茶の湯の紹介 2005・ポーロツク
恒例となりました1年に1回の茶の湯の紹介。今年は9月14日にポーロツクにある児童図書館内で実施いたしました。
これで4回目となりましたが、今までの活動についてはこちらをご覧下さい。
・2002年の茶の湯(日本文化情報センター創立3周年記念式典の一つ)
・2003年の茶の湯。 グロドノにて。
・2004年の茶の湯(日本文化情報センター創立5周年記念式典の一つ)
またポーロツクについてはこちらをどうぞ。
今年の開催地がポーロツクの児童図書館(第7分館)に決まったのは、2003年にこの図書館に招かれ、出張公演をしたのがご縁です。
そのときの様子は日本文化情報センターの活動報告「ポーロツク出張公演『日本文化の紹介』」をご覧下さい。
今年の茶の湯には大勢の子どもたち、地元のマスコミ、ポーロツク市役所の方まで大勢集まってくださいました。
さすがに4回目の実施とあって、慣れてきましたね。以前は緊張したり、手順が悪かったりで、反省点のほうが多かったのですが、お茶道具も少しずつ揃ってきて、毎回よくなってきています。この調子で来年はさらにグレードアップしたいですね。
いつものようにロシア語解説付きで、まずは一服。主人の役は私の母が、主客は私が、次客の役は私の父が担当しました。
その後のお茶お試し会では、多くの子どもたちが参加の呼びかけに答えてくれ、大盛況でした。さまざまな質問も飛び交いました。会場に来てくださった皆さんの日本文化に対する強い関心を感じました。
茶の湯の手順を全てメモする人もいました。また地元テレビ局もニュース番組内で放映してくれました。ポーロツクドラマ劇場からは以前舞台のセットとして作ったという桜の枝を会場に持って来てくださいました。
文化都市ポーロツクの人々の強い関心に支えられたことが、今回の茶の湯の成功の理由だと思います。
図書館員さんたちからは
「今日、お茶を飲んだ子どもたち、今日のことを一生覚えていますよ。」
と言われました。
ポーロツク市役所からは「またぜひポーロツク市内で茶の湯をしてほしい。」という要望が出されました。機会があればぜひ・・・とお返事しました。
画像は茶の湯に参加してくれた子どもたちです。
主人の役は私の母、半東の役は私がしています。
お菓子をお箸(黒文字)で取ろうと格闘中の子どもたち。
ポーロツクっ子は、みんな好奇心旺盛でした。
図書館内にはこのような案内が掲示されていました。
「親愛なる友人のみなさんへ。ミンスクにある日本文化情報センターの辰巳雅子さんと、日本から来るお客様たちが開催する茶の湯にご招待いたします。9月14日午後1時半にお集まりください。」
と書かれています。
特別にこのような日本文学コーナーを作ってくれました。以前に寄贈した、また今回持参した日本を紹介する本や雑誌、日本語の辞書などを展示してくれました。
・・・日本に対する関心が最近子どもたちの間にも高くなってきており、新しい文献などは引っ張りだこの状態。今回寄贈してくれた書籍は大変助かる、また寄贈していただければありがたいのですが・・・と何度も図書館側から頼まれました。
ポーロツクに比べると、ミンスクは首都なので、日本に関するロシア語の文献も見つけやすいほうです。いい本があれば、チロ基金から購入し、この図書館に引き続き寄贈していこうと考えています。
でもすでにこの図書館は児童図書館なのに、日本に関する文献がポーロツク中央図書館より多い、ということで、司書さんたちは自慢しているそうです。
今回持って行った民芸品も図書館内に飾ってくれました。手作りで押し絵や雛人形を作ってくださった日本人の皆様、また購入してくださった方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうごさいました。
このように日本の文化の紹介のご協力をしてくださる方、そして遠く離れた国でありながら、その国について知ろうとしているポーロツク市民の方々、そのような入館者のために情報提供という役目を果たしている図書館員さんたち・・・このような人々がちゃんと揃っていることに、感謝しております。
これからも茶の湯を通して、普段はなかなか行くことができない、ベラルーシの各地へ日本の文化を紹介するため足を運ぼうと思っています。(来年はゴメリ州スベトラゴルスク市の図書館を予定しています。)
今のところ1年に1回行うのが精一杯ですが、今後ともご協力よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、今年も茶の湯を実施してくれた両親、車の運転や子守りなど裏方をして支えてくれた主人、諸経費を捻出してくださった「ヴェスナ」社にもお礼申し上げます。おかげさまで、来てくださったポーロツクの皆さんに大変喜んでもらえました。ありがとうございました。
2005/10/05 辰巳雅子