ベラルーシの部屋レポート
2005年11月

No.681 チロ基金>活動報告>2005年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動第38回へ移動しました(2006/9 saba)

No.682-5 チロ基金>活動報告>ゴメリ州モズィリ市糖尿病児童協会への支援活動」第2回 へ移動しました(2009/5 saba)

No.686-695 日本文化情報センター 2005年の活動>文化の日 へ移動しました(2006/10 saba)

No.696 投稿なし

No.697 重複投稿で削除

No.698-701 チロ基金>>活動報告>>日本の歌をベラルーシ語で〜「月と日」コンサートとCD へ移動しました(2005/11 saba)

 Title:【更新情報】
まだこの文章を打っている時点では更新途中なのですが、今日中にできますので、先にお知らせしておきます。

「チロ基金」コンテンツの中に「月と日」に関する内容をまとめました

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html

わたしもこの日本の歌カバーアルバム「月と日」を聴くことができました。素敵なアルバムでしたよ。
普段、音楽なんてあんまり・・っていう方にも、ちょっと洋楽(!)は・・ってな方にもおすすめです。

耳あたり(こんな日本語ないとおもうけど)よく、いわゆる「キワモノ」作品ではありません。至極真っ当なカバーポップスアルバムでした。また、ハードロック、ブリティッシュロック系やユーロビートばりばりの、いかにも若者が聴く曲〜っていう感じでもありませんでした。ラップはあるけど、そんなに抵抗感なく受け入れられるんじゃないかと思います。原曲に対する敬意(リスペクトね)と愛がある仕上がりだなあ、と思いました。
最近のJ-pop界で流行っているカバーブームがベラルーシにも良い感じでとんでいった、という気がしています。

ところで、WZ-オルキエストラは日本で云うなら東京スカパラダイスオーケストラかなぁ、と思いました。
http://www.skapara.net/

ちょっと前の米米CLUB・・?とも思ったのですが、どちらかというと東京スカパラダイスオーケストラのほうが近いような気がします。

by さば(管理人)
Date:2005/11/06(Sun) 05:45 No.703

No.704 投稿なし
 Title:チロ基金からCD発売についてお知らせ
 すでに管理人さばさんからお知らせがありましたが、CD「月と日」の日本国内向け販売が始まりました。
 京都のヨーロッパ輸入雑貨店「Vesna!」http://vesna-ltd.com/
の店頭、ならびにネットショッピングで購入することができます。
http://vesna-ltd.com/shop/b_music.html

 CD「月と日」のほかCD「芭蕉の詩」も購入できます。
 「芭蕉の詩」(詳細はこちらです。)http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bashou/index.html
のほうは、チロ基金が製作費用を全面に負担したため、「Vesna!」社のご協力とご理解により、売り上げ金の全額がビタペクト2(詳細はこちらです。)http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html
の購入費用に充てられます。
 1枚の「芭蕉の詩」を購入すると、現在の為替レートとビタペクト2の価格で計算すると、6個(6人分)のビタペクト2を購入することができます。

 しかし、「月と日」はあくまでトーダル君が自分の芸能活動の一つとして、発表した作品であり、発売したのはベラルーシのウエストレコードという会社です。チロ基金は製作費用を一切負担していません。そのため、このCDにはいろいろな利権が重なっており、このCDに関しては売上金の全額を、ビタペクト2の購入費に充てることができません。
 でも、1枚購入すれば1個(1人分)のビタペクト2を購入することができる価格設定を行いました。
 
 つまり、購入できるビタペクト2の数に差があるのですが、どちらのCDをお買い上げいただいても、チェルノブイリ被災者への活動資金に還元できます。

 どうか皆様のご協力、ご賛同をお願いいたします。

 お忙しい中、急いで「月と日」コンテンツを作ってくださったさばさん、本当にありがとうございました。いつも無理を言ってご迷惑おかけしております。(CDのご感想はトーダル君に伝えておきますね!)
 そして、「Vesna!」社の方々にも、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。いつも暖かく見守ってくださって、本当にうれしいです。

 お買い上げくださった皆様、CDのご感想がありましたらTのメール宛にお送りください。翻訳してベラルーシ関係者一同に必ず伝えます。

 それからもし、「村祭」が気に入っていただけたら、ベラルーシ語音楽の人気投票にぜひ1票を! 投票の仕方はレポート内の投稿「ベラルーシ語音楽ヒットチャートに『村祭』が!」に詳しく説明しましたので、ご覧ください。
 ご協力をよろしくお願いいたします。(また宣伝してしまった・・・)(^^;)  
by ベラルーシのT
Date:2005/11/07(Mon) 05:20 No.705

