそうな人でした。 T「私が訳したロシア語訳、最悪だったでしょう。詩人の感覚で読むと・・・。あれは直訳に近くて、詩と呼べるようなものではなかったですから。」 カモツキーさん「いや、そんなことないですよ。必要なのは情報ですからねえ。」 T「ベラルーシ語に訳すのは、難しくありませんでしたか?」 カモツキー「いや、おもしろかったですよ。日本の歌は美しいと思います。これから残りの歌を訳しますからね。」 (でも、ただ訳すだけじゃなくてメロディーに合わせた歌詞にしないといけないから、実際はかなり大変な作業だったと思います。)
ちなみに「さくら」はベラルーシ語訳のタイトルは「桜の花が咲いている」になっていました。 そしていよいよ第2部の始まり。ずっとベラルーシ語の歌が続いている中で、いきなり日本の歌が歌われたら、浮いてしまうのではないかと、心配していましたが、プロデューサー氏は 「う〜ん、でも半分ベラルーシの歌になっているはずだから、大丈夫だよ。」 と言っていました。 そして実際、そのとおりになっていたのです。
第2部の4曲目に「さくら」が歌われました! 今までバイオリンを弾いていたクセニヤさんが、バイオリンを置いて、突如、紙で作った白い扇を2枚手に取り、それを舞いのように回しながら「さくら」を歌い始めました! あの「さ〜く〜ら〜♪ さ〜く〜ら〜♪」の出だしはベラルーシ語で 「白い花よ、かわいい花・・・・・」 となっていました! 伴奏はピアノ、ドラム、バヤン、コントラバス、ハーモニカ、でした。 私は聞いていて、ずっと手が震えていました。 終わった後、大きな拍手と「ブラボー!」の声。 しっかり、花束をクセニヤさんに渡しておきました。(^^)
クセニヤさんの美しい声は、ただ綺麗なだけではなく、魂がこもっていました。 (あ〜全ての日本人に聞かせてあげたかったよ。) トーダル君の編曲は、すばらしかったです。正直言って、ここまで美しく、心のこもった編曲をしてくれるとは思っていませんでした。予想以上でした。 言葉では、うまく言い表せませんが、メロディーは日本の「さくら」にもかかわらず、トーダルの音楽の味がついている曲に変身してしまっているのです。この編曲の仕方は、日本人にはできない、と感じました。つまり、ベラルーシ人だからこそ、できた新しい「さくら」なのです。 日本であってベラルーシでもある、あるいは日本のものでもない、ベラルーシのものでもない、とも言える、世界で一つの不思議な花が咲いたのを見たようでした。 これからも順調に残りの曲の翻訳と編曲作業が続いて、CDとして成就することを祈っています。
それにしてもこれから、どんな曲ができあがっていくのか、本当に楽しみです。(^^) トーダル君の歌う日本の歌が早く聞きた〜い!
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辰巳雅子
Date:2004/02/02
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