2009年活動記録
*SOS子ども村*
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SOS子ども村
第86回
※写真および文章はベラルーシの部屋ブログの記事を一部加工し、転載しました。
2月13日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第86回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト2を7個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
これで今までに配布したビタペクト2は合計1563個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1250部となりました。
今回で通算96目のビタペクト2の配布となりました。
のべ人数になりますが、現時点で1563人分のビタペクト2、そして1250家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。
ビタペクト2の成分や、これまでの配布運動について詳しくはこちらからご覧ください。
「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳しくはこちらをご覧ください。
SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。
(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)
今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族からお話を伺いました。両家族とも家庭タイプ孤児院でした。
(家族A)
モギリョフ州オシポビッチ市から来た家族。9人の養子と暮らしています。そのうち病気になってしまった1人を除いて8人の子どもがお母さんと保養に来ていました。
この他に2人の実子がいるそうですが、二人とも大学に入学し、ミンスクで暮らしているそうです。
さらに3人の養子「卒業生」がいて、それぞれ大学に通ったり、調理師専門学校で学んでいるそうです。(合計14人の子ども・・・すごいですね。)
この家族には5個のビタペクト2を渡しました。
それぞれの体内放射能値の測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しています。
母親 12ベクレル
男子(16歳)26ベクレル ○
男子(16歳)12ベクレル
女子(16歳)17ベクレル ○
女子(15歳)17ベクレル ○
女子(13歳)18ベクレル ○
男子(13歳)16ベクレル ○
女子 (6歳) 0ベクレル
女子 (8歳) 0ベクレル
子どもたちは全員よく扁桃腺炎になるため、1年に2回サナトリウムへ行って療養しているそうです。普段はハーブの煎じたものでうがいをしているそうです。
15歳の女の子は生まれつき、心臓の大きさが小さく、内部の壁に穴が開いていて、つまり心臓内できれいな血液とそうでない血液が混ざってしまうそうです。
運動をすると胸が痛くなるそうで、将来手術をすることを考えているそうです。
子どもたちは森でキノコやベリーを摘んで、それを市場で売って家計を手伝っているそうです。
このうち15歳と13歳の女の子、8歳と6歳の女の子は血の通った姉妹なのですが、それにしても家庭タイプ孤児院で暮らす子どもの生活とはどんなものかと思います。
子どもたちはみんな礼儀正しい感じで、学校の成績も優秀な子が多いそうです。
やはり切磋琢磨するような状況になるんでしょうか。
(家族B)
ミンスク州ジェルジンスクから来た家族。6人の養子のうち5人をお母さんが連れてきていました。やはりこの家族もすでに3人の「卒業生」がいるそうです。
しかもお母さんの年齢は32歳。この年齢で9人の母親になっているわけですね。すごいです・・・。でもこのお母さんの話では、一度に24人の養子を育てている家庭タイプ孤児院の家庭もあるとか。
この家族には2個のビタペクト2を渡しました。
それぞれの体内放射能値の測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しています。
母親 0ベクレル
男子(15歳)12ベクレル
女子(15歳) 0ベクレル
女子(15歳)22ベクレル ○
女子(14歳)28ベクレル ○
男子 (5歳) 0ベクレル
15歳の女の子(0ベクレル)は慢性気管支炎の症状がひどく、勉強もできないほどで、この2年間ほとんど学校に通っていない、ということでした。
14歳の女の子も気管支炎によく罹るそうです。
15歳の男の子は胃炎のため食が細く、学校で給食を食べていない、と先生から保護者に連絡が来たそうです。
5歳の男の子は生みの親が精神病患者だったそうで、それが遺伝しているのではないかと養母は心配しています。突然叫んだり、そばにいる人に噛み付いたりすることがあるそうです。
神経を落ち着かせるためにハーブティーを飲ませているそうです。
他にも気管支炎の女の子二人にも民間療法で、温めてアルコールを飛ばしたビールを飲ませたり、使用後、コンセントを抜いた(←当然ですが)アイロンを胸の上にのせたりしているそうです。
大変ですが、この家族の希望の星は15歳の女の子(22ベクレル)です。卓球をしていて、学校では1番。そして地区大会に出て1番。金メダルをもらっています。
せっかくなので金メダルを首から下げてもらって記念撮影しました。
一方でこの女の子も心音に雑音が混じっているそうで、お母さんは心配していました。本人は
「そんなことでスポーツはやめたくない。市の大会に出たい。」
と話していました。本当にがんばってほしいですよね。
両家族ともベラルーシ子ども基金から一戸建ての家を支給してもらったそうです。
ベラルーシ子ども基金はイギリスなどがスポンサーになって、家庭タイプ孤児院の家族に住居を提供しています。
それはもちろんいいことなのですが、その後の修理などは各家庭の負担。
(家族B)のお宅は10年前にもらったものだそうですが、最近になってトイレが壊れ、お風呂の水はけもおかしくなり、あちこち修理しないといけなくなってきました。
しかしそれに対する助成金などはもらえないので、知り合いに借金して新しい便座を買って、自分たちで取り付けたそうです。
養子ばかり大勢育てるのは本当に大変だと思います。家がもらえるのはいいけれど、細かいケアは受けられないという、「ざっくり福祉政策」だなあ、と思いました。(トイレが壊れていた間は大変だったでしょう。家族の人数が8人なのに。)
さて、今回も日本の文化に触れてもらおうと、絵葉書(奈良県室生寺の絵葉書)子どもたちにキティーちゃんの折り紙や日本人の竹細工職人の方に寄贈してもらった竹で作られた知恵の輪、小さい3人の子どもにはドラえもんのぬりえ(「ドラえもん、見たことあるよ。」と話していました。)大きい子どもたちにはちょっと難しい恐竜折り紙セットをプレゼントしました。
みんな大喜びで、さっそくぬりえをしたり、知恵の輪をしたりしていました。(^^)
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。
Date:2009/02/16