2004年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動

2004年活動記録
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ビタペクト2について
成分
外観と摂取方法
 

 


SOS子ども村

第20回

 7月1日にビタペクト2と「放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第20回目の配布を実施しましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト2を10個、「放射能と栄養」のコピーを8部渡しました。
 これで通算25回目のビタペクト2の配布となり、配布したビタペクト2は合計528個、「放射能と栄養」のコピーは558部となりました。
 のべ人数、そして単純計算ですが、これで528人分のビタペクト2、そして558家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

 今回も保養にきていた2家族からお話をうかがいました。
 
(家族A)

 ゴメリ州カリンコビッチ市(モズィリ市の近く)から来た、お母さんと6人の子どもたちです。
 お母さんのお話によると、今年の1月ベルラド研究所の職員がカリンコビッチに来て、集団測定を行ったそうです。
 この家族は全員、44〜47ベクレルという結果が出たそうです。
 ベルラド研究所はビタペクト2を飲むように勧めましたが、そのビタペクト2は研究所から無料支給ではなく、購入しなくてはいけなかったそうです。
 製造当初より、ビタペクト2の価格は下がり続けており、現在のレートで300円強なのですが、この家族は必要な分、約1800円(6個)を購入することが、経済的にできず、3個しか買えなかったそうです。
 その3個のビタペクト2を子どもたちは分け合って飲みました。
 お母さんは紅茶に入れるなど、工夫したので子どもたちは嫌がることなく、ビタペクト2を飲んだそうです。

 その後、再測定などはしないまま、SOS子ども村へ保養に来ました。
 ビタペクト2を1月に飲んでから、5ヵ月後ミンスク市内のベルラド研究所で、2度目の測定をしたことになるのですが、今回の結果は13〜42ベクレルと開きはあったものの、全体的に体内放射能値は下がっていました。
 もし1人につき1個のビタペクト2を買うことができたら、もっと低い値が出ていたかもしれません。

 私のような日本人からすれば、300円出して自分の体内に蓄積された放射能が体外に排出されれば、安いものだ、と思いますが、ベラルーシ人の多子家庭にとっては、ビタペクト2は高すぎるそうです。
 そして今回、チロ基金からは無料でビタペクト2がもらえるときいて、ほっとしていました。
 この家族の放射能値についてはこのとおりです。

母親 25ベクレル
子ども
 13歳 31ベクレル 
 11歳 26ベクレル
  8歳 28ベクレル
  6歳 33ベクレル
  5歳 13ベクレル
  2歳 42ベクレル 

 この子どもたちには5個のビタペクト2を支給しました。
 残念なことに1番放射能値が高かった2歳の子どもにはビタペクト2を渡せませんでした。(ビタペクト2は3歳以上が対象のため。)

 この子供たちの中で13歳の子どもは、よく頭痛や胃痛を起こすそうです。また8歳の子どもも胃痛を訴えることが多いそうです。この2人の子ども以外には、特に健康上の問題はないそうです。


(家族B)

 もう一つの家族はゴメリ州カリンコビッチ市から30キロ離れたところにある村、ボブロビッチ村から来ていました。
 子どもは8人で、一番上の子どもを除く7人の子どもたちがお母さんと保養に来ていました。この家族の放射能値についてはこのとおりです。

 母親 14ベクレル
子ども
 14歳 16ベクレル 
 12歳 31ベクレル *
 11歳 28ベクレル *
  8歳 20ベクレル *
  7歳 34ベクレル *
  5歳 32ベクレル *
  3歳  9ベクレル
 
 この家族はビタペクト2を今まで飲んだことがありません。
 放射能値にかなりばらつきがありますが、この差がどうして出るのかはよく分かりません。
 この兄弟の中で一番小さい3歳の子どもが9ベクレルと、値が最も低かったのですが、この子が喘息を持っていて、入院したこともあり病気がちだそうです。
 喘息と放射能の関係もよく分かりません。(この子の場合は、あまり関係がなさそうです。)
 放射能値の高かった他の子どもたちは特別に健康上の問題はないそうです。
 しかし放射能値の高かった*印のついた子ども5人に一つずつビタペクト2を渡しました。

 話は変わりますが、このお母さんは今年33歳で(私より若い・・・)8人の子持ち。
 保養に連れてきた子どもの年齢を見たら、14歳の子どもはお母さんが19歳のときに生んだ子ども・・・しかも一番の上の子どもは連れてこなかったそうなので、結婚したときは何歳だったのだろうと思ってしまいました。
 子宝に恵まれて羨ましいといえば羨ましいのですが、結婚してからずっと20代も、ほとんど常に妊娠しているか、乳飲み子を抱えているかの生活が続いていたのか・・・と思うと、想像しただけで私は疲れてしまいました。いやあ、大変です。

 画像はSOS子ども村の職員リリヤさんが、子どもたちにビタペクト2を試しになめさせているところです。
 いつも子どもたちの手のひらに少しずつ、ビタペクト2をのせて、「味見してごらん!」と言っているのですが、リリヤさんが
「ほら、りんごの味がするでしょ? 香りもりんごでしょ?」
と言うと、恐る恐る手を出していた子どもも安心して、ビタペクト2を飲むようになるそうです。  
 
 さて、今回も折り紙やぶんぶんごまなど日本のおもちゃを子どもたちに紹介しました。
 その中に名前がよく分からないのですが、ギザギザが刻まれている棒の先にプロペラがついていて、そのギザギザを別の小さい棒でこすると、プロペラが回りだす、というおもちゃ【注)ガリガリプロペラ】がありました。
「電池もモーターもついていないのに、プロペラが回りだすよ〜。」
さあ、お立会い、と子どもたちに見せたら、予想以上におもしろがっていました。
 このガリガリプロペラをあげたら、子どもたちは喜んで遊んでいました。
 プロペラやぶんぶんごま、折り紙といった素朴な日本のおもちゃに喜んでくれて、私もうれしくなりました。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、また諸経費を捻出してくださった皆様、ぶんぶんごまやプロペラといったおもちゃを手作りで作ってくださった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
by 辰巳雅子
2004/7

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