第1回日本文化&アニメフェスティバルに参加
9月23日と24日にベラルーシで初めて開催された「第1回日本文化&アニメフェスティバル」に日本文化情報センターは後援として参加しました。
ベラルーシでは年々日本文化に対する関心が高まってきています。その中でジャパニメーションファンクラブ、ベラルーシ大学囲碁クラブ、日本戦国時代武士文化愛好クラブなどの、日本文化が大好きな若い世代のベラルーシ人が協力し合って、日本文化&アニメフェスティバルが開催される運びとなりました。
ジャンルにとらわれず、日本文化に興味のある人は参加できます。(入場無料)
会場ではさまざまなプログラムが用意されていました。
日本のアニメ上映、コスプレショー、コンピュータゲーム体験、アニメソングコンサート、囲碁・将棋トーナメント、合気道・空手のデモンストレーション、武具の紹介、じゃんけん大会、折り紙展、日本伝統文化展示コーナー、アニメや漫画のキャラクターのイラスト展覧会、アニメキャラクターフィギュアの展示コーナー・・・などです。
第1回目の開催にしては盛り沢山の内容でした。
日本文化情報センターはこのうち、日本伝統文化展示コーナーに飾られた展示物の一部を貸し出しました。
貸し出した展示物はこのとおりです。
人形(こけし、招き猫)、履物(下駄、ぞうり、わらじ)、茶道用菓子器、香炉、色紙(俳句、水墨画)、文献(日本のきれいな風景の写真が数多く掲載されているもの)、上映用のビデオ(茶道、伝統芸能祭りなど)
これらの展示品、文献を寄贈してくださった日本人の皆様、本当にありがとうございます。
センター以外の場所でも所蔵展示物を、紹介できる機会が今回得られ、とてもうれしく思っています。
日本文化&アニメフェスティバルの主催は主にベラルーシ人の学生ですが、企業スポンサーなどがついているわけでもなく、会場となったエウリカ青少年センターの厚意により、会場費を無料にしてもらったそうです。そして入場も無料としたため、大勢の日本文化ファンが会場前に500人も詰め掛けました。
初めての開催で、要領もよく分からず、心配のあまり大して宣伝していなかったそうですが、会場は大勢の人で大盛況でした。
主催者側からはセンターからの展示物、文献の貸し出しをとても喜んでいました。この調子で来年も、いや毎年開催してほしいですね。センターも展示物の貸し出しには多少制約もあるのですが、出来る限り協力していこうと思っています。
では会場の様子を画像でご紹介しましょう。
こちらが日本伝統文化展示コーナーです。小さくて分かりにくいかもしれませんが、日本文化情報センターが貸し出した展示品が飾られています。
それにしても、たくさんの展示物ですね。日本文化ファンの方々が自分のコレクションを貸し出したそうです。
こちらは日本伝統文化展示コーナーに設置された文献コーナーです。センターからは「日本旅行事情」「京都若狭街道」「高山・飛騨路」「京都御所」「吉野春秋」「天神様の美術」といった文献10冊を貸し出しました。
(会場に人がいないように見えますが、実際には人の流れが切れるのを待って、撮影しました。でないと、人が多くて展示コーナーに近づけないほどでした。)
これは日本戦国時代武士文化愛好クラブの皆さんが復元した鎧などの武具です。
その努力には脱帽しますね。本当にすごいです
展示された武具の一部は手にとってもいいものもあり、会場に訪れた人々は刀などを手にして、記念撮影していました。これでサムライ気分が味わえます。
刀はもちろん本物ではありません。複製品がベラルーシでは土産屋で売られています。展示されていた刀の多くは、この土産物店からの提供でした。それぐらいしか、スポンサーもついていないのに、一生懸命、このフェスティバルを企画したベラルーシ人の熱意はすばらしいですね。
画像の着物姿のお姉さんは主催者側の人で、展示物の監視係をしていました。もちろん着ている着物は自作です。
このように着物のコスプレの人が大勢会場内をうろうろしていました。アニメのコスプレをしている人もたくさんいました。(しかし最近の日本のアニメを見ていない私は、どのアニメのどのキャラクターのコスプレをしているのか、全く分からないのでした・・・。)
第1回日本文化&アニメフェスティバルに参加 その3
これはアニメや漫画のキャラクターのイラスト展覧会、アニメキャラクターフィギュアの展示コーナーです。ベラルーシ人が鉛筆や水彩画、PCなどで書いたアニメの絵がたくさん飾られていました。自作の漫画(ノートに鉛筆描き)を展示している人もいました。
