結核診療所学校とは?
結核診療所学校と言っても、あまりなじみがありませんよね。少し学校についてご紹介します。
ベラルーシでは結核にかかった子どもは、当然入院して治療するのですが、退院して
からも1年間は体力が弱く、病気が再発する恐れがあるため、普通の学校に通学
することは許可されません。そこで、その1年間はこの結核診療所学校の生徒として
編入されます。
この学校は全寮制で2001年現在、6歳から15歳までの子ども約160人が在籍して
います。
子どもたちは親元を離れ、月曜日から土曜日まで共同生活をしています。土曜日の
午後、保護者が学校まで迎えに来て、週末は家族と過ごし、月曜日の朝再び学校に
保護者に連れられて登校します。
こうしてまた家族と離れて暮らします。学校内には、普通の学校のように授業がで
きる教室、子どもたちの寝室、急に具合が悪くなったときのための24時間体制の医
療施設、食堂、スポーツ施設が整っています。
授業料、食費、生活費、医療費、勉強に必要な教材費などは全て無料です。
午前中は授業があり、午後は個別の診療を受けたり、スポーツなどクラブ活動をし
たりして過ごします。午後は夜も各グループに保母さんがついています。
食堂での食事は1日に5回。ビタミンの多いメニューを専門の栄養士さんが考えて
います。さらに子どもによっては多く摂ってはいけないもの(塩分や糖分など)があり
ますので、全ての子どもに対し、どの番号のテーブルについたらいいのか、表になって
指示してあります。例えば1番テーブルに置かれているのは塩分控えめのメニュー、
2番テーブルに置かれているのは糖分控えめのメニュー、というように、きめ細かく
食事を提供しています。
医療施設も整っており、それぞれの子どもに応じた治療プログラムが組まれています。
ただ、この学校の生徒たちは、すでに退院した子どもたちばかりですので、主に
病気の再発防止と体力をつけることを重視しています。マッサージ室や日光浴室もあり、
また心理カウンセラーの先生もいて、親元を離れて暮らす子どもたちの精神面も支える
配慮をしています。
このような学校の細かい心配りを子どもたちも感じているようで、みんな学校が大
好き! だと言っていました。チロ基金もこの学校の姿勢に共感しています。
これからも結核診療所学校の子どもたちのために、何かお手伝いを続けたいと
考えています。
画像は授業風景の様子です。1クラス約20人と少数です。


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