ベラルーシにおける人身売買反対キャンペーン
IOM(国際移住機関 International Organization for Migration)http://www.iom.int/という組織のホームページの中に、ベラルーシにおける人身売買反対キャンペーン(Belarus - Counter-Trafficking Campaign)の広報サイトがありました。
(注:全部ロシア語です)
http://www.stoptrafficking.by/
(URLもストップ人身売買ドットベラルーシだ)

2004年5月にユニセフが東京で開いた人身売買に関するシンポジウムに行ったところ(近くだったし、無料だったから)、私が予想していた東南アジアにおける人身売買ではなく、ヨーロッパで深刻化している人身売買がテーマでした。このとき話題になったのはモルドヴァ(旧ソ連の国で、確かヨーロッパの最貧国などといわれるくらい貧しい国)における人身売買の被害についてでした。この国では、国を挙げて「人身売買の被害をくいとめよう」キャンペーンが始まったのだそうです。
日本ではちょっと考えられないですよね。

このときヨーロッパの政治背景として語られていたのが、EUと非EUの格差が貧富の差につながり、貧しい国から豊かな国への不法移住(人身売買によってムリヤリ連れてこられる場合もパスポートを人買い商人に取り上げられるケースが多く、結果的に不法移住と見なされる)が発生する。もちろん、不法移住は犯罪の温床となるので、豊かな国はキビシク取り締まろうとする。(日本もそういう国で、外国人の犯罪!などといってテレビで取り締まりの様子をドキュメンタリーにして放送していますよね)

一方で、人身売買の犠牲となって騙されて連れてこられた場合(特に殆どの場合が子供や少女)、見つかって運良く帰国できても、元の生活に戻るには大変な困難が伴い、カウンセラーによるセラピーが必要・・・という話がありました。

ベラルーシは現在ポーランド国境がEUと非EUを分けていますが、経済に問題を抱えていることから考えても、人身売買に関する問題が以前からあったことが予想されます。

ご紹介したキャンペーンは、英語のサイトがないのが残念ですが、トップページのFLASH画像だけでも結構衝撃的です。
よかったらご覧下さい。
by さば@管理人
Date:2004/08/04(Wed)01:37

人身売買されるベラルーシ人
さばさんの投稿にあったベラルーシにおける人身売買反対キャンペーンについて一言。
 残念ながら、ベラルーシ人が売られてしまったり、行方不明になったりするということは、年々増加しており、今は国営テレビで「うまい話に飛びつくのはやめよう。」といったキャンペーン広告が何種類か放映されています。

 多いのは若い女性が「外国でいい仕事がある。」と誘われて、行ってみたら、売られてしまっていた、というケースです。
 私の知り合いのお母さんが、以前ミンスクの空港のパスポートコントロールで働いていたのですが、外国で売られていたのが見つかって、ベラルーシに帰ってくることができた、という女性が、毎日のようにいたそうです。それだけ人身売買がされている、ということです。
 人身売買をする組織も悪いのですが、ベラルーシ国内で紹介する人(被害者と同じベラルーシ人)も同罪だと思います。
 若い女性をそういった組織に紹介すると、一人につき数百$の謝礼がもらえます。
ベラルーシ人からすると、すごい大金ですから、それに目がくらんで、子どものときから仲良くしていた親友や、親戚の子どもを紹介するベラルーシ人もいるわけです。

 子どもの行方不明も多いです。他の外国と地続きなので、運送するのが簡単なのです。外国へ連れて行かれると、ベラルーシの警察もなかなか捜索できなくなってしまいます。
 女性や子どもだけではなく、男性も人身売買の対象になっています。
 安い労働力として、外国へ出稼ぎに行き、そのまま行方が分からなくなってしまう人もいます。

 また経済的に豊かなEU諸国が非EU諸国の人間を、買うとも限りません。
 ロシアへ建築作業の出稼ぎに行ったら、持ち物を取り上げられ、文字通り奴隷のように働かされたベラルーシ人男性がいます。他にも旧ソ連諸国から出稼ぎに来ていた人たちが、同じように強制的に働かされていたそうです。
 二国間に経済格差が少しでもあると、こういうことが起こりえます。
 (それにしても世の中危険だらけですな・・・)
by ベラルーシのT
Date:2004/08/14(Sat) 18:49  

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