5月24日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第45回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回もビタペクト2を10個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計995個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは850部となりました。
今回で通算53回目のビタペクト2の配布となりました。
のべ人数、そして単純計算ですが、現時点で995人分のビタペクト2、そして850家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
今回はブレストから来た家族とゴメリ州モズィリ市糖尿病児童協会の会員の子どもたちが来ていました。
ブレストから来た家族は今回が3回目の保養となります。
第1回目の保養のときについては2003年5月「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村
第4回」をご覧ください。
第2回目の保養のときについては2004年6月「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村
第19回」をご覧ください。
またモズィリ市糖尿病児童協会への支援活動については2005年7月「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村
第34回」 および「ゴメリ州モズィリ市糖尿病児童協会への支援活動」をご覧ください。
またチロ基金の活動「ゴメリ州モズィリ市糖尿病児童協会への支援活動」第2回については2005年11月過去ログをご覧ください。
http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2005/011.html
先にブレストから来た家族についてご報告します。この家族は子ども達に背骨の問題がある一家です。2003年に初めて会ったときより、2004年のほうが状況はよくなってきているようでしたが、SOS子ども村に再々度保養に来ているところを見ると、すっかりよくなったわけではないそうです。
この一家(母親と3人の子ども)は2003年、2004年、2006年と3回体内放射能を測定したことになりますので、その結果をご報告します。
母親 20ベクレル→ 0ベクレル→10ベクレル
長女 48ベクレル→21ベクレル→14ベクレル
長男 19ベクレル→15ベクレル→15ベクレル
末子 27ベクレル→ 0ベクレル→19ベクレル
甥子 0ベクレル→11ベクレル
このほか前回引率されて来た子どもが1人再保養に来ていました。前回の放射能値は22ベクレルで、ビタペクト2を飲み、今回の測定結果は16ベクレルでした。
2003年には母親以外の子ども3人にビタペクト2を渡しています。
2004年には長女と長男の2人にビタペクト2を渡しました。
今回は3人兄弟全員と、引率されて来た子どもの計4個のビタペクト2を渡しました。
2回目と3回目の測定の間が2年、と時間が空いているのですが、一応初回の測定時より放射能値は平均すると減っています。増えてしまっている子どももいますが、やはり2年の間に食べ物から放射能が体内に入ってたまっているのでしょう。
今まで聞き取り調査をしたり、測定結果を集めてみて、住んでいる地域にもよりますが、最低でも1年に1回の割合でビタペクト2を飲むほうがいいのでは、と思われます。
次にモズィリ市糖尿病児童協会の子ども達です。今回は会長さんとその子ども3人(長女が糖尿病)そして事務局の方とその息子さん(糖尿病)、そして引率されてきた2人の子ども(1人が糖尿病)たちが保養に来ていました。
この子ども達は全員昨年秋に渡したビタペクト2を飲んでいます。またこのうち4人の子どもが再保養に来たため、放射能測定も2回受けました。ただし前回の保養時にビタペクト2を渡した子ども2名は今回は来ていませんでした。
測定結果はこうなります。+印があるのは糖尿病児。*印がついているのは今回ビタペクト2を渡した子ども達です。
事務局のユリヤさん 13ベクレル→19ベクレル
ユリヤさんの息子さん14ベクレル→16ベクレル + *
会長さん 8ベクレル
会長さんの長女 16ベクレル→16ベクレル + *
会長さんの長男 0ベクレル→18ベクレル *
会長さんの次女 19ベクレル *
糖尿病の男の子 27ベクレル + *
引率されて来た女の子 23ベクレル *
今回は全員昨年11月にビタペクト2を飲んでいるにもかかわらず、あまりよい結果が数値として出てきませんでした。
モズィリ市の食品が放射能汚染されているためなのかもしれません。糖尿病も関係あるかもしれません。
糖尿病の子ども達は普段から食事制限があるためか、ビタペクト2を飲むことにも抵抗はないようでした。
再びモズィリ市糖尿病児童協会の会長さんに話を聞くことができました。昨年秋以来、また入会者が増え、現在の会員数は38名だそうです。つまり、それだけモズィリ市とその近郊で糖尿病を発病した子どもが増えた、ということです。
さらに非常に困ったことが起こりました。子ども達は2種類のインスリンを5回に分けて注射しているのですが、そのうち1種類のインスリンがもらえなくなってしまったそうです。
もう少し詳しく説明すると、インスリンには長時間にわたって効くものと、短時間にわたって効くものがあります。前者は起床時と就寝時に注射します。後者は3回の食事の後に注射します。
それで合計5回の注射になるのですが、今年に入って今まで無料でもらえていたインスリンのうち前者が突然支給されなくなりました。今までもらっていた病院で理由を尋ねても、はっきりしません。
「少なくともあと2ヶ月は支給されません。」
という返事だったそうです。
仕方ないので、後者のタイプのインスリンを注射していますが、効力が2時間ほどしかないので、1日に10回は打たないといけなくなりました。授業中でも就寝中でも2時間おきに注射しないといけないのです。
モズィリ市糖尿病児童協会はベラルーシ保健省にまで窮状を訴えましたが、
「ベラルーシ国内の糖尿病患者は無償でインスリンを受け取ることが出来る。こんな事態が起こっているのはモズィリ市だけだ。そんなことがありえるわけがない。」
という返答がきたそうです。ありえるわけないと言わず、実態を調査してくださいよ、と思いましたが・・・。
会長さんは、「モズィリに引っこんでいる間は放置されるだけ。SOS子ども村に滞在中に保健省にもう一度訴える。」と話していました。
この現状に糖尿病の子どもたちを前にして、私は言葉も出ませんでした。
幸いチロ基金に糖尿病児童のために・・・という特別な寄附金が集まっています。
使い道について会長さんたちと話し合いました。とりあえずインスリンは保健省と掛け合っている最中なので、チロ基金からの援助は今回は不要。しかしインスリン注射用の注射針や 血糖値測定に使用する簡易検査試験紙がもらえたら・・・という申し出でした。
SOS子ども村保養滞在中にゴメリ州モズィリ市糖尿病児童協会への支援活動の第3回を行います。くわしい支援の内容は改めてご報告いたします。
今回も子どもたちに折り紙用の紙や竹とんぼをプレゼントしました。すでにSOS子ども村に来たことがある子どもが多くて、みんな折り紙は得意になっていました。
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙や竹とんぼなど子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方、またバザーなどで交通費など諸経費を捻出してくださった皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。私はもちろん、ベラルーシの子どもたち、お母さんたち、SOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。
画像は記念撮影した様子です。分かりにくいですがビタペクト2のパッケージが変わりました。以前より外見が薬品らしくなりました。