※写真および文章はベラルーシの部屋ブログの記事を一部加工し、転載しました。
7月11日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第76回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト2を9個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計1484個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1140部となりました。
今回で通算86目のビタペクト2の配布となりました。のべ人数になりますが、現時点で1484人分のビタペクト2、そして1140家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)
今回、2家族が保養のため滞在しており、お話を伺いました。ただ残念なことに(家族B)の引率者である父親はちょうど不在で、この家族についてはSOS子ども村の職員から話を伺いました。
(家族A)
ブレスト市から来たお母さんと子どもたち。この家族には4個のビタペクト2を渡しました。
この家族のことを簡単にもう一度ご紹介します。
・3人の子どもたちは背骨に異常が見つかり、休学するよう言われた。
・お母さんは甲状腺の肥大、腎臓結石が見つかった。
・チェルノブイリ原発事故発生当時ブレストで働いていたが、3年後放射能汚染地域であるゴメリ州ジロービン市の授業も同じ建物内でできる孤児院で働いていた。現在はブレスト在住。
このお母さんには子どもが3人いますが、そのうち下の二人(長女と次女)を連れてきていました。そのほか4人の子どもを引率していましたが、全員ブレスト市の多子家庭協会の会員です。
ブレストの多子家庭協会の話をうかがいましたが、2001年に創立され、127家族、約500人の子どもが現在会員になっているそうです。(ベラルーシでは1家族に16歳未満の子どもが3人以上いると、多子家庭協会の会員になれます。)
母の日や子どもの日には、イベントを行い、みんなで楽しんでいるそうです。国から予算も出ていますが、イベント開催には企業のスポンサーがつくそうです。またドイツから古着の援助をもらったり、ドイツへ保養に行ったりしているそうです。ずいぶん活発に活動していますね。
この家族の放射能値測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。
母親 0ベクレル
長女10歳 13ベクレル
次女10歳 22ベクレル ○
女子14歳 19ベクレル ○
女子14歳 0ベクレル
女子11歳 23ベクレル ○
女子11歳 25ベクレル ○
このお母さんは2003年に娘二人と息子1人、子どもたちのいとこ2人を連れて、SOS子ども村に滞在したことがあります。このときの様子はSOS子ども村 第4回の報告をご覧ください。ブレスト市出身のお母さんとその子どもたちです。
このときの測定結果は、子ども3人とそのいとこ2人がビタペクト2を飲んでいます。
娘二人はその後ほぼ毎年SOS子ども村へ保養に来ています。毎回放射能値を測定しているので、追跡調査をしてみました。
・2004年の滞在の様子は第19回の報告をご覧ください。
・2005年の滞在の様子は第33回の報告をご覧ください。
・2006年の滞在の様子は第47回の報告をご覧ください。
その結果、2003年、2004年、2005年、2006年、2008年の測定結果の推移は以下の通りになりました。(○印は測定結果後、ビタペクト2を飲んだことを表しています。)
2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2008年 | |
長女 | 48ベクレル○ | 21ベクレル○ | 29ベクレル○ | 22ベクレル○ | 13ベクレル |
次女 | 27ベクレル○ | 0ベクレル | 20ベクレル○ | 0ベクレル | 22ベクレル○ |
また上記「女子11歳 23ベクレル ○」の女の子も2004年と2006年にSOS子ども村へ保養に来たことがあります。
以前の結果は、それぞれ22ベクレルと16ベクレルで、ビタペクト2を渡しています。
今回の結果は23ベクレルなので、ビタペクト2を毎回渡しても、結果は変わりがなかった、ということになります。ただこの子は2年おきにビタペクト2を飲んでおり、体質的、食生活的にも1年に1回飲んだほうがいいように思いました。
娘二人もビタペクト2を飲んで、効果が出ているときと、効果が1年以上持続していないときがありますね。
お母さんのお話では相変わらず、背骨の歪みで悩んでいるようでした。また他の子どもに関しても、女児11歳25ベクレルの子どもはアレルギー体質、胃腸炎を抱える子どもが増えている、という話でした。
「医学については素人である私たち一般人がまずしなくてはいけないのは、食育です。」とも話していました。全くそのとおりですね。
「チェルノブイリ放射能と栄養」のコピーももう何度ももらっている家族ですが、「もっとほしい。多子家庭協会の会員に配りたい。ビタペクト2も多くの子どもに飲ませたい。」
と話していました。
(家族B)
ミンスク州ラトムカから来た家族。この家族は家庭タイプ孤児院で、両親と2人の実子、15人の養子を育てている一家です。
ところが、昨年12月に母親が病死。成人して独立した子どももいますが、父親が一人で残った子どもの面倒を見ています。それを知っている地元の多子家庭協会の勧めで、SOS子ども村に保養滞在することになりました。
しかし全員の子どもは連れてこられず、そのうちの6人が父親と滞在していました。
ぜひこのお父さんと話がしたかったのですが、子どものうち1人をミンスクの専門学校に入学させたい、ということで、入学試験に行っており、会うことができませんでした。ベラルーシは9月が新学年の始まりで、夏である今が入試シーズンです。
体内放射能値を測定したときも、このお父さんと進学希望のこの子どもの二人はベルラド研究所に行けず、測定していません。
測定したのは5人の子どもですが、全員に1個ずつビタペクト2を渡しました。
渡した子どもたちの体内放射能値の結果はこのとおりです。
男子16歳 18ベクレル ○
女児15歳 18ベクレル ○
女児14歳 25ベクレル ○
女児9歳 20ベクレル ○
男子8歳 21ベクレル ○
ミンスク州に住んでいても測定した全員がビタペクトを飲まないといけない値が出たので、少々残念ですね。
ただ子どもたちはとても元気で、仲がよく、とても全員養子で、血のつながりがないようには見えませんでした。
今回も子ども達に折り紙や竹とんぼ、シャボン玉セットなどをプレゼントしました。
ベラルーシも夏本番で、竹トンボやシャボン玉を外で飛ばして、子どもたちは楽しそうに走り回っていました。
(記念撮影も外でしましたが、うちの子が混じっています。)
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。