5月24日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第45回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回もビタペクト2を15個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計985個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは840部となりました。
今回で通算52回目のビタペクト2の配布となりました。
のべ人数、そして単純計算ですが、現時点で985人分のビタペクト2、そして840家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
今回も保養に来ていた家族からお話をうかがいました。
(家族A)
ゴメリ州カリンコビッチ市から来た家族。
4人の女の子どもとお母さんが保養に来ていました。5人全員に1個ずつビタペクト2を渡しました。それぞれの体内放射能値はこのとおりです。
・16歳 22ベクレル
・16歳 26ベクレル
・13歳 19ベクレル
・1歳 52ベクレル
・母親 17ベクレル
末っ子ちゃんは生後8ヶ月のときに腎臓病を発病し、現在投薬中です。本当はビタペクト2は3歳以下の子どもにはあげてはいけないことになっています。しかも投薬中なので、ビタペクト2は飲ませないほうがいいのではないか、とも思いました。しかしお母さんが試しに飲ませてみたい、ということでしたので、とりあえず1個渡しました。
SOS子ども村の医師と話し合ってどうするか決めてください、と言いました。
他の子どもには特に持病などはないのですが、一番幼い子どもが、しかも腎臓が悪いとあって、お母さんからすれば
「放射能値が一番高いので、ビタペクト2を飲ませたい。小さいのにかわいそう。」
と思うのでしょう。その気持ちはよく分かります。できたら、問題なくこの末っ子ちゃんがビタペクト2を飲めるよう願っています。
(家族B)
この家族もゴメリ州カリンコビッチ市から来ており、4人の子どもとお母さんという構成でした。4個のビタペクト2を渡しました。それぞれの体内放射能値はこのとおりです。
・16歳 22ベクレル
・12歳 20ベクレル
・ 9歳 30ベクレル
・ 2歳 0ベクレル
・母親 15ベクレル
この家族では2歳の末っ子ちゃんだけが0ベクレルでした。お母さんの話によると、なぜか牛乳を飲まない子で、代わりにヤギ乳をあげていたそうです。
ヤギ乳に含まれる放射能がどれぐらいになるのか私は知らないのですが、牛乳が乳製品の中で最も放射能を含んでいることを考えると、ヤギ乳のほうが安全なように思われます。
ヤギ乳のおかげばかりとは言えないでしょうが、牛乳を飲まない子どもだけが0ベクレルというのは驚きです。
この家族の中で最も放射能値が高かった9歳の子どもは喘息を持っており、風邪を良く引く、ということでした。
お母さんはビタペクト2を飲んでからどのように放射能値が変化するのか、再検査することを強く希望していました。
(家族C)
現在はブレスト州アフブニキに住んでいる家族ですが、チェルノブイリ原発事故発生からしばらくはゴメリ州チェチェルスクに住んでいました。チェチェルスクは放射能汚染地域です。その後、現住所へ強制移住させられたそうです。
6人の子どもがいますが、1人は障害児で半身不随であるため、父親と2人で特別な療養施設に滞在しているそうです。
この家族には家族全員にビタペクト2を6個渡しました。それぞれの体内放射能値はこのとおりです。
・12歳 30ベクレル
・10歳 33ベクレル
・ 7歳 29ベクレル
・ 5歳 39ベクレル
・ 5歳 40ベクレル
・母親 19ベクレル
この家族にはもう1人子どもがいたそうですが、亡くなったそうです。
このうち12歳の男の子は身長が低いことをお母さんは気にしていました。でも周りのみんなは
「男の子の成長期は高校生ぐらいだから、これから伸びるんじゃない?」
と話していました。
しかし、この男の子は生まれつき心臓の弁の一つが開きっぱなしだそうです。一見元気な様子に見えましたが、血液の流れなどに異常は出ないのでしょうか?
10歳の女の子は生まれつき口唇裂(いわゆる、みつくちと言われている病気です。)で口蓋も裂けており(口蓋裂)ミンスクで手術しました。あと2回手術しないといけないそうです。
また腎臓の内部に2箇所仕切りのようなものができて、腎臓がうまく機能していない、という話でした。
障害者認定も受けており、とても大変そう・・・と思いましたが、この女の子は絵が上手で、国際コンテストで優勝したこともあるそうです。
今回も子どもたちに折り紙用の紙や、折り紙の作り方のコピー、砂絵のセット、ジグソーパズルなどをプレゼントしました。とても器用な子ども達で折り紙はあっという間に作っていました。自分の作品と記念撮影です。(謎の日本人が1一名写っていますが・・・。)(^^;)
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙など子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方、またバザーなどで交通費など諸経費を捻出してくださった皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。私はもちろん、ベラルーシの子どもたち、お母さんたち、SOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。