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地下鉄ネミーガ駅階段事故 No.6

(2000/06/21 by T)

 「死者へのメッセージ」についてもう少し具体的に書きます。 多いのは直接呼びかけるものです。
「XXちゃん、どうしてこんな若さで死んでしまったの?」
「クラスのみんなはあなたのことは決して忘れません。○○学校X年A組一同」
「XXちゃん、どうか天国で安らかに眠ってください。」
「私の腕の中で息を引き取ったXXちゃんへ・・・。」(一緒にコンサートを 見に来ていて、友達は亡くなったようです。)

 このような故人へのメッセージは各人ごとに、その故人の遺影や生前のスナップ写真が 貼られている周りに大体まとまって書かれています。写真の近くに大きい文字で 故人の姓名が書かれており、(その下に墓石のように「誕生日の日付−30.5.1999」 と書かれている場合もあります)ので、事故現場へ行くと、どこにどの故人へのメッセージが書かれているのか、すぐ分かります。

 自作の詩や絵を貼ってあるケース。 この詩もメッセージのように「XXちゃんに捧ぐ」という感じで創作したものです。 内容は
「どうしていなくなってしまったの?」
「その時、死の雨が降ってきた・・・」
「神の御許で安らかに眠ってください」
といった内容です。 絵のほうは・・・。色が褪せるせいか、最近は減ってきましたが、階段で群集に踏みつけられている絵や、血を流している絵がありました。こういうのはやめてほしいなあ、と私は思いましたが・・・。そういう生々しいのがなくても、雨が降っている絵や階段の絵があり、その背景にそろって教会が描かれているのが悲しかったです。あとは花や十字架の絵をきれいに描いたもので、故人の遺影を飾ったりしています。

 第3者へ向けてのメッセージ。 はじめ多かったのが
「警備に当たっていた警官は悪くなかったんだ。」
というメッセージ。階段のあちこちに書かれていました。警官で亡くなった方もいるし、こんな事故が起きたのは、警備のせいだ、と考えた人がいたとはあまり思えないのですが・・・。警察関係者が自分たちに責任を負わされては大変だ、と思って慌てて、あちこちに書いたのかな、と変な想像をしてしまいました。

 第3者向けメッセージとしては、
「みなさん、この事故のことを忘れないで。」
「ニ度とこんな惨劇を起こさないで。」
といったものが多いです。その他に、誰に向かってでもなく、単に自分の心情を吐露したもの。
「XXちゃんが死んだのは誰のせい?」
「こんなことが起きたのは誰の責任?」
等の責任追及型が多いです。

 ところで、この事故現場となった階段を降りた所、例の通路が始まるところの右手に 地下なのですが、花屋さんがあります。小さい花屋で、金属製のドアがポンとあるだけなのですが、それが閉店中は地下鉄通路の壁の一部のようになってしまいます。 そこへも誰かがメッセージを書いていったのですが、それが全てのメッセージの中で、一番怖くて不愉快なものでした。
「人を踏んづけて助かった連中に呪いあれ。」 あのなあ、君。誰か知らんけど、そんな恨み言、花屋のドアに書くなよな。あんただって自分がそんな状況に陥ったら、人を踏んづけてでも、助かろうと思ったやろ。簡単に 人を呪うなー、と、怒ってしまいました。が、怖かった。

 花屋さんもいい迷惑だなあ、と思っていたら、そのドアにメッセージが他にも次々書かれたらしく、さらに1週間後 見に行ったら、ドアがきれいに塗り替えられていました。呪いのメッセージも上から塗りつぶされて消えていました。やれやれ。それ以来、その花屋のドアにはメッセージは書かれないようになりました。

 花の話題が出たのでついでにもう一つ。事故から一年めの日、ベラルーシテレビは 特別番組を企画し、この事故の遺族や被害者、関係者をスタジオに集め、トーク番組を企画、放映しました。 そこで、遺族の方が証言していたのですが、事故現場に供えた花束を盗んでいくやつがいるそうです。1年経った今でも、毎日のように花束が供えられ、花瓶まで通路に置いているぐらい花がたくさんあるのですが、そのうち1本や2本の花、一束の花束ぐらい 盗って行っても、確かに誰も気が付かないかも・・・。でも、花を盗んでそれ、どうするの?と思ったら、それをさも自分が買ってきたかのように、誰かの誕生日プレゼントか何かにあげているらしいのです。 ああ、もう最低! いくら貧乏だからって、そんな節約をしてどうするんだー、泥棒! 死者に手向けた花を盗んで行った連中に呪いあれ・・・とまでは、私は思いませんが、バチが当たると思います。絶対。(当たれ!)

次回は事故発生1年後の様子について書きます。

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