今日はクリスマス。というわけで、奇跡についてのお話です。
10月6日にチロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・ピンスク地区ソシノ村・第1回」として、ベラルーシ南部にあるピンスク地区ソシノ村へ行ってきたのですが、そのついでにピンスクとベラルーシ南西部にあるブレストの間にある、イワノボというところへ行ってきました。 なぜなら、ずっと前に 「イワノボには涙を流す聖母子画が奉られている教会がある。」 と聞いていたからです。
今はミンスクで働いているのですが、イワノボ出身の人に 「私の故郷の教会には、奇跡のイコン(聖人画)があるんですよ。聖母子像なのですが、そこに描かれた聖母マリアが涙を流すんです。」 と教えてもらいました。 「え〜、本当ですか?」 「本当ですよ。自分も見に行きましたから。」 「で、本当に泣いてました?」 「ええ。ぽろぽろ涙を流す、というよりは、じわっと何か液体が表面をちょっとずつ流れている感じでした。」 「あの・・・イコンの裏に何か仕掛けとか、なかったですか?」 「そんなものありませんでしたよ。」 ということは本当に奇跡のイコンなのでしょうか??? それで、私もいつか見に行きたいな・・・と思ってました。 そしてついに今年、イワノボの近くのピンスクまで行くことになり、寄ってみることにしました。
イワノボはけっこう大きい町で、教会がすぐ見つかるか心配でしたが、町の中心部へ行くと、確かに教会がありました。手前にスラブ正教の教会、その奥にカトリックの教会、その横は役所、その隣はレストラン、その隣は映画館、その前はバスターミナル、というように、一目見て「あ、ここが町の中心なのね。」とすぐ分かりました。 ああ、ついにやってきたぞ、もうすぐ奇跡のイコンが見られる、と胸をドキドキさせながら、スラブ正教の教会に入ろうとすると・・・ ・・・お葬式の真っ最中・・・ さすがにドアをそのまま閉めて、外に出ました。
仕方がないので、教会の周りをうろうろしていると、女の人が、教会に入って行きました。様子からしてお葬式の参列者ではなく、この教会で働いている人のようだったので、尋ねてみました。 「あの・・・イワノボに涙を流すイコンがあると聞いて来たのですが・・・本当にこの教会にあるのでしょうか?」 イワノボが意外と大きい町だったので、もう一つぐらい別の場所に教会があるかもしれない、と心配していたのです。 女の人は 「そのイコンならこの教会にあります。お葬式は気にせず、中に入って見たら?」 と言いました。確かにこの教会で間違いなかったのです! しかしお葬式に参列している人をかき分けて、イコンを見に行くのはやっぱり気が引けるので、とにかく待つことにしました。
するとタイミングよくお葬式が終わりました。中に入ると神父様が 「今から掃除のため教会は閉まりますよ。」 と言ったのですが、事情を説明して、イコンを見せてもらうことができました。(^^)
そのイコンは、教会の祭壇の前、やや左側に置いてありました。 イコンとしては中ぐらいの大きさで、確かに聖母子の絵が描かれています。聖母子の絵そのものは板に描かれており、顔や手のところ以外には、飾りの金属板で覆われていました。 さらにイコンはガラスが挟まった額に入れられていました。 イコンそのものは、板にひびが入っていたり、また暗い色調からしていかにも古いイコンであるように見えました。
近寄って目を凝らして見ましたが・・・ 「な、泣いてない!!!」 一体これはどういうことなのでしょう??? 神父様はとても親切な人で、事情が分かると、詳しく説明してくれました。 「泣く、と言われていますが、実際にはイコンそのものから聖油がにじみ出ているのです。」 しかし、そのようにも見えないのです。 すると神父様は 「ここは暗いですから。」 と供えてあったろうそくを1本取り出して、その火をイコンに近づけてくれました。 すると・・・確かにイコンが濡れているのが分かりました! イコンが描かれている板全体が、霧吹きで水をかけたように、じっとり濡れているのです!
しかも、このイコンからとてもいい香りが・・・ まさしく聖油の香り・・・ もちろんイコンの裏に仕掛けなどありません。 私は本当に奇跡のイコンをこの目で見たのです!
神父様はこのイコンについて詳しく教えてくれました。 このイコンそのものは、製作者名や製作年など、全く分かっていません。しかし、50年前にはイワノボの教会で飾られていたことが、はっきり分かっているので、それより古いイコンであることは確かです。 しかし、素人目にもかなり古いイコンであるように見えます。
1999年、11月21日の聖ミハイル追善日に、突然このイコンの聖母マリアが「涙」を流し始めました。 最初にそれを見つけたのは、お参りに来ていたある女性でした。その人がこのイコンの前でお祈りをしているとき、イコンに描かれた聖母マリアの眉毛と鼻の横に、2滴の水滴が流れているのに気がつきました。 その後、衆人環視の中、約3時間、聖母マリアは涙を流し続けました。
約1ヵ月後、涙は板全体からにじみ出るようになり、日によって、流れる場所や量が 変化しました。そして現在までその状態が続いています。 イワノボの教会は、ピンスクの教会からも神父様を呼んで来て、このイコンを見てもらいました。そして 「まさしくこれこそ奇跡である。」 と判断しました。そして涙の正体を調べるため、サンプルを取って、科学鑑定に渡しました。 その結果、涙の正体は聖油であることが分かりました。 その聖油は森の香りがすると言われ、松の葉の匂いがする、すずらんの花の香りがするとも言われています。
奇跡のイコンの噂は広まり、この教会へ訪れる人が増えました。そのうち「このイコンに口付けをしたら、病気が治った。」 という人が現れ、ますます多くの人がイコンを一目見ようと教会へ押し寄せるようになりました。 このイコンにキスをする人があまりに増えたので、教会側はガラスケースの中にイコンをおさめることにしました。
画像は今回のイコンをみた教会です。(パクロフスキー教会。1901年に建てられました。) 残念ながら、奇跡のイコンは教会内部が写真撮影禁止でしたので、写せませんでした。写せたとしても、教会の中は暗いし、イコンが濡れている様子が分かるように撮れたかどうか分かりません。 でも、本当にイコンから聖油がにじみ出ていました。本当です!!!(みなさん、Tを信じて〜〜〜)
突然始まったこの奇跡・・・。もしかすると同じように突然聖母マリアは涙を流すことをやめてしまうかもしれません。 本当に見ることができてよかったです。ありがたいものが見られました。寿命が延びた思いで教会を後にしました。(^^)
by ベラルーシのT Date:2003/12/25
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