2004年 ひな祭りの紹介
2004年3月3日、ミンスク市立第41番学校にて、ひな祭りの紹介を行いました。 ほぼ毎年行っているこの活動。今年は初めて第41番学校にて実施することになりました。 2000年から毎年行われているJQA地球環境世界児童画コンテストへのベラルーシ児童の参加者の作品郵送費をチロ基金が負担しているのですが、このコンテストにこの学校の生徒さんたちが参加したため、ご縁ができました。
JQA地球環境世界児童画コンテストについてはこちらをご覧ください。
第41番学校の生徒さんたちは第3回、第4回コンテストに参加しました。残念なことに入賞者はいなかったのですが、また第5回コンテストに挑戦したいと、すでに参加作品を完成させ、私に手渡してくれました。
このコンテストのよいところは、参加者全員に参加賞がもらえることです。第3回コンテストの結果が出て、私のところにまとめて参加賞が届けられたのですが、そのとき校長先生から電話がかかってきて、 「日本から来た参加賞。ぜひ日本人である辰巳さんから生徒に渡してください。」 と頼まれました。しかしそのとき子どもが小さくて、大変だったので「また次のコンテストにも参加しますか? それなら次に参加賞が届いたときに、ただ手渡すだけではなく、日本の紹介をする会もいっしょに開きませんか?」 と、そのときは学校へ行くのを断ったのです。 私の申し出に校長先生は快く承諾してくれました。
そして約1年後・・・。第4回コンテストに参加した生徒さんたちの参加賞が、2003年年末にTの手元に届きました。ところがちょうど学校が冬休みに入ってしまい、参加賞授与式は先延ばしに・・・。 年が明けてからもずっとバタバタしており、さらにドカ雪が降り、車は故障し、子どもは相変わらず小さいままで、手がかるし・・・で、参加賞を書留小包で校長先生宛に送りました。 それに去年の約束を守れなかったお詫びの言葉と、次回のコンテスト参加要綱のロシア語訳と、ひな祭りのときにミニ講演会でもして、ついでに次回のコンテスト参加作品をいただきます(そうすれば美術の先生が、我が家を探しに来なくてすむので)・・・ といった文書を添えました。 結局私からの提案どおりとなり、3月3日第41番学校へ行ってきました。 ベラルーシでは公立校には創設された順番に番号がつけられます。日本人からすると地名がついていないので、素っ気なく思えますが、この番号によって、新しい学校なのか、古い学校なのかすぐに知ることができます。 ミンスク市内には約220の公立(普通)学校があり、この41番学校は古い学校、ということになります。実際に尋ねると、1953年に創立され、50年を越える学校でした。
さて公立の普通学校はベラルーシが独立するまでは、どこの学校もほぼ同じカリキュラムで、ほとんど違いがありませんでした。 ところがここ10年の間に、教育法が大きく変わり、学校側に教育方針についてかなり自由に決められる権利が与えられました。 そこで起こったのは、公立の普通学校における、それぞれの専門化です。 一見普通の公立学校なのですが 「あの学校は理系」「あの学校はスポーツ」「あの学校は英語」「あそこは音楽」「専門別クラスがある(大学入試対策クラス)」 という具合に学校による特色が出てきました。 こういった専門色がないごく普通の学校はミンスク市内では現在約70校で、全体の3分の1以下となっています。
ちなみに私が住む町内には公立学校は12あり、そのうち専門色がない学校は1校だけで、残りの学校は「数学」「英語」「経済」「体育」「美学情操」といった特色があります。 住所によって、学区内にあるこの学校に通学しなさい、といった決まりもありません。親の希望や子どもの特性に合わせて、好きな学校に通わせることができます。 また転校も自由です。例えば数学を専門とする学校似通っている子どもが、小学生高学年ぐらいになってきて 「どうも自分は理系は苦手だ。英語をもっと勉強して将来通訳になりたいな。」 と思えば、英語を専門としている公立学校に、いつでも転校できます。
