ゴメリ州モズィリ市(1型)糖尿病児童協会への支援活動

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第1回  2005/7/27

 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第34回でもご報告しましたが、ゴメリ州モズィリ市糖尿病児童協会に所属している1型(インスリン依存型)糖尿病児童への支援活動をささやかながら、実施いたしました。

1型(インスリン依存型)糖尿病については、特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク内の説明
(下記リンク)をご覧下さい。
http://www5.ocn.ne.jp/~i-net/dm1setumei.htm


 7月27日にインスリン注射用の注射針800本、血糖値測定に使用する簡易検査試験紙150枚をチロ基金から購入し、モズィリ市糖尿病児童協会に寄贈いたしました。
 注射針は「BD Micro Fine+ 0.30x8mm」というタイプの物です。画像では右手前に写っている黄色のシールがついている物です。800本を183$で購入しました。
 青色のシールがついている注射針は6mmのタイプで、さらに小さいものです。針は小さいほうが、痛みの軽減など、患者への負担が少なくてすむ、ということでしたが、今回は8mmのタイプしか見つかりませんでした。

 簡易検査試験紙は「ACCU-Check-Active」という」ベラルーシ国内で購入できる物のなかでは、最新式の物で、少量(1滴)の血液から血糖値を1分で測定できる、というタイプの物です。画像では50枚入りのケースが写っています。(右手前の筒状のケース)
 これを95$で3ケース購入しました。

 購入のために、以前「ベラルーシの子どもたちの健康のために使ってほしい。」と兵庫県の八千代ライオンズクラブからお預かりしていた寄付金を使わさせていただきました。八千代ライオンズクラブの皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 注射針と簡易検査試験紙のほか、5$を薬局やSOS子ども村への搬送費(搬送に使った車のガソリン代)として使わさせていただきました。合計283$を今回の援助のために使いました。

 子どもたちも職員さんも大変喜んでいました。しかし注射の針というものをもらって喜んでいる子どもを初めて目の当たりにして、私は複雑な心境でした。
 注射針は本当は使い捨てにするのが望ましいのですが、もったいないので消毒して何度か繰り返し使う、と子どもたちは話していました。
 1日に5回インスリン注射をしますが、1人に1箱(100本)あれば大体半年は持つそうです。

 子どもたちは1人に1セットずつ画像にあるような、血糖検査器と注射がいっしょになっているセットを持っています。
 ベラルーシでは糖尿病患者であることが認定されると、注射器が無料で国からもらえます。しかし、それに取り付ける針は自己負担になります。児童の場合、身体障害児認定を受けることになり、毎月約30$の障害者手当が支給されます。

 インスリンも国から無料で支給されます。インスリンはヨーロッパから輸入されているそうです。 
 赤十字からの援助もたびたびあるそうで、最近、簡易検査試験紙を救援物資として受け取ったそうですが、旧式のタイプ(画像で言うと右上の水色の箱『Life Touch』)だったそうです。このタイプだと、大目の血液を採取しまければならず、また判定に時間がかかるそうです。
 血糖値の測定はどれぐらいの頻度でしないといけないのですか? と質問したところ、体調にもよるが1日に2回から5回はしなくてはいけない、という答えでした。
 今回150枚の最新式の簡易検査試験紙を子どもたちに渡しましたが、針と違って、消毒して何度も再利用できるものではないので、たくさん援助したつもりでも、すぐになくなってしまいそうです。

 チロ基金としてはできるだけ糖尿病の子どもたちの支援活動を行いたいと思っていますが、コストの面でなかなか難しく、今回の活動も継続できるかどうか分かりません。しかし、ゴメリ州モズィリ市は高放射能汚染地域として有名な町でもあり、チェルノブイリ被爆児支援と併せた形で、今後も可能な限り支援の方法を検討したいと考えています。

 モズィリ市糖尿病児童協会の職員さんのお話によると、ゴメリ州全体では現在およそ280人の糖尿病児童がおり、年齢は2歳から、となっています。ベラルーシでは糖尿病発病の低年齢化が進んでおり、今年にはミンスクで生まれつき糖尿病だったという新生児が生まれたそうです。昨年はモズィリ市の16歳の女の子の患者が急激に血糖値が上昇し、意識を失って倒れ、腎不全を起こして亡くなったそうです。
 モズィリ市では糖尿病の児童の数が増えてきており、現在28人の子どもが糖尿病児童協会に所属しており、大体半年に1人の割合で新しい会員が入会しているそうです。
 関連性があるのかどうかはっきりしませんが、チェルノブイリ原発事故後、糖尿病患者の低年齢化が進み、子どもの患者が増えたため、昨年(2004年)この協会が発足しました。
 入会者に対して糖尿病についての知識、特に食餌について学ぶ勉強会を開いたり、児童向けのイベントを催したりしているそうです。

 ヨーロッパでは糖尿病の子どもの為の無糖のお菓子やケーキなどが開発されているそうですが、ベラルーシにはそのような商品はまだ発売されていません。
 無糖ヨーグルトや100%果汁のジュースなどを探したり、血糖値が下がるというシナモンやブルーベリーを使ったお菓子を自分たちで作ったり、保養滞在中もいろいろと工夫しているようでした。
 膵臓のランゲルハンス島B細胞の移植手術(※)を行っている国もあるようですが、ベラルーシではまだ行われていません。

特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク内の記事

 もしかすると将来ベラルーシでも移植手術ができるようになるかもしれない、という話を職員さんは話していました。
 子どもたちの大切な未来に少しでも希望の光が差すことを祈っています。
(それに糖尿病って人ごとじゃないですよね。今、健康な人でも絶対発症しないとは限らない病気ですから。)

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Date:2005/07/29 辰巳雅子