茶の湯の紹介 2006・スベトラゴルスク
5回目の実施となりました茶の湯の紹介。今年は9月6日にスベトラゴルスク児童図書館内で行いました。
今までの「茶の湯の紹介」活動
2002年の茶の湯(日本文化情報センター創立3周年記念式典の一つ)
2003年の茶の湯。 グロドノにて。
2004年の茶の湯(日本文化情報センター創立5周年記念式典の一つ)
2005年の茶の湯。ポーロツクにて。
スベトラゴルスク
今年の開催地が スベトラゴルスクに決まったのは、この児童図書館長さんと1998年に「ノンちゃん雲に乗る」を寄贈してからのお付き合いが始まったこと、その当時からの館長さんたってのご希望が「茶の湯を実際に見てみたい。」ということだったからです。(「ノンちゃんをベラルーシの子どもたちの手に」運動について詳しくはこちらをご覧ください。)
また2005年10月31日には、この図書館内で日本文化を紹介する講演も行いました。そのときの様子は2005年の活動報告『文化の日 スベトラゴルスク』をご覧下さい。
今年はスベトラゴルスクの市政が始まってから45周年にあたり、10日後のスベトラゴルスク祭りに向けて、街の中は華やいでいました。この節目の年に茶の湯を我が街で紹介してくれるとは、大変うれしいこと、と言うスベトラゴルスク市長の特別なはからいで、宿泊費用は市役所が負担してくれると言う大歓迎ぶりでした。
図書館側も大歓迎でした。まずは、民族衣装を着たかわいい子ども達が大きなパンで我々日本人をお出迎え。そしてベラルーシの民族楽器ツィンバロム奏者の女の子が待っていました。
その女の子はツィンバロムを弾きながら、日本語で「故郷」を歌ってくれました。昨年10月にこの図書館へ行ったときにCD「月と日」と収録曲の楽譜を寄贈していたのです。
(CD「月と日」について詳しくはこちらをご覧ください。)
それにしても、ツィンバロム用にアレンジしてくれて、しかも日本語で歌ってくれるとは・・・大感激でした。女の子が歌詞の1番だけを歌ってくれてよかったです。最後まで歌ってたら、嬉し涙が流れすぎて化粧が全部剥げてしまうところでした。
この女の子はスベトラゴルスク芸術学校の生徒さんなのですが、同じ学校の演劇科の生徒さんたちも、私たちを待ち受けていました。
それはすばらしい舞台衣装を着て・・・。(どのような衣装だったのかは更にご覧ください。この画像はツィンバロムを演奏しながら「故郷」を日本語で歌うオリガさんです。)
お茶席に座っているのが、そのスベトラゴルスク芸術学校演劇科の生徒さんたちです。手作りの舞台衣装を着て、すてきなパフォーマンスで歓迎してくれました。
会場となったホールには子どもたち、スベトラゴルスク市役所の方々、地元のテレビ局や新聞社、熱心にメモを取る図書館員さんなど、大勢の人が集まってくださいました。
茶の湯
茶の湯はいつものようにロシア語解説付きで、主人の役は私の母が、主客は私が、次客の役は私の父が担当しました。
そして、今回は初めてわが娘(4歳)も客の役をすることになりました。
ようやく茶の湯デビューができるまでに成長したかと思うと、大変うれしかったです。(「お手前頂戴いたします。」など教えたとおりに言っていましたが、舌があまり回っていなかったような・・・。)(^^;)
この調子で来年からも、娘には茶の湯のお手伝いをしてほしいです。
お茶お試し会では、参加者のほぼ全員がお茶席に座って、お抹茶の味を楽しんでくれました。みなさん好奇心旺盛で、釜のお湯を何度も注ぎ足さないとならなかったほど。(人数が多かったので、足がしびれる人が続出しました・・・。)
さまざまな質問も飛び交い、スベトラゴルスクの人々が日本文化に並々ならぬ関心を寄せていることが感じられました。
今回は果敢にも(?)お茶を飲むだけではなく、お茶を点ててみたいという人も現れました。画像は教えてもらいながらも、ちゃんとお茶を点てたスベトラゴルスク芸術学校演劇科の生徒さんです。観察力の鋭さに驚きました。衣装がお姫様なので、畳の上で何とも摩訶不思議な情景が広がっていますが・・・
図書館内には特別にこのような日本文化紹介コーナー、、その名も「不思議の国への航海」を作ってくれました。以前にチロ基金から寄贈した、「ノンちゃん雲に乗る」や、日本を紹介する本や雑誌、CD「月と日」「芭蕉の詩」などが展示されていました。
「日本についての情報がこんなにたくさん得られるのは、市内では当館だけです。」
と館長さんは、大変喜んでおられました。
日本に対する関心は、スベトラゴルスクでも高まってきており、これらの文献の貸し出し数は増えるだかりだと、他の図書館員さんからのお話でした。
今回も日本を紹介するロシア語書籍や雑誌、伝統工芸品などを図書館に寄贈しました。
今後もスベトラゴルスクでの日本文化提供の場となるべく、この中央児童図書館にチロ基金から文献の寄贈を継続したいと考えています。
図書館側や市役所からもかわいい地元産の民芸品や、スベトラゴルスク市政45周年記念品などをいただきました。
画像はスベトラゴルスクの市の紋章である太陽を象ったわら細工民芸品を、館長さんが贈ってくださったところです。
スベトラゴルスクとは「明るい街」という意味なのですが、そのため市の紋章は太陽なのです。そして日本は別名「日出る国」・・・スベトラゴルスク市民のみなさんが、日本文化に親しみを感じる所以はここにあるのかもしれません。
そして私たち日本人もスベトラゴルスクで茶の湯を紹介することができ、そして参加者の皆さんと接して、本当に明るい気持ちになりました。
参加してくださったスベトラゴルスクの皆さん、今まで細かな気配りでご準備をしてくださったリュドミーラ図書館長さん、裏方で支えてくださった図書館員さんたち、ご理解と支援くださったスベトラゴルスク市役所、すばらしい芸術作品で歓迎してくださったスベトラゴルスク芸術学校に感謝申し上げます。
文献購入費を寄付してくださったり、また展示品を寄贈してくださるなど、チロ基金にご協力してくださっている日本人の皆様にも、この場を借りて深く感謝申し上げます。
また茶の湯紹介実施のためのスポンサーである「ヴェスナ」社にも厚くお礼申し上げます。また足もしびらさず、お茶を点て続けてくれた母や、父、車の運転など裏方担当の主人にも感謝しております。
これからも茶の湯を通して、日本の文化を紹介するためベラルーシの各地へ足を運ぼうと思っています。 今のところ1年に1回行うのが精一杯ですが、今後ともチロ基金に皆様、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
2006/09/21(Thu) 辰巳雅子