No.706-9 投稿なし
 Title:トーダル君インタビュー 「月と日」について・前編


File name:

 CD「月と日」について、ベラルーシのマスコミがさまざまな報道をしています。
 その中で最も詳しいのが、雑誌「РИО」(2005年第38号 9月19日発売)の記事でした。(雑誌名は「娯楽と休息」の略語です。)
 これを読めば、他の報道の内容も大体網羅している(少々、くだらない質問もしていますが。)
と思われますので、その日本語訳を公開します。(ただし、「月と日」以外の内容については若干省略しています。)
 また翻訳文中の(*)はTからの注釈。あるいはコメントです。

 原文は現在「Belarus Today」というサイト上でも読むことができます。(ただしロシア語表記)
 http://www.belarustoday.info/?pid=20827

 またトーダル&WZ−オルキエストラの公式サイト上にも全文掲載されています。(これもロシア語表記)
http://todar-wz.narod.ru/

 この画像は「РИО」の表紙です。トーダル君の横顔が表紙です。彼が向いている方角は当然右!(東=日本!)
 それにしてもバックに合成された日本語の古文書のようなものが、逆さまに印刷されているのが笑えますね。(^^;)
(この画像の掲載は許可を得ています。)


・・・・・・・・・

「芸術を理解すること、それは大変な作業」

 トーダルは最も多芸で、最も驚かされるベラルーシのミュージシャンだ。常に意外な、いや、かえって馬鹿げて聞こえるほど困難な計画を立てる。ジャンルからジャンルへと移動する、創作活動の放浪の旅を常にしているようだ。
 長い間その完成が待たれていたCD「月と日」をついに発表した。コンサートは本物の日本の歌がベラルーシ語で聴けるという、またとない機会となるだろう。ここにはサムライも羊男もいない。桜の花も富士五十夜景もない。(*「さくら」は収録されてますよ! それと「富士五十夜景」って「富嶽三十六景」の間違い?)
 日本文化愛好者がひけらかす標準的でステレオタイプ的な、そして陳腐な日本より、このCDはずっと難解で、繊細である。
 ここにはバラードがあり、カントリーミュージックがあり、ジャズさえある。しかし、このCDの持つ世界観は明らかに日本的であり、それにより独自の性格を持ち合わせているのである。

・・・ 

РИОの記者(以下、P):まずこのプロジェクトについて、はじめから話してください。CD完成まで2年もかかったのは、どうしてでしょうか?

トーダル:全ては日本人マサカ(* Tの名前のベラルーシ語読み)に出会ったことから始まりました。プロデューサーをしているユーリー・ツィビンのおかげで会うことができたんです。二人は日本の歌をベラルーシ語に翻訳してみないか、と持ちかけてきました。そのときは、どんな曲ができるのか、まるで分かりませんでしたね。でもこのアイデアはおもしろそうに思えました。日本の歌をベラルーシ語で歌える、なんて今まで考えもしなかったし。
 マサカとは今後どのように話を進めたらいいか、話し合ったのですが、当時は別のアルバム(* 2004年発表のCD「Паравоз кахання」 邦題「愛の汽車」のこと。)を作っていて、忙しかったんです。日本の歌のCDは慌てて、間に合わせ的には作りたくなかった。
 その後、僕は詩人のアレーシ・カモツキーといっしょに翻訳を始めました。日本の歌が録音されたカセットテープと、歌詞をロシア語に翻訳されていたのをもらっていたんですが、作業はとても難しいものとなりました。
 まず、オリジナル曲を聴いたんですが、何だか二人とも変な気分になりました。というのも、日本のことについて伝統がある古い国で、サムライがいるといったイメージを持っていたけれど、収録予定の曲は現代西欧音楽に聞こえたからです! (* トーダル君たちは日本の音楽イコール東洋の音楽で、とてもニョロニョロした音楽を想像していたようです。)
 まあ、とにかく課題が難しければ難しいほど、働くのが楽しくなってくるんですよ。

P:このアルバムには何か構想はありましたか?

