◆ロシアとの統合について◆

「ベラルーシとロシアは将来統合するのか？」というご質問をいただきました。
　　　　　　これまでも何度か報道されているこのニュースについて、まとめました。

(2000/6/10 by T)

統合の話をベラルーシの人々ははたして、どう思っているのか？！

　私もアンケート調査したわけではないので、何とも言えないのですが、私の周囲にいる人々の話を総合すると、こんな感じです。

統合に
賛成・・・５５％
反対・・・４０％
分からない、どうでもいい・・・５％

  　年代によって開きがあります。年齢が上がれば上がるほど、賛成派が増え、年齢が下がれば下がるほど反対が増えます。   例えば・・・
  　お年寄りは「昔（ソ連時代）は良かった」と思っているので「ロシアとの統合＝ソ連時代への回帰」と考え、「賛成」。
  　民族戦線（構成員は２０代、３０代が多い）は強固に「反対」。
  　政治のことを普段難しく考えない一般人でも、ロシアに親戚などがいる人は「賛成」。
  　自分の息子が兵役義務中の母親（父親もそうだろううけど）は「反対」。国が統合するとベラルーシ軍もロシア軍と「統合」されてしまうので、ベラルーシには関係のないロシアの紛争（チェチェンなど）に自分の息子が、かり出されるから。（しかし、現在はそういう理由で反対している人も、自分の息子の兵役義務が終わった途端、考えを変えるかもしれない。）

  Ｓ夫は「世界中から国境がなくなって、みんな自由に行き来して、平和に暮らせたらいいのに。だから、統合には賛成だ。」とか言っていますが、それじゃあ、ほとんどジョン・レノンの「イマジン」の世界。（＾＾；）

  私の考えを書きますと・・・
  ベラルーシがロシアとの統合を望んでいるのは、何といっても、ロシアが持っている石油や天然ガスなどのエネルギー源がほしいからです。今は「外国」なので、ロシアから輸入、つまり、外貨を払って買わなくてはいけない・・・（しかし、その外貨もなくて、食料品を輸出して、トントンにしているらしいですが）
それが一国になれば、わざわざ買わなくてもすむ、ということなのです。
  これはベラルーシにとってはうまい話なのですが、ロシアからすれば負担が増えるマイナス要素です。

　統合してもロシアが得をすることってあまりなさそうです。軍事面ぐらいでしょうか。ベラルーシ軍をロシア軍に組み込める。戦争が起こった時は地理的にベラルーシをモスクワ防衛の砦にしてしまう・・・等。

　何といっても、ロシアは大国なので、ロシアが腰を上げれば、ベラルーシとの統合なんてあっと言う間に進むでしょう。でも、もう何年も、そう言う話が出ているのに、実現化しないのは、ロシアがしぶっているからです。やっぱり、ロシアにとってメリット（特に経済面で)が少ないからでしょう。

  ベラルーシの一般人の意見なんて、吹けば飛ぶほど価値がないものです。（大衆の意見が政治に反映されない。）大体、賛成、反対、をわいわい唱えていても、自分たちの生活がまずは経済的に安定すればそれでいいのです。お年寄りも、民族戦線の人も。
  ま、人間なんて、みんな勝手なもんだね、ということで・・・。（＾＾；）