日本人の皆様、何でもいいので日本語でクリスマス・ソングを歌ってみてください・・・と言われたら、どんな歌を歌いますか?
「ジングルベル」「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」「もろ人こぞりて」「サンタが町にやってくる」・・・たくさん出てきますね。
日本はキリスト教徒が多いわけでもないのに、どうしてこんなにたくさん知っているのでしょう?
何と言っても歌詞が日本語に翻訳されているから・・・これが理由の一つでしょう。
では次に日本に比べると圧倒的にキリスト教徒が多い国、ベラルーシで「クリスマス・ソングを歌ってみてください。」とベラルーシ人に言ったら、どうなるでしょう?
ベラルーシ語だろうがロシア語だろうが、ほとんどの人が「知らない。」「歌えない。」「お正月の歌なら歌えるけど・・・。」と答えます。
私は日本語だけど「ジングルベル」「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」などの歌をベラルーシ人に歌って聞かせたことがあります。しかし、誰からも
「ああ、この歌、メロディーなら知ってる!」
と言われませんでした・・・。日本だけじゃなく他の国々でもよく歌われている歌ばかりなのに・・・。
一体全体これはどうしたことなのでしょう?
その理由はソ連時代、ベラルーシは宗教が禁止されていたため、クリスマスソングをはじめとする、賛美歌が歌われなくなり、また教えられなくなったからなのです。
独立後、宗教は解禁され、
「うちの子は教会の賛美歌隊に入っていて、宗教曲をたくさん知ってますよ。」
という人もいます。
しかし、一般ベラルーシ人には気軽にみんなで歌えるクリスマスソングは、まだまだ復活していません。
日本だと、別にキリスト教徒が多いわけでもないのに、街中でジングルベルが鳴り響いているような時期でも、ベラルーシの商店のBGMにこのような定番クリスマスソングが使われているのを、私は聴いたことがありません。(イギリスの歌手たちが歌っている「ラスト・クリスマス」などならオリジナルが、ラジオから流れてきたりしますけど。)
母国語で歌えるクリスマスソングが存在しない、これは由々しき事態である・・・と思ったのかどうか分かりませんが、1999年にベラtml
収録曲「茶摘み」にも参加していますので、皆さんご存知ですね。
さてクリヴィですが、現在はメンバーの入れ替えがあり、1999年当時のメンバーとは顔ぶれが違うのですが、「聖なる夜」にはクリヴィのメンバーの1人としてのトーダル(
http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/2005/todalprofil.html)
が参加しています。
このCDによって初めて公開されたベラルーシ語版「きよしこの夜」の編曲とボーカル、そして シューベルト作曲の「アヴェ・マリヤ」のベラルーシ語版の編曲を担当したほか、
「新しいベラルーシ語のクリスマスソングを我らがベラルーシ民族に!」
という企画のもと「めぐみの夜、聖なる夜」「神の子イエスが生まれた」という曲の作曲もしています。
また他のアーティストが作った歌にバックコーラスとして参加もしています。
ラッパーのパミドーラウさんが作詞作曲したクリスマスソング「クリスマスの奇跡」は、やっぱりラップです。歌詞はちゃんとクリスマスソングなのですが、ラップのクリスマスソング(しかもベラルーシ語)というのは、これだけしかないでしょうね。
「ジングルベル」はパラー」がベラルーシ語訳を作り、以前自分たちが作ったアルバムに収録されていたのですが、「聖なる夜」に追加収録されました。
ちょっと残念なのは、やはりパラーツが「メリークリスマス」という曲も以前作って、1995年に発表した自分たちのアルバムに入れていたのですが、これは「聖なる夜」に収録されなかったことです。
この「メリークリスマス」は「ジングルベル」とちがってパラーツのオリジナル曲なのですが、間奏部分で、当時パラーツのメンバーだったトーダル君が、ラップの歌詞を一人で歌っているのです。しかも英語で。これがやたらうまい。
24歳のときのトーダル君の英語ラップが聴ける貴重な歌なんですけどね。
トーダル君、ラップも歌えるのか・・・英語の発音もかなり上手だし、やっぱりすごいですね、トーダル君。
私は2000年から毎年12月になると、このCD「聖なる夜」をかけて、クリスマスムードを盛り上げようと精一杯がんばっています。
(厳密に言うと、私が持っているのは「聖夜2000」のほうで、パラーツの「ジングルベル」と「メリークリスマス」はパラーツオリジナルCDのほうで聴いているのですが。)
しかし、S夫は「ジングルベル」も「きよしこの夜」も全く知らなくて、ベラルーシ語版クリスマスソングを聴いて初めてそういう歌があることを知ったせいか、大した感慨もなく「聖なる夜」を聴いています。
家で毎年一人盛り上げようとする私・・・しかも我が家はスラブ正教なので、クリスマスは1月7日。12月にクリスマスCDを聴いていると、「まだ早いのに。」という目でS夫から見られ、イブの晩もただの晩。つまらないよ〜〜〜
仕方ないので、トーダル君が子ども達と歌っている「きよしこの夜」を、12月24日の夜は一人で聴いて寂しい心を慰めています。(その代わり1月6日がイブになるから、いいんですけどね。)
このCD「聖なる夜」は京都にあるヨーロッパ輸入雑貨店「Vesna!」で取り扱っています。
http://vesna-ltd.com/ ただ、11−12月のみの販売となりますので、ご注意ください。またネットショッピングではこのCDは取り扱っていませんが、「ほしいけど京都まで買いにいけないよ。」という方、あきらめず店舗まで問い合わせてみてください。
さあ、今年も私はトーダル君たちのベラルーシ語の歌声とともに年越しいたしますよ!
♪ Merry Christmas to You!
<追加情報>
パラーツの「メリークリスマス」はパラーツの公式サイトで視聴できることが分かりました!
パラーツの公式サイトトップページはこちら。(ただしベラルーシ語表記のみ)
http://www.palac.org/ このサイトの中のこのページを開いてみてください。
http://www.palac.org/disc.htm 1番目のリストの中の8番目の「Merry Christmas」をクリックして開いてみてください。
(我が家のPCではすごく時間がかかりましたが、接続できました。)
収録した年がいつか分かりませんが、「メリークリスマス」ライブバージョンが視聴できます。(CDに収録されているバージョンとはちょっと違います。)
トーダル君のラップもばっちり聴けました。
このサイトでは他にもパラーツの曲がたくさん視聴できますので、ご興味のある方はぜひアクセスしてみてください。
ちと残念なのはCD「聖なる夜」に収録されている「ジングルベル」は視聴可能曲リストに入っていないことです。これはCDで聞くしかないですね〜。
♪ ジングルベ〜ル ジングルベ〜ル ・・・の部分がベラルーシ語だと、どう変わってしまうのかがおもしろいんですが・・・。
たねを明かせば、こうなります。
♪ ズボン ズビニ〜ツィ ズボン ズビニ〜ツィ (^▽^;)