7月23日にビタペクト2と「放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第6回目の配布を実施しましたのでご報告いたします。
今回渡した個数は保養に来ていた子ども3人とお母さんの分、合計4個でした。
「放射能と栄養」のコピーも、お母さんが知人にも読んでもらいたい、という希望でしたので、合計9部を渡しておきました。
今回は個数が少ないですが、それは3歳以下の子どもがいたり、ベルラド研究所で放射能を測定したら、値の多い子が少なかったからです。
ビタペクトを配布した子どもは、放射能値が体重1キロあたり20ベクレル前後だった子どもだけでした。
やはり放射能値がゼロか、非常に少ない子どもは健康体でした。
しかし、多い子は体力がなくて風邪を引きやすい、というお母さんの話でした。
この放射能値が高かった子どもたちは、ゴメリ州ペトリコフ市から来ていました。
ペトリコフ市は以前は放射能汚染地域に指定されていましたが、近年の再測定の結果、汚染地域から外されました。
その子たちのお母さんは幼稚園の先生をしていますが、
「汚染地域から外されたけど、これはうそ。今でも放射能はある。」
と主張しています。
幼稚園で約20年働いているこのお母さんは
「チェルノブイリ原発事故が起こった後では、園児の体がとても弱くなりました。昔は元気な子がほとんどだったのに、今は逆。多くの子どもに甲状腺の異状が見られたり、心雑音が聞こえたりしています。特に病気を持っていなくても、風邪を引きやすくて、しょっちゅう幼稚園を休む子がたくさんいます。」
と話してくれました。
その人の子どもで今ちょうど幼稚園児の女の子は、生まれたときは普通の足だったのに、どんどん左足が歪んできています。
医者は原因はよく分からない、としながらも、まだ骨が柔らかい子どものうちに矯正して治療を続ければ治るだろう、と話しているそうです。
SOS子ども村での保養が終わって家に帰ったら、足の治療を始めるそうです。
この子のお母さんは幼稚園でも関心のある人がいるだろうから見せたい、という希望でしたので「放射能と栄養」のコピーを9部渡しておきました。
このコピーにはベラルーシ人にあまりなじみのない海草の食べ方も紹介されているのですが、お母さんは
「5人の子供がいて、給料は少ない。海のないベラルーシでは海草は高くて買えない。」
と話していました。
ベラルーシでは食料品店でサハリン産の昆布サラダがパックされて売られているのですが、確かに値段がやや高めです。
高級品ということはないのですが、感覚で説明すると「健康に気を遣っていて、お金を惜しまない人からすれば安いが、普通の食品と比べると高めの値段」といった感じです。
あまり売られていませんが、最近は乾燥させた昆布もミンスクでは手に入るので、今後チロ基金の活動として、海草もビタペクト2といっしょに渡そうかな・・・と考えています。
(でも昆布を買うお金でビタペクト2を買うほうがいいような気もするし・・・。迷うところです。チロ基金に御協力くださっている皆様、ご意見がありましたらお知らせください。)
さて、今回も折り鶴の作り方を教えてきましたが(というか、折鶴の作り方を図とロシア語で説明してあるのをコピーしたものと、日本製の折り紙用の紙を配っている程度のことしか私はしてませんが(^^;))みんな夢中になってつるを作っていました。
ベラルーシの幼稚園でも簡単な折り紙を作っているそうです。すでにベラルーシは折り紙が浸透しているのですね〜。とてもうれしくなりました。
今後も少しずつですがビタペクト2と「放射能と栄養」のコピーの配布を継続していきます。
最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった皆様、またバザーなどで基金の活動費を捻出してくださった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。 →NEXT