トーダル:構想を決める段階で、これは自分一人でできる仕事ではない、と分かりました。そう、いろんな楽しい、思いがけないプレゼントがつまった共同のプロジェクトなんです。それにアレーシ・カモツキーが参加するのは自然なことでした。そこへアリャクサンダル・パミドーラウがラップでもって合流する。さらにアダム・グリョーブスが詩を持って合流。ミハル・アネムパディスタウも僕たちを支えてくれた。文字通り総動員の状態です。
 そして一番大事なのは、(特に僕にとっては、これが自慢なんだけど)今まで誰も日本の歌をベラルーシ語に翻訳した人がいなくて、日本の有名な歌を編曲した人もいなかった、ということなんです。
 ところで、はっきり知っているわけじゃないけど、ベラルーシと日本の文化には共通するものがあるんですよ。例えば、日本にも日本のダジンキ(* 収穫祭のこと。日本で言うところの「村祭」)がある。
 曲は季節に合わせて順に収録されているんですが、日本固有の世界観で、並んでいるんです。だからCDは春の茶摘み式の歌から始まる。(* 収録曲最初の曲は「さくら」で、「茶摘み」は初夏の歌だから3番目です。)

P:このCDは日本とベラルーシの文化交流の促進につながる可能性はあるでしょうか?

トーダル:もちろん、どんな可能性もあるよ。経営の視点から対応すればね。でもそれはそんなに重要なことじゃない。このCDが日本人にとっても、おもしろい作品であれば、と思っているんだ。そして、僕は日本に行ってみたいけれど、単に「編曲の専門家」として行くのではなく、「ベラルーシ文化の公式代表者」として行きたい。(* 全くそのとおりです! トーダル君は編曲しかしていない人だと、日本の皆様に勘違いされたくないと、私も思っています。)

P:編曲した曲はオリジナルとはだいぶ違っているのですか? 独自の「混合分野」を作りたいとは思いませんか?

トーダル:もしオリジナル曲を実際に聴いたら、どのように違うのか分かると思うよ。
 まず、歌詞が全く違うんです。マサカが書いた歌詞の逐語訳からアレーシ・カモツキーは非の打ちどころのない完璧な詩の翻訳をした。ロシア語訳には「この歌ではこういうことを歌っていますよ。」といったことしか書いてなくて(* 私としてはもっと詳しく翻訳したつもりでしたが。)言葉を拾って詩を作ったんです。でも、できるだけ元の歌詞を変えないように努力しました。反面、収穫祭の歌「村祭」は「ダジンキ」について歌っている歌詞もわざと加えました。
 大体において、僕たちはこんな印象を持ちました。日本の音楽家はモスクワ音楽院で教えることのうち必要最小限だけ学んだじゃないかって。ハーモニーはとても西洋風なんだけど、歌詞は日本の風土そのものです。そんなわけで、このCDでは対比というものを特色として出すことにしました。古くからある対比、です。例えば「静けさと嵐」「愛と憎悪」といったような。

(* トーダル君は他の新聞「http://mk.by/archiv/30.09.2005/rub11.php」のインタビューで「日本の詩は人生そのものについて瞑想している。」と感想を述べています。
 このインタビューで語っている「対比」の発想は、そのまま日本の歌とグリョーブスさんの朗読する詩の構成にも当てはまります。他にも「○○とXX」という発想はあちこちに見られます。「日本とベラルーシ」「日本語とベラルーシ語」「音楽と文学」「春と秋」「夏と冬」・・・
 「月と日」というアルバムタイトルにも、これは言えることです。タイトルは私の発案によるもので、トーダル君たちが作業を開始した時点で、すでにタイトルも決定していました。私は「対比」という発想は持ち合わせていなかったのですが、図らずもこのような意味づけが、作られていく過程で、このアルバムになされていったのでした。)
 
 (後編に続く)
by ベラルーシのT
Date:2005/11/12(Sat) 08:10 No.710

No.711-12投稿なし
 Title:トーダル君インタビュー 「月と日」について・後編


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(前編からの続き)

P:今ベラルーシでは日本の文化が流行っていますよね。村上春樹といった文学、映画とか詩。このような流行に合流したいと思いましたか? あるいは現代日本文化に対する興味を興したいとは思いませんか?

