※写真および文章はベラルーシの部屋ブログの記事からの転載です
10月26日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第67回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト2を6個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計1408個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1050部となりました。
今回で通算77回目のビタペクト2の配布となりました。
のべ人数になりますが、現時点で1408人分のビタペクト2、そして1050家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)
今回も保養のため滞在した家族にお話をうかがいました。
(家族A)
ブレスト州ピンスク地区にあるブリカ・ゴロジシェンスカヤから来た家族。お母さんが2人の子どもと3人の養子、1人の友人の子どもをつれて来ていました。この家族には2個のビタペクト2を渡しました。
それぞれの体内放射能値はこのとおりでした。
母親 10ベクレル
11歳長男 9ベクレル
10歳長女 11ベクレル
16歳養女 10ベクレル
7歳養子 29ベクレル ○
5歳養子 10ベクレル
6歳友人の子ども 37ベクレル ○
○印の人にビタペクト2を1個ずつ配布しました。
3人の養子は孤児院から引き取って育てているそうです。大変ではありませんか?と尋ねましたが、お母さんは子どもが好きだから、苦労などはしていない、ということでした。
ただ、本当の親の愛情を受けてきていなかったせいか、小さい養子の子どもたちは情緒が不安定、ということでした。でもちょっと見ただけでは、あんまり落ち着きがないなあ、という程度でした。
今回引率してきた友人の子どもは、近所に住んでいるそうですが、いわゆる貧困家庭で、栄養不足らしく、大変病弱、ということでした。
体内放射能値も高いほうで、今回いっしょに保養に行けて本当によかったと思いました。
子どもたちは特に持病などはない、というお話しでした。
(家族B)
ブレスト市からお母さんが5人の子どもを連れてきていました。そしてお母さんは6人目を妊娠中。
この家族には4個のビタペクト2を渡しました。
それぞれの体内放射能値はこのとおりでした。
母親 8ベクレル ○
14歳長女 22ベクレル ○
12歳次女 12ベクレル
9歳三女 43ベクレル ○
6歳長男 31ベクレル ○
2歳次男 0ベクレル
お母さんは放射能値は低かったのですが、胆石を持っており、また妊娠中であることを考え、ビタペクトを渡しました。
今年39歳のお母さんは以前ゴメリ州のブダ・コシェリョフの近くに住んでいました。チェルノブイリ原発事故が起きた当時は、18歳だったのですが、事故が発生してすぐに歯と髪の毛が抜け始めました。(髪の毛はその後また生えてきたのですが、歯はたくさん抜けたまま・・・。)
そして89年にブレスト市に自主的に移住したそうです。その後胆石と肝臓病になり薬を飲み続けています。
子どもたちはブレストの生まれですが、父親の両親がブレスト州の南、ウクライナ国境に近い村に住んでおり、遊びに行くことがあるそうです。しかしその村は放射能汚染地域に政府は指定していませんが、実際には放射能が高いのではないかと疑われている地域にあります。
それが原因か分かりませんが、子どもたちにもいろいろな病気が出ているそうです。
次女は12歳ですが、体重が79キロもあります。背も高くて、私は最初見たとき、高校生かと思っていたのですが、小学生でした。
この子も肝臓病を持っており、お母さんはこんなに体が大きすぎるのはおかしいし、それが原因で内臓に負担がかかり、もっと病気になるのではないかと心配していました。この子も薬を飲み続けています。
6歳の長男はまったく落ち着きがなく、騒いだり暴れたりほとんどじっとしていませんでした。私の顔を見て
「あっ、日本人だ! ロシア語しゃべってる!」
と叫んでいましたが、こういう反応する子はたくさんいるんじゃないか、と思いました。でもその後の様子を見ていたら、じっと座っていることが全くできず、笑ったり騒いだりしていました。
興奮しやすく、6歳になってもおねしょをしていると、お母さんは心配していました。(でも6歳でおねしょをするのは、よくあることではないかと思います。)
2歳の次男は0ベクレルでしたが、ヘルペスがのどの奥にあり、発症するたび高熱を出すそうです。口元にあったヘルペスがのどの奥にうつったそうですが、そんなことってあるんですね。(すごく痛そう・・・。)
14歳の長女はどもりが治らない、とお母さんは心配していました。
元気な3女だけが43ベクレルと一番高い放射能値でした。
お母さんは妊娠中だし、本当に大変だと思いました。
今回も子ども達に折り紙や、折り紙の作り方のコピー、自分で作る竹とんぼ、絵葉書をプレゼントしました。絵葉書に子どもたちの名前を日本語で書いたらとても喜んでいました。
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙、竹とんぼなど子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方々、またバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。