ミンスク市立結核診療所学校 -- 2001年--

-- 学校概要
-- 食事
-- 健康維持
-- 体育
-- ヤクブ・コーラス
-- チロ基金との交流
-- 学校が抱える問題
2001年学校行事
-- 文化祭
「日本文化週間」(1)
「日本文化週間」(2)
「日本文化週間」(3)
ぬいぐるみのチロ
 

もくじ

 

学校が抱える問題

 画像は校内にある寮の寝室です。2人部屋と4人部屋があります。以前は2人部屋はなく、8人部屋があったのですが、改装して8人部屋を仕切って2人部屋にしたそうです。今は主に2人部屋には年齢の高い子ども、4人部屋には年齢の低い子どもが寝起きしています。

  しかし、この学校の生徒に全く問題がないかといえばそうではありません。校長先生のお話によれば、一番大きい問題は子どもの保護者にあるそうです。

 例えば、土曜日子どもを迎えに来ない、もう1年の通学期間が過ぎて普通の学校に通学できるようになったのに、また結核診療所学校に入学を申し入れる等。これらの保護者は低収入だったり、アル中など、親としての責任感が希薄で、校長先生は「信じられないが、こういう親は存在する。この学校の生徒の親の約30%が何らかの問題を抱えている。」と話していました。

 土曜日、いつまで待っても親が迎えに来ず、電話をしたら親は「適当にそっちで面倒をみてください。そのほうが(食費など)助かるんです。」という返事だったので、仕方なく保母さんの家で週末預けられた子ども。

 逆に週末家に帰ると、酔っ払ったアル中の父親に殴られたり蹴られたりするので、家に帰りたくない、と泣いて先生にすがりつく子ども。

 もう元気になって、学校は卒業したのに、「ここの学校なら、食費がかからなくて助かる。もう1年おいてください。」と口減らしのように、子どもを押し付けようとする親。

 女子中学生なのに、あまりにも着ている服が粗末なので、調べたらその子の家は床もないようなひどい小屋であったこと。(つまり貧困家庭。)・・・といった話を先生方から聞きました。

 ベラルーシの社会の悪いところがしわ寄せになって集まっているのを、目の当たりにするような話でした。少なくとも、この30%の親がもう少ししっかりしていて、普通の食事や服を子どもたちに与えていたら、その子どもたちは結核になど、かからなかったのではないでしょうか。

 非常に残念な話ですが、これもベラルーシの現実の一部です。