トーダル:このアルバム自体は何も興さないよ。ただ、とっても美しい・・・僕はそう思うな。すごくうれしいのは、僕がついに他の作曲家と交わることができて、自分が作ったわけじゃない歌を歌ってるってことなんだ。(* 確かに自分以外の音楽家が作った歌をトーダル君が歌うのは、非常に珍しいことです。)
 この曲を聴いてみたら、たぶん10曲中8曲がメジャー調の明るい歌で、2曲だけがマイナー調の哀しい歌だと多くの人は思うでしょう。でもね、僕にとっては正反対なんです。8曲がマイナー調で、2曲だけがメジャー調の歌なんです。
 日本文化の流行のことだけど、どうなんだろ、そんなこと考えもしなかったな。もちろん現実に流行に合流できたらいいと思うよ。でも一番大事なのは、このCDはベラルーシ人のために作った、ということなんだ。この文化をみんなで分かち合えたら、と思って作ったんです。(* トーダル君、よく言った! えらいぞ。拍手!)

P:アダム・グリョーブスは俳句を朗読しているのですか?

トーダル:いいえ、ただ自作の「日本風」な詩を朗読しています。(* あの挿入詩はベラルーシ人が感じるところの「日本風」なんだそうです。)
 話し合って俳句はやめておこう、ということに決めました。俳句はない代わりにいろんな詩を入れました。ベラルーシの類似点もある詩もいくつかありますよ。そうしたら、本当に日本とは不調和なものができました。(* この不調和性をトーダル君は成功と捉えています。何せ「対比」がテーマですから。)
 僕はいつも自分の音楽の中に、独自の映画やイラストが加わっているような、そんな音楽を作りたいと思っているんですが、今回それができたと感じています。
 ところで、アダム・グリョーブスは日本について、いろいろ知っていますよ。その点、僕はほとんど素人。おもしろいと思うのは創作活動とその過程だね。

P:冗談でこのCD「月と日」はNeuro DubelのCD「タンキ」と比較されるのではないでしょうか? 「タンキ」も日本の美術観にどこか関連しているでしょう。ですから、同系統の分野という意味では、「月と日」はベラルーシ初の日本の歌のアルバムとは言えないのでは?

(* Neuro DubelのCD「タンキ」についてですが、ジャケットデザインをここで、ご紹介できないか検索したのですが、見つかりませんでした。「タンキ」とは「短歌」と「戦車」(ベラルーシ語で「タンク」)の複数形です。
 ジャケットデザインを言葉で説明すると、表ジャケットの真ん中に戦車が2台、そしてその周りに桜の花が描かれていて、縦書きでバンド名やCDタイトルが書かれています。裏ジャケットは、灰色の筆文字で「ベラルーシはあなたのために ベラルーシはわたしのために」と下手な字で一面びっしり繰り返し書かれています。中を見ると、リーダーが中国風の衣装を身に着け、茶碗を手に持っている写真が・・・(茶道のつもり?)
 正直言って、このジャケットデザインを見たとたん、購入する気が失せ、収録曲「タンキ」も私は聴いたことがありません・・・。
 Neuro Dubelなんて、ブラックユーモア系コメディ・バンドなのに、「月と日」といっしょにしないでほしい。)(怒)(Neuro Dubelについてはこちら。ただしロシア語表記のみ。)http://westrecords.by/artists.asp?artid=35&subid=15

トーダル:Neuro Dubelのリーダー、サーシャ・クルリンコビッチに、日本の歌のCDを作ることについて、電話したんだ。でも彼は何も反対しなかったよ。(* クルリンコビッチに反対されたら「月と日」は作らなかったのか、トーダル君よ! 反対されても作っていただろう!)
 僕は日本のオリジナル曲を演奏したわけだしね。確かに東洋をテーマにする作曲家は今までにたくさんいたよ。彼らは作品の中で
「ほら、このように自分は日本を見ていますよ。」
と言っている。でも僕が歌う曲は、もともと本当の日本人が作曲したものだからね。まあ、いろいろ言ったけど、もちろんこのアルバムには、僕の日本の芸術観に対する考えが存在しています。
 マサカがくれたカセットテープに録音されていた歌のほとんどは、子どもが歌っていて、とても短かくて、簡素で、かわいらしいものだった。それはみんな、とても変っていて、それでいて、とても感動的な曲だった。
 その後、僕は分かったんです。ベラルーシ人は、日本人とは違う! そして日本人は、ベラルーシ人とは違うんだって。(* 「そんなの当たり前じゃん。」なんて言わずに最後までお読みください、皆様。)これが分かったときの陶酔状態! 
 これらの日本の歌はとても奥深くて、その中にすごく真剣なものがあるんです。
 そんなわけで、二つの文化が音楽を通して「出会う」・・・こういった方法を採ることにしました。

P:アルバムのタイトルは、どのようにしてつけたんですか?

