ベラルーシのおみやげ

9)ウォッカ

 ベラルーシは寒い国なので、ロシアと同じくウオッカがおいしいです。割れ物ですし、持ち出しの制限がありますが、お土産にぜひどうぞ。ベラルーシ製のウオッカは、ロシア製のウオッカより、ずっとマイルドで日本人向きの味です。
 しかしウオッカと言ってもいろいろなものが売られています。どんなウオッカをお土産にしようか、迷ったらご参考にしてください。

(1)正しいウオッカの見分け方

 純粋さをウオッカに求める場合、買う前にウオッカの瓶を回して縦に渦巻きを作ってみてください。渦巻きの泡がきれいに縦にまっすぐできると、よい品質のウオッカとされています。
 もっとも、一般商店で売られているウオッカは蓋の部分に紙が貼られていますが、これが品質保証書の代わりになっています。一度蓋を開けると紙は破れてしまうようになっています。この紙が貼られていないウオッカは法律上売ることを禁止されています。この紙がついているものは、安心して買えます。

(2)会社で選ぶなら

 ベラルーシにも各地に酒造会社があります。その中でも、日本人向けの味のウオッカを作っているのは「ブレスト製」と「ミンスク製」のウオッカです。
 ロシア語が分かると見分けやすいのですが、分からない方は前者は「ブランデーグラスのような形の商標」を後者は「2羽のコウノトリの商標」を目印にしてください。

 またベラルーシにもロシア製のウオッカが売られていますが、日本人には区別がつきにくいです。数は多くはありませんがフィンランド製やポーランド製、ウクライナ製、ドイツ製、アメリカ製のウオッカも売られています。
 ベラルーシに来たのだからぜひベラルーシ製のウオッカが買いたい場合も「ブレスト製」と「ミンスク製」のウオッカであることが分かれば、間違うこともありませ
ん。またベラルーシ語でウオッカを示す「ГАРЭЛКА ハレールカ」という言葉が'ラベルにあるものも、まちがいなくベラルーシ製ウオッカです。
 他にゴメリ製、クリモビッチ製のウオッカがベラルーシのウオッカ会社として人気ですが、私が飲んでみたかぎりではアルコールの刺激が強く、あまり日本人向けと思えませんでした。

 「ブレスト製」と「ミンスク製」と、どちらか一つ薦める・・・ということであれば、「ブレスト製」を選びます。
 なぜなら、かなり深いところから水をくみ出して使っているため、味がマイルドです。
 ブレストウオッカ工場には逸話があります。昔ここで良質の地下水が採れる、ということで、当時ブレストを治めていたポーランド王国がウオッカ工場を作りました。
 その後ロシア革命が起きて、このウオッカ工場がソ連政府のものになると分かったとき、それを悔しがったポーランド人反ソ連派がこの工場をわざと破壊し、地下水の汲み取り装置も壊して逃げました。
 その後その地下水の行方は分からないままになっていました。しかしおいしいウオッカが飲みたいソ連政府側が、何年もかかって探し、壊された工場を全部再建し、今の工場ができたそうです。それぐらいおいしいウオッカだ、という逸話です。
  
(3)安さで選ぶなら

 ベラルーシで買うならやはりベラルーシ製のウオッカが最も安いです。750ml入りのウオッカが日本円に直して200円ほどで買えます。
 安かろう悪かろう、ということはなく、安くてもおいしいです。

(4)見栄えで選ぶなら

 200円のウオッカはシンプルなラベルが貼ってあるだけです。せっかくお土産にするのだから、もうちょっと見栄えのいいものがほしい・・・ということであれば、贈答用のウオッカを買いましょう。
 「ミンスキー・ウオッカ」「チャロデイ(魔法使い)」などは、瓶のデザインも凝っています。
 また紙の化粧箱に入っているものもあります。箱なしと箱入りのタイプが並んで売られています。これなら外見にこだわる日本人に贈呈用としてあげても大丈夫です。
 ただし、これらの贈答用ウオッカは値段も高くなります。2000円ぐらい、と普通のウオッカの10倍ほどの値段になります。

