2005/5
入国審査が終わり、手荷物を受け取ったら、次は「税関」です。
手持ちのお金を全てドルに換算した合計が1500$以上になる場合は、必ず税関申告書(英語OK)を記入して提示してください。あと、貴重品がある場合も記入してください。
3000$以上になる場合は、規定の税関申告書ではなく、別の用紙が渡されます。これも英語でOKですが、手間隙かかって面倒くさい〜。せっかく規定の税関申告書に前もって書いておいたのに、また、書かされる・・・何か私が悪いことををしたのか? と思ってしまいますが、しょうがありません。
ただ書き写せばいいだけのことなのですが、これを書いているうちに、一緒に下りた他の乗客は先に出て行ってしまって、暇になった税関の係員に入念に荷物をチェックされてしまったり、ほんと面倒くさいです。
まあ、ベラルーシは物価も安いし、ホテルなども前払いしているのなら、長期滞在でもない限り、そんなにたくさんの現金を持参しないほうが無難です。
この税関申告書には必ず税関のスタンプを押してもらい、返してもらうようにしてください。 そしてベラルーシ出国(ロシア経由の人はロシア出国)まで、なくさないように保管してください。これはロシアの空港での入国時でも同じです。ときどき、わざと税関申告書を没収して、出国時に提示を求め、ないと分かると、法外な罰金を請求されることがあります。
これはモスクワを経由してベラルーシに出入国するときによくある問題なのですが、なぜか、モスクワの空港の税関吏は、スタンプを押してくれなかったり、申告書を返してくれなかったりします。
そして帰国するときに、またモスクワを経由して帰ろうとすると、
「ハンコが押してない! 偽の申告書だ。」
「税関申告書を持っていないなんて、おかしい奴だ。」
といちゃもんを付けられ、「罰金を払わないと、飛行機に乗せてやらない。」と脅されます。これは、わざとそうして、税関吏同士、小遣いを稼いでいるのでは? という説が(日本人の間では)有力です。本当に気を付けてくださいね。
税関申告書は、当然ですが、財布の中身の金額と同じ額をきちんと書いてください。財布を開けろ、と言われて申告書に書いた額より、実際の財布の中身が多かった場合、多い分だけ没収される可能性があります。
税関で荷物をまたX線にかけます。さらに開けるよう指示されることもあります。税関吏が注意しているのは主に・・・
・薬
麻薬かと思われる。自分の常備薬であることを説明しましょう。よく口頭で「薬は持ってきていますか?」ときかれます。
・ビデオテープ、カセットテープなど。
反政府宣伝が入っているのでは? と疑われる。これもそんなものではないことを主張しましょう。
こういうふうに疑われるのは気持ちのいいものではありません。が、もっと不愉快なのは「おねだり」です。「世界中のコインをコレクションしているんだ。日本のコインちょうだい。」と今まで何人のいい歳をした税関吏に言われたことか・・・。もちろんあげないと通してくれないわけではありません。「持っていない。」「あげられない。」と主張するか、言葉が分からないふりをしてさっさと通過しましょう。こんなのに時間を取られるのは馬鹿らしいです。
コインだけではなく、あからさまに荷物の中にあるものを指差し、「これちょうだい。」「1個でいいから。」「娘の誕生日プレゼントにしたいのよ。」 と言い出す情けない輩もいます。彼らの言うことは無視して通り過ぎましょう。
この税関申告書、スムーズに記入できる日本人は少ないようです。
まず、日本の旅行会社などがくれる白くてきれいな紙に、英語で印刷された税関申告用紙ですが、ベラルーシの税関ではこれを受け付けてくれません。
前もって飛行機の中で記入していても、到着後空港が用意している申告用紙に書き直しを命じられます。
しかし、この用紙、どこに何を書けばいいのか、ベラルーシ人には分かりやすくても、日本人には分かりにくいデザインなのです。
わら半紙で、英語とロシア語、ドイツ語のタイプがあります。
ここでは英語版の書き方を伝授します。
(1)まず上のほうに四角(□)が3つ並んでいます。
ベラルーシに入国時の場合は一番左の□Entry にX印を入れます。
出国時の場合は真ん中の□Exit にX印を入れます。
トランジットでベラルーシを訪れた場合は 右の□Transit にX印を入れます。
(2)*その次に「1.Personal data」とあり、その下に何だかよく分からない線が何本か引いてあります。
よ〜く見て「surname」という言葉を見つけたら、その上に引いてある線の上に苗字をパスポート表記のとおり記入してください。
ここで大事なのは記入するのは言葉の上、という点です。日本人はつい言葉の右横や下に書いてしまいますが、必ず上に書いてください。
*同様に真ん中の「first name」という言葉の上に名前を記入してください。
*左に「patronymic」を記入せよ、ともありますが、これは言わばミドルネームのことで、日本人は関係ないため空欄のままにしておきます。