トーダル:「月と日」というタイトルは、ちょうどベラルーシと日本の「出会い」を表しています。もっともこのシンボルマークはフランツィスク・スカリナのもので、普通、太陽と月と呼ばれるものです。スカリナの商標ですよね。マサカはこのマークがとても気に入っていました。日本語では、月と日という二つの漢字が「流れゆく人生」「時の輪」を意味するんだそうです。何かこう、静かで、永遠で、常に動きの中に存在するもの・・・。
 このシンボルマークの意味においてでも、二つの文化が出会ったことになるんです。
 でもまあ、何だかんだ言っても、このアルバムはとても日本的ですよ。ちょっとばかりロックンロールが入っているとしてもね。
  
P:ということは、このアルバムは、あなたの日本に対する熱い関心からではなく、実験したい、という願いから作られたのですね?

トーダル:これはとても難しいプロジェクトでした。でも、いつも僕はこのようなプロジェクトに心惹かれるんです。マヤコフスキーの詩に曲をつけたCD「MW」も同じ理由で作りました。これも簡単じゃありませんでしたよ。たぶん僕はエゴイスティックに自分自身のことを、音楽を通して「教育して」いるんです。
 今、僕は日本についてもっと知りたい、と思っています。つい最近、ふっと分かったんです。日本の曲はとても簡素。ところが、その音楽を他の言語に訳することは本当に難しいことなんです。

P:あなたはいつも何かとても難しい課題や境界や束縛を、自分に課していますね。でも人生は常に理想的であるとは限りませんよね。失敗については、どのように対応していますか?

トーダル:権力組織のある決まった範囲のためには、前もって失敗することを予測しておくようにしているよ。
 僕はよくステージに立つようにしていて、それで古くからの固定ファンもいます。難しいことをわざとしたくなるのは、心理的問題だね。つまり、僕は自分に地平線を広げさせ、自分自身の視界を広げるような企画が好きだっていう「問題」です。そして、そのために全てのプロジェクトを現実のものにしようとします。
 もちろん、自分自身を高めることは、おそらくないだろうと思われるテーマは最初から選びません。個人的な嗜好で選ぶようにしているんです。例えばマヤコフスキーと僕は誕生日がほとんど同じで、マヤコフスキーの人生は難しいものだったけど、僕の人生も「楽しい」もんですよ。
(* でも、マヤコフスキーのように、とある病気に罹ってしまったり、自殺(現在は他殺説有力)などは、トーダル君にはしてほしくないです。マヤコフスキーより、何百倍も幸せな人生を彼には歩んでいってほしいです。私からの心からの願いです。)
 確かに僕はいつも自分の目の前に、野心に満ちたプロジェクトを置くようにしています。でも、それを成功させるには、たくさん働いて、知って、読んで、感じて、常に自分の表現力を磨いていなければならない。それに僕には献身的なファンがいます。いっしょになって、表現力の進歩を手伝ってくれる、ファンの感想がね。
 多くのベラルーシ人リスナーは低品質の音楽に慣らされていっている。単純で原始的な音楽です。まじめな音楽を聴いたり、それについて考えたり、詩を読んだり、まじめな絵画などを見る人は減ってきています。
 芸術を理解すること、それは本当に大変な作業。それが分かっている人々も少なくなってきている。ミンスクにとっては、これは現代の問題だよ。僕の創る音楽が、何とかこの現状を変えることができれば・・・と僕は願っているんです。

・・・・・・・・・

 この画像も「РИО」からです。
 トーダル君インタビュー記事は全部で4ページに渡っていましたが、そのうちの最初の見開き2ページを撮影しました。(この画像の掲載は許可を得ています。)

 「月と日」プロジェクトがトーダル君にとって、「地平線を広げさせ、自分自身の視界を広げる」ような企画であったことを祈ります!
by ベラルーシのT
Date:2005/11/12(Sat) 08:57 No.713

No.714-16 投稿なし
 Title:ラジオに出演しました!
 かねてより、お知らせしていましたとおり、11月15日、日本のラジオ番組、文化放送「吉田照美のやる気manman」に出演しました。番組中、CD「月と日」についてお話しました。また収録曲の「村祭」と「茶摘み」が放送されました。
 日本のラジオでベラルーシ語の曲が紹介されるのは初めてだと思います。

