2006年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動

2006年活動記録
*SOS子ども村*
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ビタペクト2について
成分
外観と摂取方法
 

 


SOS子ども村

第43回

 3月13日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第43回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回もビタペクト2を15個、「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計962個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは820部となりました。

 今回で通算50回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数、そして単純計算ですが、現時点で962人分のビタペクト2、そして820家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。

 今回も保養に来ていた家族からお話をうかがいました。

(家族A)

 ゴメリ市から来た家族。お母さんと6人の子ども達です。
 この家族は2003年7月にもSOS子ども村で保養に来ていました。そのときには5個ビタペクト2を配布しました。
 この家族に前回ビタペクト2を渡したときの報告はこちらです。(2003年第5回)2家族のうちのゴメリ市から来た家族のほうです。

 前回と今回の測定の結果はこのとおりです。(前回の結果について、私が直接家族に尋ねて記録した値とSOS子ども村が残した記録に差があるのですが、ここではSOS子ども村の記録を写させてもらいました。)

母親 11ベクレル → 14ベクレル
長男 26ベクレル → 28ベクレル
長女 19ベクレル → 27ベクレル
次男 22ベクレル → 27ベクレル
次女 36ベクレル → 20ベクレル
三男 31ベクレル → 24ベクレル
四男 35ベクレル → 30ベクレル

 さらに今回は甥っ子と姪っ子も引率されてきており、その子たちの結果は、甥っ子24ベクレル、姪っ子25ベクレルでした。

 前回は母親と当時3歳以下だった四男を除く5人の子どもに5個のビタペクト2を渡しました。
 今回は9人全員に渡しました。お母さんは必要ないかな? と思いましたが、本人の希望により渡しました。

 この結果だけ見ると、ビタペクト2が効果があるのかどうかよく分かりませんが、前回摂取してから2年8ヶ月経っています。その間にまたこれだけ体内に放射能がたまってしまったのだろうと思われます。
 やはりビタペクト2は特に放射能汚染地域に住み続けている人の場合は1年か2年に1回は飲むのが理想ですね。
 しかし、ビタペクト2は今のところ薬局では売られていませんし、売られていたとしても、多子家庭や経済的に困窮している家族が子ども全員に買えるかどうか分かりません。

 この家族の話では、前回ビタペクトを飲んだとき、体調の変調はなく、子ども達は普通に飲んでいたそうです。子ども達はこれといった持病はないものの、風邪を引きやすく、長女は最近不整脈を訴えています。静かにしていると治ってしまうそうですが、お母さんは心配そうでした。
 6人の子どもがいるにもかかわらず、この家族は2部屋しかないアパートで暮らしており、住居を国から支給してもらうよう、申請を出しました。ようやく広い家に引っ越すことが決まって、子ども達は楽しみにしているようでした。

(家族B)

 この家族もゴメリ市から来ていました。
 この一家にも6人の子どもがいますが、そのうち2人は留守番。4人の子どもとお母さん、そして姪っ子と甥っ子が保養に来ていました。
 体内放射能の測定結果はこのとおりです。

母親 21ベクレル
長男 26ベクレル
長女 23ベクレル
次女 28ベクレル
次男 27ベクレル
姪  24ベクレル
甥  27ベクレル
 
 このうち次男は年齢が1歳半なのでビタペクト2は飲めません。次男を除く6人にビタペクト2を渡しました。
 お母さんはビタペクト2の説明を聞いて
「赤い皮をしたりんごのアレルギーがある子がいるんですが、大丈夫ですか?」
と尋ねました。
 SOS子ども村の医師リリヤ先生によると
「ベラルーシには赤い皮のりんごによるアレルギー患者がいるが、緑や黄色の皮のりんごのアレルギーの人はいない。普通ベラルーシ国内で製造されているりんごジュースは、赤い皮のリンゴから作らない。ビタペクト2はりんごジュースを製造する際の絞りかすが原料なので、アレルギーは出ないでしょう。」
ということでした。
「でもビタペクト2の色が赤味がかっていますが、これはどうして?」
「これは空気に触れて参加したりんごの実が酸化した色です。」
 という説明を受けて、お母さんは安心していました。
 
 この一家の子ども達も風邪を引きやすいということでした。やはり免疫力が落ちているのでしょうか。
 この一家は最近4部屋あるアパートを支給されてもらったそうで、喜んでいました。
 どうしても子どもの数が多いと、家が広いとか狭いとか、食費の話がよく出ますね。

 リリヤ先生はいつも保養家族の放射能測定に付き添っていますが、この2家族の測定を外国のメディアが取材したそうです。(バルト三国と言っていましたが、どこの国なのか確認するのを忘れました。)
 測定を行っているベルラド研究所によると、体内放射能が20ベクレル以上ではなく、12ベクレル以上になれば、ビタペクト2を飲むほうがいい、と話していたそうです。
 私は専門的なことはよく分かりませんが、低レベルの放射能のほうが内臓や細胞にたまりやすく、排出されにくいのだそうです。
 そして低レベルの体内放射能の人ほど発病しやすい、という結果も出ているそうです。
 こういう話は前にも聞いたことがあって、放射能による奇形児の出生率は高レベル、低レベル、中レベルの順に多いのだそうです。
 常識で考えると、高レベル、中レベル、低レベルの順になりますよね?
 どうしてなのかはいまだに解明されていません。解明できたらノーベル賞がもらえるそうです。
 とにかくこれからは12ベクレル以上でもビタペクト2を渡すほうがいいのではないか、とリリヤ先生と相談しました。

 さて、画像は記念撮影した様子です。今回も子どもたちに折り紙用の紙や、折り紙の作り方のコピー、紙風船などを子ども達にプレゼントしました。
 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙や紙風船など子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方、またバザーなどで交通費など諸経費を捻出してくださった皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。

 多くの方々に支えられて、この活動もとうとう50回の配布となりました。
 私はもちろん、ベラルーシの子どもたち、お母さんたち、SOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。

辰巳雅子
Date:2006/03/24(Fri)

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