(3)*その次に「country of permanent residence」というのがありますが、これは在住国のことなので、大抵の日本人の方は「JAPAN」と記入することになります。(これも言葉の上に記入してください。)
*「citizenship」これは国籍のことなので「JAPAN」と、これも言葉の上に記入します。
*その左に線の上に「series」「No.」とあり、線の下に「passport」とあります。
これも日本人には分かりにくいのですが、「series」の右横にパスポート番号の頭の英語文字を記入し、「No.」の右横にパスポート番号の数字部分を記入してください。
(4)*その次に「country of departure」とありますが、もしベラルーシへドイツ経由で入国した場合、この言葉の上に「Germany」と記入します。
*その左に「country of destination」とありますが、上記の例の場合、この言葉の上に「Belarus」と記入します。
<もし、ベラルーシからドイツ経由で出国する場合、「country of departure」に「Belarus」、「country of destination」に「Germany」と記入します。
ベラルーシへ日本から直行で来られる交通手段はないので、この二つの欄にはベラルーシか経由国名を記入することになります。>
(5)その次に「16歳以下の子どもを同伴しているか?」という質問がありますので、いる場合はYesの□に、いない場合はNoの□にX印を記入してください。
いる場合は子どもの数を「number」という言葉の右横の線の上に記入してください。
(つまり、16歳以上であれば、必ず税関申告しなければならない、ということです。逆に15歳以下の子どもは申告用紙の記入は不必要です。)
(6)*その次に「2.Information about luggage」とあり、携帯している荷物の有無を記入します。普通は荷物があるのでYesの□にX印を記入します。
*そして総個数を「Number of pieces」という言葉の右横の線の上に記入してください。
*その右横に別送荷物について同様に有無と個数を記入してください。
(7)その次に「3.Information about goods」というのがあります。これは主に所持している外貨についての記入欄です。
*「Description of currency,values and articles」の下に「US$」や「Japanese Yen」と記入し、その右横の欄(「in figures」の下)に数字で金額を記入してください。
*さらにその右横の分かれた欄(「in words」の下)にその数字を英語表記してください。
(外貨だけではなく、高額証券や貴金属などを持っている場合もここに記入してください。)
(8)その下にいわゆる「武器を持っていますか?」「麻薬を持っていますか?」「放射線を出すものを持っていますか?」などといったお決まりの質問があります。
普通はこれにYesと答える人はあまりいないので、全部Noの□にX印を記入してください。(11箇所)
(あまり必要なさそうなので、それぞれの質問についてここでは解説しません。)
(9)では用紙の裏をめくってください。
また「4.Information about goods」 という大きい記入欄がのっています。これは(8)の11の質問のうちYesと答えた項目に関して詳しく記入する欄です。
(8)の質問に全部Noと記入した場合、この(9)の欄は空白のままでかまいません。
(10) その次に「4.2 Information about means of transport」という四角くかこってある記入欄がありますが、これはベラルーシへ車やトラックなど車道を通って出入国する場合に記入する欄です。
ベラルーシへ車で出入国する人はあまりいないので、ここでは解説しません。
(11)*その下左側に「≪ ≫ 」という変な記号が載っています。これは税関申告する日付を記入する欄です。日本人には分かりにくいのですが ≪ ≫ の括弧内に日、その右横に月、その右横に年を記入してください。
2003年10月1日なら ≪1≫10.2003 と記入します。
*日付の右に「The signature」とありますので、その右横の線の上にパスポート記載と同じ署名を記入してください。
上記の税関申告用紙をもう1枚同様に記入すると、完成です。お疲れ様でした。
税関の役人によっては、ちょっと書き間違えただけで「初めから書き直せ!」という人や、間違いを二重線で消して訂正しても「こんなのだめ。はい、初めから書き直し。新しい紙を持ってきて!」等と、全然融通のきかない人もいます。
何回も書き直しを命じられ、飛行機から出て空港の出口までたどり着くのに1時間以上かかった人もいます。
税関申告書を何度も書き直すのがとても楽しい、という人はあまりいないと思います。
すばやくベラルーシの税関を通過したい、とお考えの方は、上記の記入の仕方をよく読んで、無駄な時間を過ごすことのないようにがんばってください。
ご健闘を祈ります。(^^;)