 聴いてくださった皆様、本当にありがとうございました!
 吉田照美さんが「『村祭』は子どものとき好きな歌だった。」とおしゃっていて、とてもうれしくなりました。「いいCDですよ。みなさん買ってください。」と宣伝までしてくださって、恐縮してしまいました。
 番組放送後、スタッフの方から「吉田さんが『今まで一番おもしろかった。』と言っていましたよ。」教えていただきました。いや〜名誉なことですねえ〜。本当にうれしいです。 
 
 ラジオをお聴きになった日本人の皆さん、もし「村祭」を気に入っていただけたら、日本からもベラルーシ語ヒットチャートに1票を投じてください。お願いします!
(投票の仕方は、投稿「ベラルーシ語音楽ヒットチャートに「村祭」が!」をご覧ください。)

 今回のラジオ出演を記念して、CD「月と日」の日本国内向け販売も開始されました。詳しくはこちらです。
http://vesna-ltd.com/shop/b_music.html

 日本のラジオでベラルーシ語の歌が取り上げられて、とてもうれしかったです。
 日本のマスコミでベラルーシのことが報道されると、チェルノブイリや独裁政治のことばかりなので、今回、それとは違うベラルーシの文化面をご紹介できて、本当によかったです。
 ベラルーシ音楽について、取り上げてくださった文化放送のスタッフの皆様にこの場をお借りして、深く感謝申し上げます。
by ベラルーシのT
Date:2005/11/15(Tue) 13:54 No.717

 Title:大反響!
 前回の投稿でご報告いたしましたが、日本のラジオ番組でCD「月と日」のことが紹介されました。
 放送してくださった文化放送のおかげで、CDを販売しているヨーロッパ輸入雑貨店「Vesna!」のことを宣伝してもらえたのですが、その後、注文が殺到し、現在、予約販売となっております。(つまり在庫がなくなってしまったのです。)詳細はこちらをご覧ください。
http://vesna-ltd.com/shop/b_music.html

 お買い上げくださった皆様、本当にありがとうございます!
 CD「月と日」が気に入っていただけたら、と思っております。
 入荷待ちになってしまった、皆様、申し訳ありません。今しばらくお待ちください。
 こんなに反響があるとは思ってもいなかったのです。

 ラジオは聞いたけれど、もっと詳細が知りたい、と思われた方は、以下のリンクをご覧ください。
 http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html

 文字通り、うれしい悲鳴です。トーダル君に電話したら、喜ぶのはもちろん、すっごく驚いていました。私もびっくりです!
 「月と日」を日本でもベラルーシでも支えてくださっている方々のおかげです。本当にありがとうございます! 
by ベラルーシのT
Date:2005/11/16(Wed) 07:22 No.718

 Title:バザーのお知らせ 「2005年 年末のユーラシアバザール」
 日本ユーラシア協会大阪府連が恒例のバザールを開催します。
 このバザールにはヨーロッパ輸入雑貨店「Vesna!」(http://vesna-ltd.com/)が参加し、ベラルーシ民芸品などを販売します。売上金は全額チロ基金の活動資金に還元されますので、ご興味のある方、お気軽にお越しください。

 今までにこのバザールに参加して得た売上金は、ベラルーシの子どもたち(チェルノブイリ被災児、障害児、孤児、貧困家庭の子弟など)の支援、またベラルーシにおける日本文化の紹介、交流活動・・・などに使われました。(詳細はチロ基金の活動報告http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/index.html
およびベラルーシの部屋レポートをお読みください。)
 みなさまのご協力、ご賛同をお願いいたします。


『2005年 年末のユーラシアバザール』

日時:12月8日(木)〜11日(日)     
    午前10時から午後7時まで 
   (最終日の11日は午後4時までですので、ご注意下さい。)
   
会場:日本ユーラシア協会大阪府連
    大阪市中央区谷町7丁目3番4
    新谷町第3ビル3階313号室

    地下鉄谷町線「谷町6丁目駅」下車。
    4番出口を上がり南(右方向)へ徒歩5分西側(右側)
    電話:06−6763−0877

 主催である日本ユーラシア協会大阪府連のHPはこちらです。
http://www011.upp.so-net.ne.jp/jes

 このHP内で会場の周辺地図を見ることができます。(また、メールでチラシの請求ができます。)jesosaka@jt3.so-net.ne.jp

 このサイト内の「ロシア物産とバザール」のコンテンツをご覧下さい。
 今回の日本ユーラシア協会大阪府連からのお勧めは・・・
・冬のワインフェアー(グルジア、ウクライナ、ハンガリー産の各種ワイン、計15種)
・マトリョーシカまつり(約200種)
・お歳暮やプレゼントに・・・ジャム・はちみつなどのギフトセット(2種、各2000円)