さて第41番学校は前は普通の学校でしたが、1995年から美術を専門とする学校となりました。 絵画だけではなく、石版画やベラルーシの伝統工芸品であるわら細工や、機織、焼き物なども教えています。 生徒さんたちはベラルーシ国内だけではなく、フランスやオランダのコンテストにも参加し、入賞した生徒も多数いるそうです。
さらに数学物理特別コースを1998年に設置。数学が好きな生徒を集めて、専門的に教えているそうです。その結果2001年には数学オリンピックで金メダルを男子生徒が獲得。 大学の理系学部進学者を多数輩出するようになりました。
さらには2000年には空手クラブが発足。3年間でベラルーシ国内で行われたジュニア向けの試合に多く参加し、全部で200個以上のメダルをこの学校の生徒さんたちがもらったそうです。
・・・とまあ、ポントゥス校長先生(女性)からこのように学校の紹介をしてもらいましたが、いやはや何だかすごい学校です。 (もし、この学校が日本にあったら「美 知 体」と筆で書いた文字が額に入れられて、校長室に飾られていそう。(^^;)) 校舎に入ると、生徒さんたちの美術作品が展示されており、また首からメダルをぶらさげた生徒さんたちの写真がいっぱい飾ってありました。 それらを眺めていて、自分の子どもをこの学校に通わせようか、と思いましたが、我が家からはかなり遠いところにあるので、ちょっと無理ですね。
さて、ひな祭りの紹介は中学年の美術を専門にしている生徒さんたちを集めて、学校内のホールで行われました。 そこでまず分かりやすくビデオでひな祭りの紹介をし、日本人の方が作ってくださった雛人形を、学校に寄贈しました。このお雛様、カメラのフイルムケースに千代紙を貼って作られたものなのですが、それを知って美術の先生が 「これはおもしろいですね。動物のお人形などに応用できるかも。」 と興味深く見ていました。
それから日本の子どもの学校生活(ベラルーシの子どもたちは日本の子どもたちの生活にとても興味を持っています。どこに行ってもこのことについて話すようリクエストされます)や、日本語、特に漢字についてなど、いろいろ話をし、最後に折り紙のビデオを見ました。 この学校では折り紙を授業に取り入れているそうで、みな真剣にビデオを見ていました。会場になったホールのあちこちには、折鶴がたくさん飾られていて、驚きました。本当にうれしいことですね。(^^) 学校には折り紙用の紙を300枚授業で使ってもらうよう、寄贈しました。折り紙が大好きだと自他ともに認める男子生徒が、代表で受け取りました。(どういうわけかベラルーシには折り紙が好きな男の子が多い。)
この他、小さいのですが和凧、日本のことをロシア語で紹介した文献を学校に寄贈しました。 生徒さんたちはみなとてもまじめで、いい子たちばかりで、この学校に来て本当に良かった、と思いました。 生徒さん手作りのわらの鳥もプレゼントでいただき、最後にみんなで記念撮影をしました。 校長先生は日本の学校と、生徒が書いた絵画の交換などして交流をはかりたい、と話していました。 もしこの文章を読んで「ベラルーシの学校と交流したい。」と思われた、学校教育関係者の方、または保護者の方がおられましたら、ぜひ辰巳宛にご連絡ください。 お雛様を作ってくださった方、それをベラルーシへ送って下さった方、また折り紙用の紙を購入するためチロ基金に寄付してくださった方、最後になりましたが、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。 皆様のご協力の下、このようなささやかですが草の根の活動を続けていこうと思っています。 
第41番学校の生徒さんたちと記念撮影しました。

ベラルーシでは3月8日が国際婦人デーのお祭りで、校内もこのように祝日ムード。 国際婦人デーのポスターの上に今回の講演会のお知らせの紙「3月3日は日本文化の日」という小さなポスターを貼ってくれました。とてもうれしかったです。(^^)
辰巳雅子
2004/03/18
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