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SOS子ども村
第36回
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9月8日にビタペクト2と「放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第36回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト2を2個、「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。 これで今までに配布したビタペクト2は合計859個、「放射能と栄養」のコピーは720部となりました。
今回で通算42回目のビタペクト2の配布となりました。 のべ人数、そして単純計算ですが、現時点で859人分のビタペクト2、そして720家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
今回も保養に来ていた家族からお話をうかがいました。
(家族A)
今回ビタペクト2を渡したのはこの家族の子ども2人です。16歳と14歳の女の子で、体内放射能値はそれぞれ20ベクレルと27ベクレルでした。この家族はゴメリ州のロガチョフ市から来ていました。ロガチョフは加工乳製品の生産で有名な所だそうです。
この家族は3人の子どもがいますが、そのうちの1人がビタペクト2をあげた16歳の女の子です。さらに4人の子どもをお母さんが付き添いで連れてきていました。 その4人のうちの1人にもビタペクト2を渡したのですが、心臓病を抱えているそうです。しょっちゅう胸がチクチクと痛むそうですが、地元の病院の医療レベルが低く、車で1時間半もかけて、ゴメリ市の病院へ治療に通っているそうです。
ロガチョフ市は放射能汚染地として国から指定されていません。そのためサナトリウムなどへ療養したくても、放射能汚染地域の子どもが優先されるため、ロガチョフ市の子どもは後回しにされているそうです。 お母さんは現地の「救いの手」という救援活動団体で働いています。この団体には病気の子どもや障害児、経済的に困窮している家庭の子どもなどが入会しており、現在は64家族が所属しているそうです。ロガチョフ市民だけではなく、近郊の村に住む子どもも会員だそうです。しかし、政府や現地の行政からはほとんど援助は来ていないそうです。
このように病気や障害などの問題を抱えている子どもの数は増えてきているそうですが、非汚染地域であることから、普段は放射能のことは考えないようにしているのだそうです。 子どもたちは定期的に集まって、クラブ活動をしたりして、病気のことなどは一時的にでも忘れ、楽しく交流しているそうです。今回も手作りのビーズで作ったお花をプレゼントしてくれました。
「汚染地ではないので、放射能のことは考えないようにしている。」というお母さんの言葉が心に残りました。確かにどうして小さな子どものうちから、人間の感覚では感じることのできない放射能のことばかり気にしなければならないのでしょう。 このお母さんの話では、これといった持病を抱えていなくても、体が弱い子どもが非常に増えてきている、ということでした。ベラルーシの子ども全体の平均的な体力や免疫力が低下していることが、大変気がかりです。10年後、20年後はどうなっているのでしょうか?
(家族B)
ゴメリ州の古い町、トゥーロフから来た家族。子どもは6人います。今回は体内放射能値が低かったため、ビタペクト2はこの家族には渡しませんでした。 しかし、お母さんの話によると、子どもたちはよく風邪をひくので困っている、ということでした。また子どもが6人いる多子家庭の場合、住居を無料で国からもらえることになっていますが、申請をしたのにもらえるどころか、お金を払うように言われたそうです。このような場合、法的にどうしたらよいのか分からず、SOS子ども村の職員さんに尋ねたところ、ミンスク市内で弁護士さんを紹介してもらえることになり、相談してみる、という話でした。 さて画像は記念撮影した様子です。保養のため滞在している「SOS子ども村20番地」の玄関先で撮りました。うちの子、そして怪しい日本人2名(^^;)が写っていますが、これは私の両親です。 子どもたちには折り紙用の紙や、折り紙の作り方のコピー、絵葉書などをプレゼントしました。いつも絵葉書の裏に日本語で名前を書いてほしい、と頼まれるのですが、今回は私の名前や娘の名前、さらには両親の名前まで頼まれました。(外国語がおもしろいんでしょうかね? やっぱり。) 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙用の紙など子どもたちへのプレゼントを寄付してくださった方、またバザーなどで交通費など諸経費を捻出してくださった皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。私はもちろん、ベラルーシの子どもたち、お母さんたち、SOS子ども村の職員の方々も大変皆様に感謝しております。本当にありがとうございました。 辰巳雅子
Date:2005/10/01
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