 ・・・だそうです。盛りだくさんですね〜(^^)
 ベラルーシ・コーナーでは今回もかわいいベラルーシの雑貨や書籍、文房具などを販売いたします。
 そして今回はもちろん、CD「月と日」も販売されます!
(CD「月と日」について詳しくはこちらです。)
http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html

 また「月と日」と同じアーティスト、トーダル&WZ−オルキエストラが発表したCD「MW」も日本国内では、このバザールで先行販売される予定です。
 「MW」はマヤコフスキーの詩にトーダルが曲をつけ、歌っている作品です。ベラルーシ語の「月と日」とちがって、これはロシア語で歌っていますので、ロシア語を勉強されている方にも、お勧めします。
(「MW」は年明け以降、「Vesna!」が日本国内向けの常時販売を開始する予定です。)

 トーダル&WZ−オルキエストラのCDの売り上げは、チェルノブイリ被災者への医療品援助活動の資金として還元されます。どうかご協力をお願いいたします。
 それでは、みなさまのお越しをお待ちしております! (^^)
by ベラルーシのT
Date:2005/11/16(Wed) 20:12 No.719

No.720-1 投稿なし
No.722 チロ基金>活動報告>2005年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動第39回へ移動しました(2006/9 saba)
No.723 投稿なし
 Title:ユーロビジョンジュニアコンテストでベラルーシが優勝!!!
 ときどきここでユーロビジョン・ソング・コンテストのことを書いていましたが、
http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2004/005.html
http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/2005/009.html
 大人のベラルーシ代表アーティストがまるでだめなのとは反対に、2005年のジュニア・コンテストはベラルーシ代表のクセニヤ・シトニクちゃん(10歳。モズィリ市出身)が、何と優勝!!!!!
 すごい!!! 1位ですよ、1位! 
 こちらでは連日ベラルーシのニュースターのことが、マスコミで取り上げられています。
 
 ジュニア大会では2003年の第1回目でベラルーシ代表のヴォルハ・サツユークちゃんが4位に入っただけでも、マスコミが大騒ぎしていましたが、今回はそれを上回る1位!
 (ちなみに2004年大会には男の子が代表に選ばれて出たのですが、楽曲がいまいちで、下から数えて5位という残念な結果でした・・・)

 クセニヤちゃん優勝についてはこちらをご覧ください。2005年ユーロビジョンの公式サイトです。

 http://www.junioreurovision.tv/english/204.htm

 いやあ、めでたい。こういう明るいニュースもないとねえ〜
 この調子で大人のベラルーシ人アーティストもがんばっていただきたいものです。
 とにかく、ジュニアでもベラルーシ代表優勝!のニュースがヨーロッパ全域に流れたわけですから、西側ヨーロッパの人が持っている「ベラルーシ」が持つイメージも少しでも、いいほうに変わればなあ、と思っています。
by ベラルーシのT
Date:2005/11/29(Tue) 07:03 No.724

 Title:CD「月と日」収録曲がコンサートで上演されました


File name:

 11月26日ベラルーシを代表する文学者カラトケヴィッチ生誕75年を記念して、トーダル&WZ−オルキエストラが、ミンスクでコンサートを行いました。
 コンサートの第1部前半はカラトケヴィッチの詩に、以前トーダルが作曲した曲が演奏されました。
 第1部の後半はCD「月と日」収録の日本の歌が3曲上演されました。
 第2部はトーダルの「ザ・ベスト」 2001年から始まったソロ活動の中で、ヒット曲を集め、トーダル君の音楽大全、というコンサート内容でした。

(今まで行われた「月と日」コンサートについて詳しくはこちらをご覧ください。)
http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html

