2006年「ビタペクト2」&『放射能と栄養』無料支給・配布運動

2006年活動記録
*SOS子ども村*
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ビタペクト2について
成分
外観と摂取方法
 

 


SOS子ども村

第44回

 3月30日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第44回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回もビタペクト2を8個、「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計970個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは830部となりました。

 今回で通算51回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数、そして単純計算ですが、現時点で970人分のビタペクト2、そして830家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。

 今回も保養に来ていた家族からお話をうかがいました。

(家族A)

 バブルイスク市から来た家族。おばあちゃんと子ども2人、孫2人、そして近所に住む14歳の中学生2人です。
 この家族は2005年4月にもSOS子ども村で保養に来ていました。そのときには5個ビタペクト2を配布しました。
 この家族に前回ビタペクト2を渡したときの報告はこちらです。(2005年4月 SOS子ども村 第30回の配布 家族B)


 そこにもあるように、このときは4歳の男の子の孫1人だけが、32ベクレルだったため、ビタペクト2を1個渡しました。そのときの話では、この子は病気はしたことがなく、元気、ということでした。
 ところが・・・
 この一家には16歳の長男(現在18歳)が病気のため足に障害が残り、車椅子生活を送っていたのですが、SOS子ども村に前回保養に来てから、松葉杖をついて歩けるようになりました。今は松葉杖なしで歩いていました!
 このように保養に大きな成果があったため、同じような足に障害を持つ子ども(14歳)の引率をおばあちゃんがすることを条件に、この家族は再び保養へ来ることになったのです。
 その男の子ももうすぐミンスクの病院で、手術を受ける予定だそうですが、そばによくなった子どもがいるので、不安はない、と話していました。

 さて、3月24日からSOS子ども村に保養滞在することになったのですが、書類など提出して、もうすぐ出発、というときに、5歳になった男の子の孫が突然具合が悪くなりました。検査の結果、悪性の腫瘍ができたことが分かりました・・・。
 状態が悪いため、母親に連れられてSOS子ども村のそばにある、子ども腫瘍学センターに14日に入院しました。24日にはおばあちゃんが他の子ども達を引率して、SOS子ども村に到着。現在妊娠中の母親は、入れ替わりにバブルイスクに帰り、今はおばあちゃんが毎日お見舞いに行っています。
 しかし、医者からは「1日で腫瘍が2倍の大きさになった。」と言われ、意識も朦朧として、酸素マスクをつけたり外したりの状態が続いています。
「危篤状態が続いていて・・・みんなとても心配しています。」
とおばあちゃんは、涙ながらに話していました。
 私も1年前にビタペクト2をあげた子どもが、急にこんな重症に陥ることがあるとは、思ってもいなかったので、大変ショックでした。

 この男の子はそのまま入院したので、当然ベルラド研究所で放射能の再測定はしていません。そのため現在の(ビタペクト2摂取後の)放射能値がどれぐらいなのか分かりません。
 1年前ビタペクト2を飲んだので、放射能値は下がったはずです。しかしどれぐらい下がったのか、その後増えたのかも分かりません。他の子ども達の測定結果はこのとおりでした。

・18歳の男の子 前回  0ベクレル  今回  0ベクレル
・15歳の女の子 前回  0ベクレル  今回 12ベクレル
・おばあちゃん  前回 14ベクレル  今回  8ベクレル
 
 そして今回初めて保養に来た孫娘(4歳。5歳の男の子の妹。)は18ベクレルで、ビタペクト2を渡しました。
 引率されてきた中学生は今回初測定で、いずれも20ベクレル(2人とも14歳)だったため、ビタペクト2を1個ずつ渡しました。

 私は32ベクレルだった男の子が、重症になってしまって、ビタペクト2が効かなかったのではないか、と落ち込みました。
 SOS子ども村の医師リリヤ先生は
「前に来たとき、低レベルの放射能のほうが内臓や細胞にたまりやすく、排出もされにくい。 低レベルの体内放射能の人ほど発病しやすい。という話をしたでしょう。この男の子はその典型的なケースです。」
「1年前に32ベクレルだったときは元気だと、おばあちゃんが話していたのに・・・。」
「だから、放射能は怖いんです。」

 こんな話を聞くと、放射能値が低かったからといって、安心もできないし、ある日突然、腫瘍ができてしまったらどうしようとか、いろいろなことを考えてしまって、暗澹たる気持ちになりました。
 おばあちゃんは、「4歳の孫娘も、血液検査の結果が思わしくない。この子の兄のようになったら、どうしよう・・・。」
とすごく心配していました。
 でもこの女の子は18ベクレルで、30ベクレル以上でもないのだし、1回飲めばきっと0ベクレルにまで下がりますよ、と慰めましたが・・・。


(家族B)

 ゴメリ州ロガチョワ市から来た家族。お母さんと6人の子ども(このうち3人は実子。あとの3人は多子家庭協会の子ども。)でした。
 それぞれの測定結果はこのとおりでした。

・12歳の女の子 15ベクレル
・10歳の男の子 17ベクレル
・ 9歳の男の子 23ベクレル
・ 9歳の女の子 24ベクレル
・ 5歳の女の子 18ベクレル
・ 1歳の女の子 26ベクレル

 このうち1歳の女の子を除く5人にビタペクト2を1つずつ渡しました。
 しかし、この一家のお母さんは、一緒に保養滞在している家族の子どもが悪性腫瘍で重症ということを聞いて
「一番放射能値が高い1歳の子にもビタペクト2を飲ませたい。」
と訴えました。
 しかしリリヤ先生から許可されず、普通のりんごジュースをあげることになりました。
 ビタペクト2もりんごジュースの絞りかすから作っていますから、似た効果があると思います。
 ただビタペクト2の場合ティースプーン1杯でりんごを1キロ食べたのと同じぐらいたくさんのペクチンが摂取できるので、効率がいいのですが・・・。
 
 とにかくリリヤ先生と話して、今までは20ベクレル以上の子どもにビタペクト2を渡していましたが、今回から15ベクレル以上でも渡すことに決めました。

 画像は記念撮影した様子です。今回も子どもたちに折り紙用の紙や、折り紙の作り方のコピー、紙風船、絵葉書などを子ども達にプレゼントしました。
 足が悪かった子どもが元気になっていて、うれしかった反面、幼い子どもが病気になってしまって、今回のSOS子ども村の空気は重かったです。
 けれど、他の小さい子ども達が、折り紙などして少しでも楽しく過ごしてくれたら、と思っています。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙や紙風船など子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方、またバザーなどで交通費など諸経費を捻出してくださった皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。

 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。私はもちろん、ベラルーシの子どもたち、お母さんたち、SOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。

辰巳雅子
Date:2006/04/06(Thu)

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