松尾芭蕉生誕360周年記念コンサート

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第3回
 

■ 第3回

2004年6月11日


 6月11日、ミンスク市内の室内楽コンサートホールで「芭蕉の詩」ベラルーシ国内では3回目の公演が行われました。

 今回のコンサートは「芭蕉の詩」の作曲者であるアンナ・コロトキナさんの作品を集めた公演の一つとして、発表されました。
 コンサート「アンナ・コロトキナの夕べ」は二部構成となっており、第一部で発表されたのは、「フレスコ」(1998年発表。パイプオルガン曲)「誘惑」(2000年。ピアノ曲)「あなたの元へ」(1993年。声楽曲)「賛美歌」(2003年。合唱曲)「フランツィスク・スカリナ」(2003年。パイプオルガン曲)・・・といったコロトキナさんの代表作でした。

 第二部では「芭蕉の詩」だけが発表されました。
 今回は初めて、作品全体が演奏されました。完全版を聴くのは私も初めてだったので、感激しました。
 全部で20分弱の作品なのですが、ピアノと打楽器と朗読だけとは思えないような、大きな作品のように思えました。
 約100人の観客の方々も真剣に聴き入っており、最後には大きな拍手が沸き起こりました。
 よく聞かれた感想は「大変おもしろかった。」というものです。やはり日本の俳句をテーマにした音楽作品は、ベラルーシの人々にとってはとても変わったもののように思われるようです。
 また、銅鑼や鐘といった東洋の雰囲気を醸し出す打楽器も、多くの人の関心を呼んだようです。

 今回は初めて私以外の日本人の方が数名、来てくださいました。「芭蕉の詩」は日本人の方にも気に入っていただけたようで、よかったです。
 ソトニコワさんが着ている着物は変だ、というご指摘も受けましたが・・・あれは舞台衣装ということでお許しを・・・。(^^;) 5分で着替えられる衣装にしなければいけなかったので。
 逆にあの着物(の着かた)がよかった、とおしゃってくれた日本人の方もいましたので、少し安心しました。

 さて、今回のコンサートの模様はビデオに収録されました。そしてライブ録音になるのですが、このビデオから音源を起こして、CD化する予定です。
 せっかくなので、「芭蕉の詩」を記録としても残しておきたいし、コンサートに来られない人々にも聴いてほしい、というのが願いです。日本人の方々にも多くの人に聴いてもらえたら・・・と思っています。
 予定では7月には完成の予定ですが、CD化が実現しましたら、すぐにこのレポート上でお知らせいたします。

 画像はカーテンコールの様子です。実は当日38度近い熱が出てしまい、ふらふらしていたのですが、芭蕉コンサートに行かないわけにはいかなかったので、行ってきました。しかし、デジカメも私の病気がうつったのか、調子が悪く、ご覧のように画質がよくなくてすみません。
 右から作曲者のコロトキナさん、朗読者のソトニコワさん、打楽器演奏者のノビコフさんです。
 本当に録画したビデオ映像を日本人の皆様に見ていただきたいです。(T_T) 
CD化実現を切に願います。


 「芭蕉の詩」のベラルーシ国内公演、1回目と3回目の会場となった室内楽コンサートホールです。

 もとはスヴャトーヴァ・ローハ教会というカトリックの教会だったのですが、ソ連
時代に国立フィルハーモニーコンサートホールの所有の室内楽コンサートホールとして利用されてきました。
 ベラルーシの独立後、教会としての機能が復活し、現在ミサなどの宗教活動も行われています。
 ミサはポーランド語で行われており、近所に住むカトリック信者が集っては祭壇の十字架にお祈りしているのですが、夕方にはその祭壇が舞台に変わって有料のコンサートが毎晩のように開催されているという、何だか不思議な所です。
 こんな場所で日本の俳句をロシア語で聞くのですから、「変わったコンサートに行って来た。」という感想を多くのベラルーシ人が持つのも当然かもしれませんね。

辰巳雅子
Date:2004/06/22