2002年7月、健康食品「ビタペクト2」を、汚染地域であるゴメリ州フラコビッチ村の幼稚園児(25人)に無料で支給しました。 チロ基金は「ビタペクト2」を開発したネステレンコ教授や放射能防護研究所「ベルラド」の所員の方々が、真剣にチェルノブイリ問題に取り組んでいること、また「ビタペクト2」が科学的に効果があることが証明されているデータがあることなどから、25個(25人分。20日間分)を購入し、汚染地域にある幼稚園の園児に飲んでもらうことにしました。
その幼稚園は知人であり信頼できる園長さんのいる、ゴメリ州フラコビッチ村おひさま幼稚園です。(園長 ヴァレンチーナ・ツェルイコ。園児数 25名。2002年現在)
運送方法の問題があり、7月24日日本ベラルーシ市民友好協会代表の永江さんが、フラコビッチ村を訪問したときに頼んで、無料で園長さんのご自宅まで運んでもらいました。
ベラルーシの幼稚園は夏の間、閉園されますので、9月から園児に飲んでもらうことになるのですが、幸い「ビタペクト2」は1年間室温保存ができますので、園長さんにしばらく預かってもらうことになりました。
園児全員が必要量飲めるように、9月からお昼ご飯とおやつの時間に水に溶かしたジュースの形で、出してもらうようお願いしてあります。
ネステレンコ教授の話では、毎日続けて飲むのが望ましいが、それが無理なときは1パックを20日間に分けて、飲むことを1年に4回繰り返せば、それで十分効果が出る、ということでした。
また秋と冬がもっとも人体の放射能値が上がるそうで、その理由は秋は放射能を大量に含むきのこの収穫期であり、冬場は野菜や果物の摂取が減って、ビタミン類が不足し、免疫力が低下し、放射能も体内にたまりやすくなるからだそうです。
今回25人の園児20日分の量として必要な25パックを、チロ基金が出資して購入しましたが、かかった費用は1万円でした。
つまり1年に25人の園児に4回支給するとなると、100パック必要で、4万円の予算が必要、ということになります。
残念ながら、チロ基金は小さな基金で、1年で4万円の予算を組むのは苦しいものがあります。2万円なら何とか・・・と思っていますので、年2回秋と冬に支給することぐらいはできるかな・・・と今検討中です。
運送代をどうしようか、とか大量生産されて「ビタペクト2」の値段が安くならないかな、等いろいろ考えています。
越えないといけない問題はたくさんあるのですが、できる範囲で「ビタペクト2無料支給運動」を継続させたいと考えています。
また日本ベラルーシ市民友好協会のほうでも、何かできることはないかと、検討を始める予定です。
汚染地域に住む子どもの数は50万人です。それを考えるとチロ基金が援助する25人は、一握りにも足りません。しかし、放射能防護研究所「ベルラド」の所員の方は
「たった一人の子どもを救おうとするだけでも、必要なことです。」
と励ましてくれました。
話は変わるのですが、放射能防護研究所「ベルラド」を訪問したときに、テレビで見た座るだけで放射能値(主にセシウム137)を測ってくれるいすに、私(ベラルーシ在住7年以上。3年前汚染地域に行った経験有)も座りました。結果はゼロ。やったー。
でもひょっとして私が持っていた放射能が、母乳に混ざって全部子どもが飲んでしまったので、私自身の放射能値はゼロなのでは? と心配になりました。
しかし、母親の体内の放射能、全部が全部母乳に溶けてしまうわけではないので、その可能性はない、つまり母乳には放射能は混ざっていなかった、という説明で、安心しました。
放射能汚染地域ではないミンスクに住んでいる人でも、ゼロという人は10%しかいないそうです。平均は体重1キロあたり8ベクレルだそうです。これは全て汚染された食品を食べているからだそうです。
非汚染地域に住んでいても安心できないなあ、と思いました。
ちなみにこの放射能の測定はこの研究所で、1回2$で希望者に行ってくれます。
(私は「ビタペクト2」を購入したので、厚意で無料でしたが・・・。)
この話を聞いた主人が
「3$払ってもいいから、自分を測ってほしい。」
と言い出したので、いつかまた研究所に行こうと思っていますが、やはりベラルーシ在住の人間だから気になるみたいですね。ベラルーシ人はみんな口には出さないけど、心のどこかで心配しているのではないでしょうか。 → NEXT
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