2004年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動

2004年活動記録
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ビタペクト2について
成分
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SOS子ども村

第17回

 2004年4月27日にビタペクト2と「放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第17回目の配布を実施しました。

 今回はビタペクト2を7個、「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今まで配布したビタペクト2は合計476個、「放射能と栄養」のコピーは470部となりました。

 これで通算21回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数、そして単純計算ですが、これで476人分のビタペクト2、そして470家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

 今回も保養にきていた2家族からお話をうかがいました。

 (家族A)

 ゴメリ州ペトリコフ市から来ていました。お母さんと6人の子どもです。
 16歳の女の子が19ベクレルで、ビタペクト2を1個渡しました。結局この家族でビタペクト2を渡したのはこの女の子一人だけです。
 その子の3歳と1歳半の弟2人がそれぞれ40ベクレルでしたが、3歳以下の子どもにはビタペクト2を飲ませてはいけないことになっているので、渡しませんでした。3歳の子どもには、試しにあげればよかったかもしれません。
 ベルラド研究所の職員の方の話では、3歳以下の子どもにビタペクト2を飲ませると、下痢を起こすことがあるので、3歳以下の子どもにはあげてはいけないことにしているそうです。少し飲ませてみて、下痢が起きなければ、継続して飲ませもいいそうです。
 この家族は全員に健康状態に問題はありませんでした。
 
 いつも
「健康状態に何か問題はありませんか?」
と質問するのですが、
「ありません。」
と言われるとほっとします。
 ビタペクト2は健康食品なので、すでに発病している子どもにはあまり効き目がないのです。それよりも高い放射能値が測定されたにもかかわらず、これといった病気にかかったことがない子どもに出会うと
「よかった、間に合った!」
と思います。


 (家族B)

 ゴメリ地区テレシコビッチ村から来たお母さんと8人の子どもたち。
 お母さんが19ベクレル。8人の子どものうち5人が19ベクレルから26ベクレルで、ビタペクト2を1個ずつ配布しました。全部で6個になりました。
 この家族にも健康状態について質問すると・・・
 男の子が生まれつき心臓に欠陥がある。冬、肺炎にかかって入院した・・・。4歳の女の子が腎炎を患っている・・・。14歳の女の子が飼っている馬に踏まれて、肝臓がつぶれて入院し、大変だった・・・。
 などなどさまざまな話を聞きました。
 SOS子ども村の職員リリヤさんは、保養滞在中にこの家族を連れて病院へ行き、全員検査を受けさせる・・・ということでした。 

 この家族は全部で9人兄弟なのですが、全員両親とは血のつながりがない養子です。長男は21歳で保養の対象から外れ、今回はお父さんと留守番しているそうです。
 両親は子どもが生まれないので、養子をもらうことに決め、まず男の子(現在の長男)を養子にもらい、次に女の子二人を養女にしました。
 しばらくしてこの子どもたちの話を聞くと、それぞれ血のつながった兄弟がいて、孤児院で暮らしており、離れ離れになったことが分かり、その子たちもみんなまとめて引き取ったら9人になったそうです。ゴメリ州(放射能汚染地域)に住んでいるため、外国へ保養に行った子どももいるそうです。

 そこで、外国での保養の話になったのですが、放射能汚染地域に住んでいる子どもは優先して保養に招かれるため、チェルノブイリ原発事故発生後18年経った今、多くの家庭が「うちの子は外国へ行ったことがある」という経験を持っています。
 それはそれでいいのですが、保養に行って帰ってきた子どもが、新しい靴や服を着せてもらって帰ってきたり、また外貨のお小遣いを持って帰ったのを見て、親が喜び、わざと汚染度が高いため食べてはいけない、と言われている魚やきのこを採ってきて、子どもに食べさせ、体内放射能値を高め、また保養に選ばれるように仕向けたりしているそうです。
 さらにはわざと家の窓ガラスを外して、近所の人に
「そんなことしたら、子どもが風邪引くでしょ?!」
ときかれると
「イタリア人だか、イギリス人だか、とにかく外国人の視察団が通りかかったら、『窓もない家なのか、かわいそうに。』ってうちの子を保養に連れて行ってくれるか、とにかく何か救援物資をくれるだろう。これで子どもに服を買わなくてすむ。」
と答えているそうです・・・。

 全く自分の子どもの健康のことを一番に考えられないものでしょうか・・・。
 欲のかたまりなのか知りませんが、こんなベラルーシ人(の親)がいるのは困ったものです。

 さて、画像はぶんぶんごまや竹とんぼで遊ぶ子どもたちとお母さん、そしてSOS子ども村の職員リリヤさんです。竹がなくても牛乳パックを再利用して作る竹とんぼも、伝授しました。
 しかし、子どもたちは普段、自分の家で飼っている牛の牛乳を搾って飲んでいるそうで、牛乳パックというものを見たことがなかったらしく、「ごみの再利用???」と言う感じで話を聞いていました。(^^;)
 保養中はパックに入った牛乳を買うこともあるかと思います。(捨てないで竹とんぼ作って〜)
 それにしても、ごみの出ない自然に近い生活を送っている人たちがちょっと羨ましかったりします。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、またバザーなどで諸経費(折り紙用の紙や、SOS子ども村までの交通費など)を捻出してくださった皆様、竹とんぼやぶんぶんごまを手作りで作ってくださった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
by 辰巳雅子
2004/5

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