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SOS子ども村
第18回
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2004年5月19日にビタペクト2と「放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第18回目の配布を実施しました。
今回はビタペクト2を11個、「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。 これで今まで配布したビタペクト2は合計511個、「放射能と栄養」のコピーは520部となりました。
これで通算23回目のビタペクト2の配布となりました。 のべ人数、そして単純計算ですが、これで511人分のビタペクト2、そして520家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
今回も保養にきていた2家族からお話をうかがいました。 この2家族は親戚同士(お母さん同士が叔母と姪の関係)で、ゴメリ州ペトリコフ地区から来ていました。 叔母さんの家族のほうは4人子どもがおり、さらに近所に住む夫のほうの親戚(甥っ子2人)を連れて、保養に来ていました。この甥御さんたちのお父さんは事故で亡くなり、母子家庭だそうです。 この家族には5個のビタペクト2を渡しました。 お母さんが30ベクレル、14歳の女の子が35ベクレル、14歳の甥っ子が28ベクレル、12歳の女の子が27ベクレル、11才の女の子が22ベクレル・・・でした。さらに3才の男の子が30ベクレルでしたが、ビタペクト2は対象年齢が3才以上なので、この子にはビタペクト2は渡しませんでした。
私はつい 「3歳になっているなら試しに飲ませてみて、下痢などの症状が出なければ、あげてもよいのでは・・・。」 と言ってしまったのですが、SOS子ども村で働いているリリヤさんによると、 「下痢以外の症状が出るかもしれない。そのとききちんと『体のどこがどのように感じるのか』説明できる年齢になるまで、ビタペクト2は与えないほうがよい。」 という意見でした。
確かにそうですよね。それに保養に来ているのに、子どもが下痢など起こしたら、何しにSOS子ども村まで来たのか? ということになってしまいます。 リスクは背負わないほうがよい、ということですね。 ビタペクト2がもっとベラルーシ全国の薬局で手軽に買えるようになるといいのですが・・・。 そうしたら今3歳以下だから飲めない子どもでも、4歳ぐらいになったら、お母さんが近所の薬局へ行ってビタペクト2を買うことができるんですけどね・・・。
さて、もう一つの姪御さんのほうの家族ですが、6個のビタペクト2を渡しました。 このお母さんも4人の子どもがおり、さらにいとこの子ども3人も連れてきていました。 お母さんの放射能値は少なく、ビタペクト2は不要とされましたが、連れてきた7人の子どものうち6人に20〜30ベクレルの放射能が測定されました。残り1人の子どもは2歳の女の子で40ベクレルでした。この子も3歳以下だから、と言う理由でビタペクト2を渡しませんでした。とても残念ですが、仕方がありません・・・。
健康について質問してみましたが、特にこれといった持病はない、という話でした。(という返事が返ってくると「ふう、間に合った。」といつも思います。) ただ14歳の男の子(28ベクレル)の身長が低いのでは? と心配していました。身長は150センチだそうですが、 「男の子だから高校生ぐらいになったら、伸びるんじゃないですか?」 と私が言うと、リリヤさんも 「ちょっと平均身長より低いぐらいなら大丈夫よ。14歳の子が8歳ぐらいにしか見えなかったら、心配したらいいんですよ。」 と言いました。何でもごくまれですが「14歳なのに8歳ぐらいにしか見えない子ども」が、SOS子ども村に療養滞在に来るそうです。
ビタペクト2を渡しているのは、療養ではなく、保養滞在の子どもたちだけで、滞在期間も3週間ときっちり決められています。 お母さんたちは 「毎日朝5時に起きて、牛の乳搾りをすることから1日が始まる。」 という生活をしており、保養中はそういった仕事から解放されて 「かえって変な気持ちがする。」 と笑っていました。 本当にSOS子ども村がベラルーシにできてよかったね、という話をしていたら、リリヤさんが、もう一つSOS子ども村がベラルーシにできることになり、施設自体は完成した、ところがSOS子ども村がオーストリア資本で作られた非国立系孤児院であることにベラルーシ政府が目をつけ、20万ドルの税金を支払うよう要求したそうです。 その税金を完全に支払うまでは、子どもたちを収容できず、建物は空っぽのまま・・・。 そこで暮らすのはベラルーシの子どもたちで、その子どもたちに使われていた国の税金が浮いて助かるのに、さらに20万ドルを納めよとは・・・ベラルーシ政府のやっていることにため息が出ます。 こんな短絡的なことしかしていないようでは、ベラルーシという国はいつまでたっても経済的に成長しないでしょうね。やれやれ。 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、またバザーなどで諸経費(折り紙用の紙や、SOS子ども村までの交通費など)を捻出してくださった皆様、竹とんぼやぶんぶんごまを手作りで作ってくださった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
画像はぶんぶんごまや竹とんぼなどで遊ぶ子どもたちです。 (私よりぶんぶんごまを回すのがみんな上手なんですよね。子どもは遊びの天才? それより私がぶきっちょだから?(^^;) この画像にはありませんが、折り鶴などもさっさとベラルーシの子どもたちは作ってしまいます。) by 辰巳雅子
2004/5
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