2006年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動

2006年活動記録
*SOS子ども村*
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成分
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SOS子ども村

第48回


 8月11日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第48回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト2を6個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1010個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは870部となりました。

 今回で通算55回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数、そして単純計算ですが、現時点で1010人分のビタペクト2、そして870家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
 
 今回も保養に来ていた家族からお話をうかがいました。

(家族A)

 ゴメリ市から来た家族。3人の子どもの他、母親が3人の子どもを引率して来ていました。
 このうち、11歳の男の子(36ベクレル)、9歳の女の子(36ベクレル)、6歳の女の子(23ベクレル)にビタペクト2を1個ずつ渡しました。

 まずお母さんなのですが、5年前に手術をして甲状腺を切除しました。
 17歳の長女は心臓に欠陥があり、甲状腺も肥大しています。やせていて、顔色もすぐれず、よく目まいを起こすということでした。
 11歳の長男(36ベクレル)には吃音障害があります。
 9歳の次男は元気だったのですが、運の悪いことにこの一家は2年前、当時居候していた親戚の家が火事に遭ってしまい、それから精神的なストレスからか、次男にも吃音が始まってしまいました。火事に遭ってからはしばらく住むところが定まらず、1年後にやっと長屋の一部屋が支給されました。幸い家の前に畑があり、そこで野菜を栽培することができるようになったそうです。
 引率してきた3人の子どもも、9歳の女の子(36ベクレル)と6歳の女の子(23ベクレル)は脳炎にかかったことがあり、11歳の男の子はおねしょがまだ治らないそうです。
 おねしょは深刻な病気ではないかもしれませんが、11歳になっても治らないと、ちょっと心配ですね。
 それから脳炎については
「ベラルーシではかかる子どもがたくさんいる。」
ということでしたが、そんなに罹病率の高い病気なのでしょうか? 話を聞いて驚きました。

 お母さんは放射能汚染地域で有名なゴメリに住んでいるけれど、今までビタペクト2のことは全く知らなかったそうです。
 残念なことに今のところビタペクト2は大量生産されていないので、ベラルーシ中の各薬局で売られているわけではありません。もちろんテレビCMなどもしていません。ベラルーシ人にあまり知られていないのも仕方がないのかもしれません。
 お母さんは
「子どもの健康のためなら、安いものだから、ゴメリで売られているなら、大勢の人が買うのに・・・。」
と話していました。
 「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーについても、こういう情報が必要だと、大変感謝していました。また買ってくる食料品を全て、放射能測定器で検査したいけれど、家庭用に測定器は販売されていないのだろうか? ときかれました。
 私は調べてみないと分からないけれど、もし売られていたとしても、高額で一般の家庭では買えないのではないか、と話しました。
 このお母さんはだいぶ放射能の影響のことを心配しているようでした。放射能は五感では感じることができないので、全く気にしないという人もたくさんいますが、このお母さんは危機感を持っている(ある意味では普通の感覚)人だと思いました。 


(家族B)

 グロドノ州、ポーランドの国境に近いヴォルコブィスク市郊外の村から来た家族です。この家族にも3個のビタペクト2を渡しました。
 3人の子どもがおり、さらに1人の洗礼子を連れてきていました。
 お母さんは学校で美術の先生をしています。末息子が障害児(口蓋裂)として生まれて、今まで3回手術をしました。14歳になったら最後の手術をする予定だそうです。この子どもは地元の身体障害者協会の会員で、この協会経由でSOS子ども村へ保養に来ることができたそうです。
 口蓋裂のため、歯並びも悪く、最後の手術で上の歯を全部入れ歯にしなくてはならないそうです。また口蓋裂の影響で中耳炎になりやすく、頭の片側ばかりを下にしているとすぐに耳から水が出てくるそうです。もちろん言葉の問題も残っています。
 測定結果はこの10歳の男の子は16ベクレル、15歳の長女は30ベクレル、そして洗礼子は40ベクレルだったので、ビタペクト2を1個ずつ渡しました。

 15歳の長女は貧血をよく起こすそうです。13歳の次女は健康。
 5歳の洗礼子は慢性扁桃腺炎を抱えています。測定結果が40ベクレルだったので、お母さんはとても心配していました。
 ヴォルコブィスク市はポーランドに近く、チェルノブイリ原発からずっと離れているのに、放射能汚染地域とあまり変わらない測定結果が出たので驚きました。

 お母さんは子どもの健康のため、ヴォルコブィスク市郊外の村に引越し、自分たちが畑で作った新鮮な野菜を子どもに食べさせたり、牛も飼っているそうです。今の村の生活のほうが、空気もきれいで、体によい、と大変そうですが自分たちは満足している、という話でした。
 
 今回も子どもたちに折り紙用の紙や折り紙の作り方のコピー、竹とんぼをプレゼントしました。家族Bのお母さんは美術の先生ですが、折り紙は学校の授業に取り入れられていると話し、自作のハートの形の折り紙をプレゼントしてくれました。言葉で説明するのが難しいのですが、このハートの折り紙は内側が開くようになっていて、そこにメッセージを書き込むこともできるという、凝った作品でした。(私は日本人だけど、この折り紙の作り方は知らないです・・・。)(^^;)
 きっとこのお母さんを中心にして、子どもたちは折り紙を楽しんでくれると思います。
 竹とんぼも早速、外に出て飛ばしていました。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙や竹とんぼなど子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方、またバザーなどで交通費など諸経費を捻出してくださった皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。私はもちろん、ベラルーシの子どもたち、お母さんたち、SOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。
辰巳雅子
Date:2006/08/13(Sun)

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