サーラ(豚の脂身の塩漬け)
ベラルーシ人の大好きなサーラ。これをなくして、べラめしは語れません。(ロシア人もウクライナ人も大好きだけど。)
私は最初見た時、「こんな物、脂っこくて食べられない・・・。」と思いましたが、今では平気です。(^^;)
うーん。喩えるなら、日本人がサーラを試しに食べてみよう、という感覚は、日本に来た外国人が刺し身を初めて食べてみよう、と決意するのと似ています。珍しい物好きのあなたは、ぜひ、作ってみてください。
本格的サーラの作り方
2003/2 内容に追加、修正を加え、書き直しました。
(1)できるだけ新鮮な豚の脂身の固まりを用意する。
(2)塩(岩塩が好ましい)を豚の脂身の全体にまぶす。
(3)ビニール袋などに入れて密閉する。できるだけ中の空気も出しておく。
(4)暗く涼しいところで2、3日保管する。(温度が2、3度の場所)
(5)その後はビニール袋から出して、冷蔵庫に入れて保管。食べたいときに切って食べる。
応用編
塩をまぶすときにいっしょに
・コショウをまぶす。
・ニンニクのみじん切りをまぶす。
・キャラウエイ(ハーブ)の実をまぶす。
以上です。つまり、
漬けるとき、空気にできるだけ触れないようにしたほうがいい、ということです。でもその後は袋に入れっぱなしにするのはだめだそうで、冷蔵庫の中に剥き出しのサーラがごろん、と転がっていました。
スライスしてそのまま食べてもよし。サンドイッチの具にしてもよし。
でも、やっぱりサーラは黒パンが合うなあ・・・。日本の白いパンだとイマイチ。それから、ウオッカの肴にするとおいしいです。
サーラはそのまま食べるだけではなく、ラードのようにも使います。
細かく刻んでフライパンで暖め、出てきた脂を別の料理を作るときに使います。熱せられて、脂の出てしまった抜けカスのことを「シュクヴァルキ」と言って、捨てずに料理に使います。例えば、じゃがいもを丸ごとゆでた上に、脂をシュクヴァルキごとかけて、ソースとその中に浮かぶ具のようにして使います。
また、スライスしたサーラを焼いた物も食べます。(焼きサーラ)
太りたい方は、ぜひ食べてください。(^^;)
サーラの断面です。白くて柔らかくてまったりしていて、おいしいです。塩漬けなので長期保存できます。でも、生で食べるのは新鮮なうちで、時間が経って固くなったものは、火を通してから食べたり、熱して脂を別の料理に使います。
これは昔のベラルーシ人の知恵。農家では冬が来る前に豚さんを一匹下ろし、その脂身はこのように塩漬けにして保存し、春が来るまでの間少しづつ食べて、冬をしのいでいたそうです。昔、冬の間はやはり保存のきくじゃがいも、サーラ、飼っている牛や鶏から得られる牛乳や卵、それから酢漬けのキャベツだけを、朝昼晩毎日毎日食べていたそうです。
とにかく、サーラのおいしさが分からなければ、ベラルーシ人の気持ちも分からない!サーラとベラルーシとは切っても切り離すことはできません!!!
(2000/6/30 by T)
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