5月31日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第60回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト2を10個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計1237個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは990部となりました。
今回で通算69回目のビタペクト2の配布となりました。
のべ人数になりますが、現時点で1237人分のビタペクト2、そして990家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)
今回も保養に来ていた家族からお話をうかがいました。
(家族A)
ブレスト州ピンスクから来た家族。3人の子どもと親戚の子ども、友だちの子どもなどあわせて6人の子どもをお母さんが引率してきていました。
この家族には4個のビタペクト2を渡しました。それぞれの体内放射能値はこのとおりです。
母親 26ベクレル ○
長男(11歳)10ベクレル
次男(8歳)15ベクレル ○
三男(8ヶ月)41ベクレル
男子(11歳)22ベクレル ○
女子(13歳)12ベクレル
女子(13歳)26ベクレル○
このうち○印の4人に1個ずつビタペクト2を渡しました。
41ベクレルだった三男は生後8ヶ月なので、ビタペクト2は飲めませんが、今も母乳が出ているお母さんにビタペクト2を飲んでもらうようにしました。たぶんこれで、母乳に含まれる放射能は減ると思います。
11歳の長男は生まれつき障害を持っています。脳で筋肉を動かすことができない病気で、車椅子で生活しています。お母さんは手足をマッサージしたりしていますが、他にも泥を使った温療法がいいそうです。しかし、泥療法はベラルーシでは行われておらず、ウクライナの黒海沿岸地方まで行かなくてはいけません。以前はウクライナへ行くのは安くてすんだのですが、今は交通費などが高くなり、経済的に行けなくなったそうです。
8歳の次男は甲状腺が肥大しています。
子ども達はみんなよくのどの痛みを訴え、特に足が冷えるとのどが痛くなるそうです。
13歳の女の子は今回放射能値が低かったのですが、2年前に保養のためアイルランドへ行ったのがよかったのではないか、という話でした。
このお母さんはミンスクの教育大学で学んでいたころ、日本語を勉強したことがあり、もう忘れたと言いながらも「こんにちは。ありがとう。」と挨拶してくれました。
障害児の子どもにも、英語を教えているそうです。勉強していれば、きっと役に立つことがありますよね。
(家族B)
もう一つの家族は2006年8月にも保養に来ていた家族です。チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村
第48回」の(家族B)をご覧下さい。
グロドノ州、ポーランドの国境に近いヴォルコブィスク市郊外の村から来た家族。この家族には6個のビタペクト2を渡しました。
お母さんには3人の子どもがいます。姪っ子3人(うち1人は洗礼子)も連れてきていました。
子どもたちの体内放射能値は前回(2006年8月)と比べ、このようになっていました。
母親 9ベクレル(ビタペクト2摂取なし)→15ベレクル
長女(16歳) 30ベクレル(ビタペクト2摂取あり)→27ベクレル
次女(14歳) 11ベクレル(ビタペクト2摂取なし)→18ベクレル
長男(11歳) 16ベクレル(ビタペクト2摂取あり)→21ベクレル
洗礼子(6歳) 40ベクレル(ビタペクト2摂取あり)→15ベクレル
そして始めて保養に来た姪2人(8歳と5歳)はそれぞれ18ベクレルと19ベクレルでした。
結局、母親をのぞく子ども6人全員にビタペクト2を1個ずつ渡しました。
洗礼子のように放射能値が激減した子もいれば、増えてしまった子どももいます。
どうしてなのかはやはり体質や食べている食品の違いからなのだろうと思います。
長女は貧血をよく起こしていたそうですが、現在は改善されてきたとのこと。次女は健康。
この長男は障害児(口蓋裂)として生まれて、今まで3回手術をし、14歳になったら最後の手術をして上の歯を全部入れ歯にする予定だという話でしたが、まだ11歳なので、最後の手術はしていない、ということでした。お母さんの膝枕で横になったりしていて、昨年と比べて具合はあまりよくなったようには見えませんでした。今は14歳になるのを待っているだけのようでした。
去年、洗礼子は慢性扁桃腺炎を抱えているという話でしたが、最近は症状は減ってきている、ということでした。姪っ子2人はよく風邪をひく、ということでした。
このお母さんは学校で美術の先生をしていいるのですが、前回の保養のとき渡した「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを自分が勤務している学校へ持って行ってくださったそうです。
その結果、ペクチンがたくさん含まれているココアが週に2回、学校の給食で出されるようになったそうです。また給食の献立が学齢別に細かく分かれるようになり、よりミネラルの多い食事が出されるようになったそうです。
このお母さんが学校で「チェルノブイリ:放射能と栄養」の内容を広めてくれたおかげです。この話を聞いたとき、放射能から身を守る方法や情報が広がっていったように思え、本当にうれしかったです。
お母さんは前回と同じように自作のハートの形の折り紙をプレゼントしてくれました。このハートの折り紙は内側が開くようになっていて、そこにメッセージを書き込むこともできるのですが、長方形の紙から作るため、紙幣で折って人にプレゼントするんだそうです。
お金で作ったハートマークの折り紙、ほしいですねえ。(^^;)
こちらからは子ども達に折り紙や、竹とんぼ、シールなどをプレゼントしました。
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙、竹とんぼ、シールなど子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方々、また交通費を寄付してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。私はもちろん、ベラルーシの子どもたちもSOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。今後もご支援をよろしくお願いいたします。