 また、箱に入っていない安いウオッカを買った場合でも、見栄えをよくする方法があります。
 お酒売り場にはありませんが、民芸品売り場に行くと、木製の民芸風の模様がついた箱が売られています。これはウオッカなどのお酒を入れる箱です。またつるで編んだ酒びん用のかごも売られています。
 ベラルーシ人は紙の化粧箱より、木箱のほうが高級な感じがしていい、それに伝統的だと言っています。木箱は1000〜1500円ぐらいで売られています。安いけどおいしいウオッカを、専用の木箱に入れ、ベラルーシのお土産にするなんて、なかなか他の海外旅行のお土産にはできません。
 また、マトリョーシカの形をしたウオッカ入れの木箱もあります。マトリョーシカを開けると、中からウオッカが・・・というのも楽しいですね。 

(5)銘柄で選ぶなら

 ずばり、おいしい銘柄は? ということであればブレスト製「白樺ウオッカ」をお勧めします。毎年3月頃にしか採ることのできない白樺の樹液を水の代わりにして作ったウオッカです。瓶のデザインが白樺の幹と葉なので、すぐ分かります。値段は1000円とやや高めですが、日本では手に入れることが難しいウオッカです。

 また「チャロデイ(魔法使い)」はアメリカでオスカー賞の授賞式のとき、出席者用に出されるウオッカで、世界的に有名です。アメリカ人が選んだ「世界一おいしいウオッカ」ということですね。
 最高級ウオッカなので値段は高いですが、お土産にお酒の好きな友達にあげて、こんな話をしながら
「世界一おいしいウオッカ」かどうか、試してみてはいかがでしょうか?
by ベラルーシのT
Date:2003/07/25(Fri) 23:47

 Title:<薬としてのウオッカと薬草酒バルザム>


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 ウオッカは飲むだけではなく、薬や消毒液としても使われています。
 主に風邪薬として使うのですが、風邪をひきかけたとき、ウオッカにコショウ、あるいはとうがらしを入れて飲みます。そして頭が痛ければ帽子をかぶり、喉が痛ければマフラーを首に巻いて多少厚着をして寝ます。
 すると体がぽかぽかと温まり、翌朝目が覚めたときには風邪が治っています。これはよく効きますので、家にウオッカがあるときにはぜひお試しください。
 また唐辛子が入っているペッパー・ウオッカも売られています。少し赤みがかった色をしています。
 ウクライナ製のペッパー・ウオッカには唐辛子が丸ごと1本つけてあります。

 またベラルーシ人は
「毎日コップ1杯のウオッカを飲めば、医者要らず。」
と言っています。
 これはつまり適量なアルコールを摂取することによって、血液の循環がよくなり、健康にいい、ということです。
 (もちろん飲みすぎは健康によくありませんし、平均的日本人にコップ1杯のウオッカというのも、多すぎますが。)
 寒い地域ならではの健康法と言えるでしょう。

 またバルザムというものも売られています。これはウオッカにいろいろなハーブを漬け込んだものです。無色透明なウオッカとちがってバルザムは褐色をしており、少しとろみがついています。またウオッカとちがってガラスではなく、陶器製のビンに入れられて売られていることもあります。
 これもアルコール度数は40%ぐらいです。
 どれぐらいのハーブを漬け込んでいるかは、企業によって異なります。
 例えば「ベラルースキー」というバルザムは22種類のハーブが漬けこまれており、さらにハチミツもブレンドされていて、とても体にいい、と評判です。

 これは薬草酒なので、ウオッカのようにぐいっと飲むベラルーシ人もあまりいません。
 砂糖が入っていて甘い味がついていることが多く、かなり味が濃いです。ですから食事時にもあまり飲まれません。
 それよりコーヒーや紅茶にティースプーン1杯ほど入れて飲みます。するとハーブのいい香りがして、とてもおいしくなります。
 ベラルーシ人の中には、ウオッカにバルザムを入れて飲む人もいます。
 
 ウオッカがだめな人でも、バルザムをコーヒータイムの演出に使ってはいかがでしょうか?
 ベラルーシ人もよく日本人に「ベラルースキー」や「白い塔の森」といった銘柄のバルザムをお土産にくれます。
 もし、もらったら「一体これは何だろう?」と首をひねらず、コーヒーなどに入れてみてください。またアイスクリームのトッピングなどにも使えます。(子どもにはあげられませんが。)
 ベラルーシ人は、大変健康にいい、心が休まる、鎮静作用がある・・・ととても重宝しています。
 強いお酒が苦手な日本人のお土産にも、バルザムなら大丈夫ですね。
 
(画像は「ベラルースキー・バルザム」) 
by ベラルーシのT
Date:2003/07/27(Sun) 07:28 No.133

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