2003年「ビタペクト2」無料支給運動

2003年活動記録
*SOS子ども村*
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ビタペクト2について
成分
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ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村

第5回

 7月11日にビタペクト2と「放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第5回目の配布を実施しましたのでご報告いたします。

 今回渡した個数は保養に来ていた子ども10人分とお母さんの2人の分、合計12個でした。
 「放射能と栄養」のコピーも、お母さん達が、親戚や友人にも読んでもらいたい、という希望でしたので、合計7部を渡しておきました。
 
 今回はゴメリ州モズィリから来た母子(お母さんとその子ども6人。うち1人は3歳以下で、ビタペクト2はあげていません。)とミンスクから来た母子(お母さんとその子ども5人。うち1人は障害児)に直接お会いして話をうかがうことができました。
 でも、今回は「みんな健康です。」「特に問題はありません。」と遠慮されて、あまり具体的な話題は出ませんでした。(そういう人もいます。チロ基金としては、無理矢理、質問に答えさせたりすることはしないようにしています。)
 
 それで、このミンスクから来た母子なのですがミンスクは汚染地域でもないのに、どうして保養の対象になったのか? という疑問がわくのですが、それはこういうことでした。
 以前もご報告しましたが、SOS子ども村は保養の対象にする家族を、ベラルーシ各地にある多子家庭協会を通じて選出しています。しかしSOS子ども村は汚染地域に指定されている地域に住んでいる子どもだけを対象にしていません。
 汚染地域として指定されている地域には、日本を含む諸外国からいろいろな援助がきていますが、逆に非汚染地域の子どもたちの被曝度や援助・救援が忘れられています。
 そのためSOS子ども村では、いわゆる安全と言われている地域の子どもたちも保養の対象となっています。

 今回ミンスクから来た母子は、以前汚染地域に住んでいたこともありません。ただ、子どもが5人いて、生活が困窮しており、また1人の子どもが障害者であることから、ミンスクの多子家庭協会から選ばれて、SOS子ども村へ保養にきました。
 しかし、プログラムにそって、ベルラド研究所で体内放射能を測定したところ、6人とも11ベクレルから19ベクレルの放射能が測定されました。
 ミンスク市民の平均は8ベクレルです。子どもの場合20ベクレルで黄色信号、50ベクレルで赤信号、と言われています。
 19ベクレルの子どもがいるのは、あまりよくありませんね・・・という話になり、ビタペクト2を渡しておきました。

 モズィリから来た母子7人のほうは、一番低い子で19ベクレル、一番高い子で23ベクレルでした。
 こちらもあまりよくありません。2歳の子どもを除いて、全員にビタペクト2を渡しておきました。
 モズィリから来たお母さんは
「最近放射能の再測定が行われて、モズィリ市は汚染地域から外されました。でも、だからって放射能の影響がすっかりなくなったとは、とても思えない。」
と不満そうに話していました。

 ミンスクも放射能汚染地域ではありませんが、実際にはこのように子どもたちの体内に放射能が蓄積されているのが事実なのです。
 しかし多くの子どもたちは「汚染地域に住んでいないから大丈夫。」と思って測定することもなく暮らしています。実際はどうなのでしょうか?
 汚染地域は年々その面積を縮小していますが、ベラルーシ人の多くが
「それは政府が被曝者への保証など、経済的負担を軽くするために、わざと測定値を改ざんし、汚染地域そのものを減らしているのだ。」
と言います。
 真実はどうなのか、私には分かりません。
 
 だんだんと各地の放射能汚染度が減ってきているのは、その土壌に含まれている放射能が減ったのを測定しているだけで、実際は土壌から植物へ、植物から家畜へ、家畜から人体へと放射能が移動していっているだけだ、という人もいます。
 私たちが生きている生態系の中では、人間を食べる動物はいません。(まあ、ピラニアとか、鮫とかそういう動物もいますが、そういう動物のえさになってしまう人はごく少数なので、それは横においておいて。)
 放射能はどんどん人間の体の中に蓄積・濃縮されていく一方です。
 しかし、この原因となった原子力発電所を造ったのも人間です。結局は自分達に全て結果が返ってくる、ということなのでしょうか・・・。
 でも、放射能のせいで病気になった子どもは、何の罪があるのでしょうか?

 ・・・といったことを考えてしまいました。
 ミンスクから来たお母さんは
「どうしてビタペクト2は薬局で売られていないの? ミンスクで作っているのに、同じ町に住んでいる者が簡単に買えないのはなぜ?」
とききました。
 私はベルラド研究所の者ではないので、その理由ははっきり分かりません。でもたぶん、各薬局で販売できるほど、大量生産していないからだと思います。
 逆に薬局で販売したとしても、お金を持っている人が買い占めてしまうかもしれないし、それこそ本当にビタペクト2を必要としている人たちに、行き渡らないようになるかもしれませんよ、とそのお母さんには話しました。

 それでもミンスクに住んでいる人は、ベルラド研究所へ買いに行けばいいのですが、地方に住んでい人はそれも難しいことです。
 しかし、一度ビタペクト2を飲んで、体内の放射能を除去した後、「放射能と栄養」のコピーに書いてある調理方法を実践すれば、しょっちゅうビタペクト2を飲まなくてもいいようになりますよ、とお母さん達に言っておきました。
 お母さん達も
「普段の食生活で、子ども達にたくさん海草を食べさせるようにしている。」
と話していました。 
 
 今後も少しずつビタペクト2と「放射能と栄養」のコピーの配布を継続していこうと思っています。
 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった皆様、またバザーなどで基金の活動費を捻出してくださった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。  →NEXT
辰巳雅子
          Date:2003/07/15(Tue)