給食のときの飲み物として、ビタペクト2を出す、という計画もあったのですが、1日に2回か3回に分けて飲まないといけないので、学校から保護者にビタペクト2を渡し、家庭で飲んでもらうことになりました。
また学校には折り紙の折り方をロシア語で説明している本と、折り紙用の紙350枚、日本についてロシア語で紹介している雑誌を約10冊寄贈しておきました。 学校の訪問の後、その隣にある幼稚園へ行きました。この幼稚園は保育園も兼ねていますが、その中で3歳以上になる子どもだけを対象にビタペクト2を配ることになりました。
この村には診療所があり、村民全員の健康管理を行っています。
そこで働いているオリガ先生は、ビタペクト2の話を聞いたとき、すぐに
「村の子ども達の健康のためぜひ寄贈してください!」
と賛同してくださいました。
また医療従事者の立場から学校や幼稚園にも同行してくださり、校長先生や園長先生にも
「心配せずに保護者に配ってください。」
と勧めてくれました。
ビタペクト2はベラルーシ製なのですが、テレビコマーシャルなども全くなく、ベラルーシ国民の認知度は低いのです。それを怪しげな外国人(私のこと)が
「体にいいですから。ただですから。」
と言って配ろうとしても
「本当に子どもにあげて大丈夫?」
ともらう側は心配してしまうのが普通の反応です。しかしオリガ先生やマリーナさんたちのお母さんが
「これで放射能がなくなりますよ。ぜひ子どもさんに飲ませてください。」
「うちの子どもたちも飲んだら、放射能がゼロになっていたんですよ。本当に効きますから。」
と一生懸命、説明してくれたので、おかげでスムーズに配ることができました。
お二人には本当に感謝しています。
画像は診療所の様子です。診察中のオリガ先生です。
前述の20個のビタペクト2はオリガ先生に託しました。診療所には村民全員のカルテがあり、その中で特にビタペクト2を飲むとよいと考えられる成人にオリガ先生
から配られることになりました。
オリガ先生に村の住民の方々の健康状態についてお話を伺いました。
近年村の子ども達の間で増えている病気は貧血と甲状腺肥大だそうです。これは放射能のせいだ、とオリガ先生は話していました。
また放射能と関係があるのかははっきり分からないけれど、近視の子どもが急激に増えたこと、また心雑音のある子どもも多い、というお話でした。
ソシノ村はベラルーシ政府が指定している放射能汚染地域からは外されています。
しかし、ベルラド研究所の調査では、ソシノ村のあるピンスク地区の他の村でとれた牛乳に、1リットルあたり151ベクレルの放射能が含まれていることが分
かっています。1リットルあたり30ベクレル以上の放射能を含む牛乳は子どもに飲ませてはいけない、とベルラド研究所は警鐘を鳴らしています。
また2003年は雨が多く、きのこが大豊作なのですが、きのこに大量の放射能が含まれていることがベルラド研究所の調査で分かっています。
「もし、1年に1回しかビタペクト2を飲めないのなら、きのこが採れる季節である秋に飲みなさい。そうすればきのこから摂取した放射能をすぐ体外に排出することができる。」
と同研究所所長のネステレンコ教授が話していました。
予算のめどは今のところ立っていないのですが、また来年もソシノ村でビタペクト2の配布ができたらなあ、と思っています。
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費を寄付してくださった4人の方、またマリーナさんの薬代や、「放射能と栄養」のコピー、交通費、折り紙用の紙や折り紙の本などにかかった経費を捻出してくださった方々に、この場を借りてお礼申し上げます。
(以後はベラルーシの部屋レポートにて不定期で配布状況を報告しています)