しかしまあ、私が分かったのは「となりのトトロ」と「セーラームーン」だけでしたわ。しかも
セーラームーンはベラルーシでロシア語版をテレビで1回見たことがあるだけで、オリジナルは見たことないんです、私・・・。
私が日本にいたとき見ていた、ほのぼのなアニメはほとんどありませんでしたねえ。
このロボット(「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する…何だろう? 宇宙人? すみません、このアニメも、見たことないんで知りません。)は紙でできています。
他にも紙で造ったガンダムも置いてありました。(ご覧のように折り紙も飾られていました。その場で作りたい人のための紙も置いてあります。)
ベラルーシではロシアで作られた日本アニメのロシア語版DVDやビデオが輸入されており、それを買ったり、友達同士貸し合ったりして、日本のアニメを見ているそうです。
画像では少ししか写っていませんが、アニメキャラクターのフィギュアもたくさん飾られていました。紙のガンダムは自分たちで作ったそうですが、フィギュアのほうはモスクワの店に買いに行って集めているそうです。モスクワには日本からアニメ商品がたくさん輸入されて販売されているとのこと。近い将来ベラルーシにもアニメオタクのお店がオープンするかもしれません。
一緒に連れて行った我が子(4歳)はフィギュアを舐めるように一体ずつ見ていましたが、将来この子もアニメヲタクになったらどうしよう、と思いましたよ。
今ベラルーシ全土で3000人のアニメオタクがいるそうです。ミンスクだけで1000人近くいるらしい(「私はヲタクで〜す! 日本にもヲタクはいっぱいいますか?」と日本語でベラルーシ人青年に質問された・・・。)のですが、それにしても、どうしてこんなに日本のアニメが好きなのか・・・。驚くばかりです;
こちらは囲碁・将棋トーナメントの様子です。どちらもベラルーシでは10年以上も前から愛好者がおり、囲碁クラブがある学校もあるほどです。
会場の中でこの部屋が一番静かでしたが、ある意味一番熱い勝負の場所だったかもしれません。
ホールではアニメの上映会などが催されました。それにしても空席なんてどこにもなくて、すごい熱気でした。
アニメと言っても小さい子どもはほとんどおらず、ハイティーンや20代の若い人ばかり。そして男性が多かったです。
ベラルーシ人のいい年をした若者が日本のアニメに夢中になっているのを見て、
「ちょっと子どもっぽいかも・・・。」
と思いましたが、彼らはアニメだけではなく、それ以外の日本の文化にも並々ならぬ関心を持っていることが分かりました。アニメなんてなかった時代の古い伝統文化にも詳しい人、日本語学習希望者にも大勢出会いました。
それにしても桜の絵を描いて飾ったり、提灯を飾ったりと、主催者の人たち、本当にがんばっているなあと思いました。分かりにくいですが、ホールの右の壁に「ひがん」と書かれていますが、このフェスティバル、お彼岸にちなんで「第1回日本文化&アニメフェスティバル<彼岸>」と名づけられたのです。
(でも、お彼岸というと墓参りのイメージが・・・。「秋分」にすればよかったのに。「彼岸ってどういう意味ですか?」と名称決定後に主催者に質問されました。遅い。)
このように大盛況のうちに幕となった第1回日本文化&アニメフェスティバルですが、これからも定期的に開催されたらいいな、と思います。
フランスでもテーマは同じ「ジャパンエキスポ」が今年で開催7回目になりましたが、今や企業がいくつもスポンサーとなり、ヨーロッパにおける一大日本文化イベントになっているこのお祭りも、最初は日本のアニメ好きフランス人が集まって自分たちの手弁当で始めたのがこんなに大規模になったとか。ベラルーシの日本文化&アニメフェスティバルも今後どうなるか、予想がつきませんよ。
http://www.eurojapancomic.com/fr/topics/jexpo2006/report.shtml
ロシアではコスプレ大会が5回も開催されています。
ベラルーシにおける日本文化ブームはまだまだ続くと思われます。
日本文化情報センターもその存在意義がますます大きくなるかもしれませんね。これからもセンターの活動、がんばります!