※写真および文章はベラルーシの部屋ブログの記事を一部加工し、転載しました。
8月15日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第78回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト2を10個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計1505個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1160部となりました。
今回で通算88目のビタペクト2の配布となりました。
のべ人数になりますが、現時点で1505人分のビタペクト2、そして1160家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)
今回、2家族が保養のため滞在しており、お話を伺いました。
(家族A)
モギリョフ州オシポビッチ地区リペニ村から来た家族。
家庭タイプ型孤児院の家庭で、5人の実子のほか11人の里子が一緒に住んでいます。そのうちの7人が母親と一緒に保養に来ていました。この家族には6個のビタペクト2を渡しました。
それぞれの体内放射能値は次のとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。
母親 18ベクレル
女子17歳 23ベクレル ○
女子12歳 25ベクレル ○
男子11歳 30ベクレル ○
男子11歳 27ベクレル ○
女子11歳 33ベクレル ○
男子 9歳 0ベクレル
男子 6歳 38ベクレル ○
お母さんのお話によると子どもたちは慢性病は持っておらず、比較的元気だということでした。
ベラルーシ児童基金から一軒家を支給され、子どもたちは協力し合って暮らしている、ということでした。また未成年の子どもには毎月約90ドルずつの福祉手当が払われているそうです。
(家族B)
ビテプスク州グルボコエ市から来たお母さんと3人の子どもたち、1人の養子、そして近所に住む女の子1人が保養滞在していました。この家族には4個のビタペクト2を渡しました。
この家族の放射能値測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。ただ養子の男の子はSOS子ども村に到着後、すぐに検査入院したため、放射能の測定を行っていません。
母親 17ベクレル ○
長男17歳 16ベクレル ○
次男 6歳 27ベクレル ○
長女 1歳 0ベクレル
女子11歳 16ベクレル ○
この6歳の男の子は白血病です。3年前に病状が悪くなり、小児腫瘍病センターに入院しました。そのとき同じ病室に肝臓に腫瘍ができたため手術を受けた男の子が入院していました。
その男の子の両親は服役中で、身よりもなく、孤児施設から入院してきた子どもだということを知り、お母さんは神様にお祈りしたそうです。
「もし、うちの子の命を助けてくれたら、この男の子も私が引き取って育てます。」
しばらくすると、息子さんの症状はよくなり、退院することになりました。お母さんは神様との約束を守り、身寄りのない男の子を養子として引き取りました。
養子の男の子はやせていて、あまり丈夫そうに見えませんでした。でも育てのお母さんが病院へ連れて行ったり、大切に育てているそうです。
今回、SOS子ども村へ保養に来たときも、すぐに検査のため再入院しましたが、お母さんは
「どうしても、この子にもビタペクト2を飲ませたい。」
と希望したのと、他の子どもたちも高い放射能値が出ていることから、養子の子は放射能値が分かりませんでしたが、ビタペクト2を一つお母さんに渡しておきました。
それにしてもすごいお母さんですよね。普通、健康な子どもでも引き取って育てるのは大変です。それに子どものいない夫婦が、養子をもらった後、障害があることがわかって、
「やっぱりいりません。」
と孤児院に「返品」してしまうことも多くあります。
このお母さんには神様がついているのか、去年、念願だった女の子まで生まれて大変喜んだそうです。
でも4人の子ども、そのうち二人は慢性病を抱えているので、大変だろうなあ、と思うのですが、そういった福祉手当が今年から打ち切られてもらっていない、ということでした。
家族Aのほうの子どもたちは毎月福祉手当をもらっているのに、家族Bのほうはどうしてもらえないのですか? と尋ねると地方行政による、ということでした。
でも福祉手当の支給は国が定めた法律に則って、実施されないといけないので、地方によってこんな差があるのはおかしいと思います。
法律相談などを専門家に頼んでしてもらうほうがいいと、私は思いました。
病気の子どもを引き取って育てているお母さんなのに、経済的な支援がされないなんて、不平等だと思います。
今回も子ども達に折り紙などをプレゼントしました。竹で作られた知恵の輪を日本人の竹細工職人の方に寄贈してもらっていたので、それをあげたら、一生懸命外そうと挑戦していました。しばらくすると、ちゃんと外したので、驚きました。
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。