 さて、今までのコンサートでも会場の画像など撮ってきましたが、照明が暗かったり、前の座席に座っている人の頭がたくさん写っていたりで、あまりいい画像がなかったので、今回トーダル君に頼んでリハーサルを撮影してもいいか、頼んでみました。
 あっさりOKが出たので、開演2時間前に行ってみると・・・黒色の幕に覆われたバックの前に黒のスーツ上下姿のトーダル君がWZ−オルキエストラの皆さんとリハーサルをしていました。 
 そして照明はやっぱり暗かった・・・。トーダル君をデジカメで撮影したものの、黒一色・・・。
 結局あまりいい画像を撮ることができませんでした。(それにしても前回のコンサートとちがって、今回は地味&オフィシャルな格好でしたね・・・。)

 しかも、初めて見るリハーサル風景はすごいものでした。トーダル君はじめ、メンバー全員の眉間に縦皺が入っていて、近寄れない雰囲気。これは喧嘩をしているのではなく、真剣に打ち合わせと練習しているからなのです。
「好きなように写真撮ってね。」
とこちらを向いて言うトーダル君の顔はにこやかなのに、リハーサルが始まると別人のように、メンバーのみなさんや音響や照明のスタッフにビシバシと指示を出していました。
 (あ〜でも、他にお客さんはいなかったので、私一人だけのために演奏してくれたみたいに思えて幸せでした。)(^^)

 コンサートが始まるとリハーサルのときとは皆さん、打って変わって、スマイル&ノリノリで演奏していました。
 「月と日」収録の日本の歌では、まず「浜辺の歌」が演奏されました。トーダル君、ノリノリでした。
 しかし、次の曲「われは海の子」で、ハプニングが・・・!
 トーダル君は3番の歌詞の出だしを忘れてしまったのです! マイクを握りしめたまま
「忘れた・・・!」とベラルーシ語で言っちゃうトーダル君。
 途中から思い出して何とか3番を歌い終えたものの、今度は4番の歌詞が出てこなくなり、そのまま歌なしで、終わってしまったのです。
 お〜い、大丈夫なのか、トーダル君。
 後でトーダル君は私に謝っていましたが、このようなことでは日本公演はできぬ、と文句(あるいは素直な感想)を言ったところ、もし、本当に日本公演が実現したら、絶対このような失敗は繰り返さぬ、と宣言。
 さらには「1曲は日本語でも歌う!」とも宣言。
 本当にできるのかどうかは分かりません。
(と言うか、まだ日本公演の具体的な話も何もないので・・・)

 「われは海の子」での失態を帳消しにするべく、3曲目はベラルーシ今秋のヒット曲「村祭」で、会場を盛り上げようとするトーダル君。
 観客の皆さんと、さあ、皆さんご一緒に〜
「ドンドンジリドン♪ ジリドンドン♪」
 いやあ〜 この曲はやっぱり盛り上がりますね〜 またベラルーシ人の皆さんと大合唱になりましたよ。
 「村祭」が第1部のシメの曲となり、とてもうれしかったです。

 第2部もトーダル君のヒット曲オンパレードで、会場は沸きに沸いていました。
 トーダル君は約24時間前、ポーランドの画家の個展のオープニングセレモニーで、1人で歌とギターの演奏をしたのですが、そのままとんぼ返りで、夜行列車に乗って、コンサート当日の朝ミンスクに帰ってきたそうです。(私だったら体力が持たなくて、ステージの上で倒れちゃいそう。)
 疲れていないかなあ、と少し心配していたのですが、ステージの上のトーダル君はすごく元気でした。

 トーダル君は今回はあまり楽器(ギターやクラリネットなど)を演奏しておらず、今回は歌がメインでしたが、第2部ではほとんどの曲の間奏部分で踊っていて、とても楽しいコンサートでした。
 トークも(ベラルーシ語なのでよく分からないところもあったけど)おもしろいし、(そうそう日本の歌の上演前には「『月と日』は日本のラジオ番組で紹介されました!」とファンの皆さんにご報告&自慢&宣伝していました。)トーダル君って、本当にエンターテイメンターです!
 日本公演が本当に実現したら、日本人の皆さんにもトーダル君の芸達者ぶりが分かるのにな〜と思いました。

 画像はコンサートの様子を写したものです。
 今回はコンサート終了後、明るくなった会場で、WZ−オルキエストラの皆さんの画像も撮らせてもらいましたので、後日公開します。トーダル君だけじゃなくて、WZ−オルキエストラのメンバーもそれぞれ紹介しないと。皆さん、それぞれレベルが非常に高いですよ。
 トーダル&WZ−オルキエストラをこれからもよろしく!
by ベラルーシのT
Date:2005/11/30(Wed) 02:01 No.725